田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

「鎌倉殿の13人」と「草燃える」

2022-02-28 09:17:35 | 大河ドラマ

 今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を見ていると、「草燃える」(79)のリメークのようだと感じる。脚本の三谷幸喜は自分とほぼ同年代で、しかも大河ドラマフリークのようだから、恐らく「草燃える」に対する思い入れも相当強いものがあるはず。

 「草燃える」は、基本的にセリフが現代語だったので物議を醸したが、「鎌倉殿の13人」もそれを踏襲している。また、「新選組」(04)の時に、かつてドラマで土方歳三と沖田総司を演じた栗塚旭と島田順司を登場させたり、「真田丸」(16)の時は、三谷自身が大好きだったという、「国盗り物語」(73・明智光秀「黄金の日日」(78・石田三成で活躍した近藤正臣を本多正信役に起用した。

【インタビュー】「真田丸」三谷幸喜
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/5c44ca52acc342d4f73e25564e8a0ddd

 で、今回も、「草燃える」で北条義時を演じた松平健を平清盛役で、丹後局の草笛光子を比企尼役で、藤原定家の岡本信人を千葉常胤役で起用している。さすがは大河ドラマフリークだけのことはある。

「草燃える」と「鎌倉殿の13人」のキャストを比較してみた。

北条時政:金田龍之介→坂東彌十郎
北条宗時:中山仁→片岡愛之助
北条政子:岩下志麻→小池栄子
北条義時:*松平健→小栗旬
北条保子:真野響子→宮澤エマ(実衣)
北条時房:森田順平→瀬戸康史
北条泰時:中島久之→坂口健太郎
牧の方:大谷直子→宮沢りえ(りく)

源頼朝:石坂浩二→大泉洋
源範頼:山本寛→迫田孝也
阿野全成:伊藤孝雄→新納慎也
源義経:国広富之→菅田将暉

大姫:池上季実子→南沙良
源頼家:郷ひろみ→金子大地
源実朝:篠田三郎→柿澤勇人

大庭景親:加藤武→國村隼
伊東祐親:久米明→浅野和之
伊東祐清:橋爪功→竹財輝之助
伊東祐之(架空):滝田栄→なし
茜(架空):松坂慶子→新垣結衣(八重)?
山木兼隆:長塚京三→木原勝利
工藤祐経:加藤和夫→坪倉由幸

安達盛長:武田鉄矢→野添義弘
三浦義澄:早川雄三→佐藤B作
三浦義村:藤岡弘→山本耕史
和田義盛:伊吹吾郎→横田栄司
梶原景時:江原真二郎→中村獅童

比企能員:佐藤慶→佐藤二朗
比企尼:なし→*草笛光子
畠山重忠:森次晃嗣→中川大志

土肥実平:福田豊土→阿南健治
上総広常:小松方正→佐藤浩市
千葉常胤:小笠原弘→*岡本信人

大江広元:岸田森→栗原英雄
三善康信:石濱朗→小林隆

平清盛:金子信雄→*松平健
平宗盛:西田健→小泉孝太郎

後白河法皇:尾上松緑→西田敏行
丹後局:*草笛光子→鈴木京香
藤原定家:*岡本信人→?

文覚:観世栄夫→市川猿之助
藤原秀衡:なし→田中泯

熱海・伊豆山神社「草燃える」と『炎環』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/c693f91891eebb371bda6f2674c844e4

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「BSシネマ」『大脱走』

2022-02-28 07:30:04 | ブラウン管の映画館

『大脱走』(63)

『大脱走』日本語吹き替え版
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/509d44d9384caa6d0e97d3ab35ad3dc9

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『映画の森』「2022年 2月の映画」

2022-02-28 07:19:50 | 映画の森

 共同通信社が発行する週刊誌『Kyoudo Weekly』(共同ウイークリー)2月28日号で、『映画の森』と題したコラムページに「2022年2月の映画」として、5本の映画を紹介。独断と偏見による五つ星満点で評価した。

1980年代のテイストが満載
『ゴーストバスターズ/アフターライフ』☆☆☆

名作ミュージカルを新たに映画化
『ウエスト・サイド・ストーリー』☆☆☆☆

ジャズ界の伝説的歌手の生涯を描く
『ザ・ユナイテッドステイツvs.ビリー・ホリデイ』☆☆

主張するブラックムービーの1本
『ドリームプラン』☆☆☆

「愛の数だけ、秘密がある」
『ナイル殺人事件』☆☆☆

クリックで拡大↓

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『ベルファスト』

2022-02-27 07:07:59 | 新作映画を見てみた

『ベルファスト』(2022.2.25.オンライン試写)

 ケネス・ブラナーが、自身の幼少期の体験を投影して描いた自伝的作品。出身地である北アイルランドのベルファストを舞台に、宗教間の対立に翻弄される町の様子や、家族や周囲の人々とのふれあいの中で成長していく主人公の少年の姿などを、モノクロ映像で描く。

