田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

知恵泉「早川雪洲」(NHK)

2024-04-18 12:20:38 | テレビ

 20世紀初頭、映画の都・ハリウッドで頂点へ上り詰めた日本人俳優・早川雪洲。千葉の漁村に生まれた男がなぜ米国へ? きっかけは大きな挫折と運命的な事件。当時、日本人への差別意識が高まる中、なぜ雪洲は2年足らずでトップスターになれたのか? そこには自分の価値を高める巧みな戦略があった。雪洲が成功を手にするまでの前半生の知恵に迫る。

 実は、雪洲の故郷である千葉県朝夷郡千田村(現・南房総市千倉町千田)は、亡母が生まれ育った白間津の隣村。それ故、雪洲にまつわる伝説の幾つかは、母から聞いていたので親しみがあった。

 後年、雪洲のことを調べた際には、『聖林の王 早川雪洲』(野上英之)と『早川雪洲-房総が生んだ国際俳優』(大場俊雄)がとてもためになった。一時、大島渚監督が坂本龍一を雪洲役にして伝記映画を撮る企画があったが、残念ながら流れている。



『戦場にかける橋』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/5484fc1869b984aefe90773abcb55129

『底抜け慰問屋行ったり来たり』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/430dd7c84afcfa4a45871fbd31629e46

 

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【インタビュー】『走れない人の走り方』山本奈衣瑠

2024-04-18 11:08:46 | インタビュー

 映画監督の小島桐子はロードムービーを撮りたいと思っているが、限られた予算や決まらないキャストなど、数々のトラブルに見舞われる。理想と現実がずれていく中で、彼女はある選択をする。台湾出身で日本に留学し、東京藝術大学大学院映像研究科で学んだ蘇鈺淳(スー・ユチュン)監督が、卒業制作として手掛けた長編デビュー作『走れない人の走り方』が4月26日から公開される。本作で主人公の映画監督を演じた山本奈衣瑠に話を聞いた。

「自由に映像を撮れることを楽しんでいる作品だと思います」
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1430395


『走れない人の走り方』(2024.3.12.オンライン試写)

 監督は、もともと台湾で映像を学んでいたが、東京藝術大学大学院映像研究科で教授を務める諏訪敦彦監督の『2 デュオ』を見たことをきっかけに藝大に留学。

 入試のために制作した短編『豚とふたりのコインランドリー』は、PFFアワード2021で審査員特別賞を受賞した。本作は藝大の卒業制作として手がけた初長編作品で、第19回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門に出品されるなど好評を博した。

 「この世には誰にも盗めない二つのことがある。それは見終わった映画と食べ終えた料理」というセリフが印象に残った。

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『ゴジラ×コング 新たなる帝国』

2024-04-18 08:26:19 | 新作映画を見てみた

『ゴジラ×コング 新たなる帝国』(2024.3.28.東宝試写室)

 怪獣と人類が共生する世界。未確認生物特務機関「モナーク」が異常なシグナルを察知したことを発端に、ゴジラが君臨する地上世界とコングが生きる地底世界の2つのテリトリーが交錯し、ゴジラとコングが激突する。

 しかし、その先には人類にとってさらなる未知の脅威が待ち受けており、怪獣たちの歴史と起源、さらには人類の存在そのももの謎に迫る新たな冒険が繰り広げられる。

『GODZILLA ゴジラ』(14)から始まったハリウッド版「ゴジラ」シリーズと『キングコング:髑髏島の巨神』(17)の世界観をクロスオーバーさせた「モンスターバース」シリーズの通算5作目。

 前作『ゴジラvsコング』(21)に続いて監督はアダム・ウィンガード。出演は、レベッカ・ホール、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ケイリー・ホトルが続投し、ダン・スティーブンス、ファラ・チェンらが加わった。

 もともと「モンスターバース」は、物語の設定やゴジラやコングの造形も含めて、東宝のゴジラシリーズとは別物だと思っているので、こんな設定で見せられても、もはや驚きもしない。今回は『猿の惑星』ならぬ「コングの惑星?」も登場する。

 監督のウィンガードは前作の時に、「これは巨大怪獣の大乱闘映画」と語っていたが、今回も同様。要は金を懸けたVFXを使って、いかにゴジラとコングを相まみえさせるか、その闘いをどう見せるかが重要なのだ。

 この映画を見ると、『ゴジラ-01』がアカデミー賞を得たのは、低予算でのVFXの技術もさることながら、「戦争とゴジラ」というテーマやストーリー性の高さが評価されたからだと納得できる。その意味ではこの映画は“反面教師映画”と言えないこともない。


『ゴジラ GODZILLA』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/292ad16b437a3cccd4fbad12a90e6595

『キングコング 髑髏島の巨神』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/dab6905cb20629a11af59edd9adc8b3c

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/946aeb53cdb095eb268528019ceb9c7b

『ゴジラvsコング』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/43e097582c842907d0a125cf72bdf327

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「BSシネマ」『風とライオン』

2024-04-18 08:00:19 | ブラウン管の映画館

『風とライオン』(75)(1977.1.22.渋谷全線座.併映は『さらば愛しき女よ』)

 1904年、モロッコのタンジールで、アメリカ人のペデカリス夫人(キャンディス・バーゲン)と2人の子どもがリフ族の首長ライズリ(ショーン・コネリー)に誘拐された。事態は国際紛争となり、アメリカのセオドア・ルーズベルト大統領(ブライアン・キース)は大西洋艦隊をモロッコへ向かわせる。一方、誘拐されたペデカリス夫人は確固たる信念を持つライズリに温かな感情を抱くようになるが…。

 ジョン・ミリアス監督の豪快な演出、ビリー・ウィリアムズの撮影、ジェリー・ゴールドスミスの音楽も魅力的。『アラビアのロレンス』(62)を思わせるところもある映画。コネリーがやたらとカッコいい。特にライズリが馬に乗りながら銃を持って去っていくラストシーンは感動的ですらある。バーゲンもなかなかよかった。

 黒澤明が大好きなミリアスは、西洋的な合理主義ではなく、東洋的な思想に傾倒しながら伝説を語るところがある。また、この映画はジョン・フォードの『捜索者』(56)からの影響も受けているという。

 高校時代に、リフ族とセオドア・ルーズベルトとの関係についてリポートを書いて褒められた思い出がある。


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