生きる木あるか

わが仕事場の裏にある桜が、
少し強い雨のあと、太い枝のところからはがれたように
割れ落ちてしまった。

見ると、残った主幹のほうには、花も葉もなく、枯れて立っている。

地に落ちた太い株のほうには、青々とした葉が密生している。

生きている太株の重さを、枯れた主幹が支えきれなかったものと見える。

桜の木のすることなのに、

なんとなく、人間模様のおかしさのような出来事。

倒れた株の枝を鉈で整理して、

枯れた立木の下にならべた。

たいして意味はないが。

みんな枯れてしまう。