 ベルファストで生まれ育った9歳の少年バディ(ジュード・ヒル)は、家族と友達に囲まれ、映画や音楽を楽しみ、充実した毎日を過ごしていた。だが、1969年8月15日、プロテスタントの武装集団がカトリック住民への攻撃を始め、穏やかだった日々は突如悪夢へと変わってしまう。

 住民の多くが顔なじみで、一つの家族のようだったベルファストは、この日を境に分断され、暴力と隣り合わせの日々を送るバディの家族も、故郷を離れるか否かの決断を迫られる。

 監督のブラナーはもちろん、父親役のジェイミー・ドーナンと祖父役のキアラン・ハインズ、音楽のバン・モリソンもベルファストの出身。母親役のカトリーナ・バルフもアイルランドのダブリン出身だ。だから、彼らにとってこの映画の物語は“自分たちの話”なのだろう。その彼らが皆素晴らしい演技を見せる。

 ブラナーは「私の愛した場所、愛した人たちの物語だ」と述べているが、これは例えば、イギリス関係でいえば、ジョン・フォードの『わが谷は緑なりき』(41)やビートルズの「イン・マイ・ライフ」の歌詞とも通じるところがあると感じた。

 ブラナーの分身であるバディ少年に、祖母(ジュディ・デンチ)がフランク・キャプラ監督の『失はれた地平線』(37)の思い出を語りながら、「おまえは本当に映画が好きなのね」と、彼の未来を予測するようなシーンがあったが、この映画にはいろんな映画のタイトルや場面が登場する。

 テレビで見た「宇宙大作戦=スタートレック」(66)「サンダーバード」(65・66)『リバティ・バランスを射った男』(62)『真昼の決闘』(52)、家族と一緒に映画館で見た『恐竜100万年』(66)『チキチキ・バンバン』(68)など。

 ブラナーは、自分と同い年だから、映画やアポロ11号の月着陸などの思い出が重なるところがある。それがこの映画を甘酸っぱく感じさせる要因の一つになっているのかもしれない。
 

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『太泰の一番暑い日 ~映画監督・井上昭の93年~』

2022-02-26 06:50:53 | 映画いろいろ

 先頃、93歳で亡くなった井上昭監督の最後の作品となった『殺すな』の撮影現場に密着したドキュメンタリー。

 井上監督の作品は、大映時代の、いずれも市川雷蔵主演の『桃太郎侍』(63)『眠狂四郎多情剣』(66)『陸軍中野学校 密命』(67)『陸軍中野学校 開戦前夜』(68)をテレビで見たのみ。だから、映画を離れた後の、テレビ映画の監督というイメージの方が強い。

 93歳まで現役で、ボケもせず、しっかりと自分の足で歩いている姿を見ると、自分もこんな年の取り方をしたいと思わされた。

 また、このドキュメンタリーを見ていると、映画はたくさんの人々の力が結集して作られるものなのだと、改めて感じさせられた。雷蔵の“自撮り"エピソードが面白かった。

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『ガンパウダー・ミルクシェイク』

2022-02-26 06:34:06 | 新作映画を見てみた

『ガンパウダー・ミルクシェイク』(2022.2.24.オンライン試写)

 ネオンきらめくクライム・シティ。暗殺組織に所属するすご腕の殺し屋サム(カレン・ギラン)は、ターゲットの娘エミリー(クロエ・コールマン)をかくまったために組織を追われ、命を狙われることになる。

 サムは、かつて殺し屋だったマデリン(カーラ・グギーノ)、アナ・メイ(アンジェラ・バセット)、フローレンス(ミシェル・ヨー)が仕切る図書館に飛び込む。そこに行方不明だったサムの母スカーレット(レナ・ヘディ)も加わり、女たちはジェーン・オースティンやバージニア・ウルフの名を冠した武器を手に、組織との激しい戦いへと身を投じていく。

 監督・脚本はイスラエル出身の鬼才ナボット・パプシャド。赤を基調にしたポップで独特な色遣いが印象に残る。

 また、子どもをかくまう殺し屋という設定は『グロリア』(80)『レオン』(94)、ユーモアとバイオレンスを合体させたアクロバティックなアクションシーンは『キック・アス』(10)『キングスマン』シリーズ、女性グループ中心のアクション映画としては『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』(20)、そのほか、『レザボア・ドッグス』(92)『キル・ビル』(03)をはじめとするタランティーノの映画や、マカロニウエスタンからの影響も感じさせる。音楽も『続・夕陽のガンマン』(66)のエンニオ・モリコーネ風だ。

 『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』公開時にマーゴット・ロビーにインタビューしたが、彼女は「例えば、この映画のような、女性のアンサンブルによるアクション映画は、キャメロン・ディアスたちの『チャーリーズ・エンジェル』(00)以来ではないでしょうか。女性のアンサンブルで痛快に悪をやっつけるというストーリーはほとんどないと思います。だから、女性たちが悪を負かすのを見るのは同性としては気持ちがいい。痛快なガールズアクションは見ている人の気分を高揚させてくれると思います」と語っていた。

 この映画もその系譜に連なるのだろうが、こうした映画を見ていつも思うことは、フェミニズムを主張するために、ここまで過激なバイオレンスシーンが必要なのか? それがかっこいいと思っているのならそれは勘違いなのではないか、ということである。

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「カムカムエヴリバディ」伴虚無蔵と福本清三

2022-02-25 17:40:02 | カムカムエヴリバディ

 朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の舞台となっている条映映画村のモデルは、明らかに東映映画村だが、松重豊演じる大部屋俳優の伴虚無蔵のモデルは、先年亡くなった福本清三さんなのかな。

 殺陣は素晴らしい虚無蔵が、セリフが下手というのは、福本さんと同じ。福本さんの主演作『太秦ライムライト』(14)の役名・香美山清一(かみやま・せいいち)は、セリフをかむというシャレからきているぐらいだ。

 さて、福本さんのように、虚無蔵にも奇跡は起こるのか。

松重豊「カムカムエヴリバディ」で伴虚無蔵役
https://tvfan.kyodo.co.jp/news/topics/1317822

「あんちゃん」「あのお方」「清ちゃん」「顔の濃い人」「斬られ役」…福本清三
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/6e9194e32c07664ee8b0e5574ea10764

「5万回斬られた男」福本清三逝く
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/81d34459805b942a4e1e357e5c5c446b

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【インタビュー】『子供はわかってあげない』沖田修一監督

2022-02-25 12:02:37 | インタビュー

 ひょんなことがきっかけで意気投合した高校生の美波(上白石萌歌)ともじくん(細田佳央太)。美波のもとに突然届いた「謎のお札」をきっかけに、2人は幼い頃に行方が分からなくなった美波の実の父(豊川悦司)を捜すことになる。田島列島の同名コミックを、『南極料理人』(09)『横道世之介』(13)の沖田修一監督が映画化した『子供はわかってあげない』のBlu-ray&DVDが、3月2日からセル&レンタル同時スタートとなる。それに合わせて、本作について沖田監督に話を聞いた。

「今回は、青春映画を真正面からやったという感じです」
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1316775

『子供はわかってあげない』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a68a589623b836d5dea5423d43a18b1d

 

 

 

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『ナイル殺人事件』

2022-02-25 09:54:04 | 新作映画を見てみた

『ナイル殺人事件』(2022.2.3.ディズニー試写室)

 1978年に映画化されたアガサ・クリスティの『ナイルに死す』を、『オリエント急行殺人事件』(17)に続いてケネス・ブラナーの監督・製作・主演で再映画化。

 クリスティの実孫で、製作総指揮のマシュー・プリチャードは「観客に、アガサ・クリスティの世界を体験してもらうことが重要だった」と語っている。

 エジプトのナイル川を巡るクルーズ船の中で、大富豪の娘リネット(ガル・ガドット)が何者かに殺害される事件が発生。容疑者は彼女の結婚を祝うために集まった乗客全員だった。名探偵エルキュール・ポアロ(ブラナー)は“灰色の脳細胞”を働かせて事件の真相に迫っていくが…。

 今回は、冒頭に若き日のポアロを登場させ、彼の心の傷となった出来事を描き、その人物像に深みを持たせた。また、登場人物の設定を変えたり、新たな人物を登場させるなどして、前作との違いを際立たせている。ピラミッドをはじめ、ナイル川流域に点在する遺跡群が見ものだ。

78年版とキャストを比較してみると、
エルキュール・ポワロ:ピーター・ユスチノフ→ケネス・ブラナー
リネット:ロイス・チャイルズ→ガル・ガドット
サイモン:サイモン・マッコーキンデイル→アーミー・ハマー
ジャクリーン:ミア・ファロー→エマ・マッキ―
ロザリー:オリビア・ハッセー→レティーシャ・ライト
ルイーズ:ジェーン・バーキン→ローズ・レスリー
スカイラ―:ベティ・デイビス→ジェニファー・ソーンダース
バワーズ:マギー・スミス→ドーン・フレンチ
アンドリュー:ジョージ・ケネディ→アリ・ファザル
サロメ:アンジェラ・ランズベリー→ソフィー・オコネドー
ベスナー:ジャック・ウォーデン→ラッセル・ブランド
となる。デビッド・ニーブンが演じたレイス大佐がいなくなっているが、新たな登場人物もいる。

監督と俳優を両立させるケネス・ブラナーの映画作りの秘訣とは
https://tvfan.kyodo.co.jp/?p=1315122&preview=true

『ナイル殺人事件』(78)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/aee0aa3e6a11c6a73a06ba1b052da8f6

『オリエント急行殺人事件』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/154c09661744ac517c1d3d09fa84ee23

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「午後のロードショー」『クリフハンガー』

2022-02-25 07:14:29 | ブラウン管の映画館

『クリフハンガー』(93)

「BSシネマ」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/3bde21c63da776b5cebd28225900857a

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