田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

「BSシネマ」『ラ・ラ・ランド』

2021-03-31 07:21:50 | ブラウン管の映画館

『ラ・ラ・ランド』(16)

切ないエピローグがお見事
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a7246979f51e96425ed9e18b8c03f123

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舞台『笑の大学』

2021-03-30 07:15:49 | 映画いろいろ

舞台『笑の大学』(1997.1.)



 三谷幸喜作の「笑の大学」は、戦中の検閲制度を揶揄した快作だった。劇団の座付き作家と警視庁保安課検閲係という、敵同士ともいうべき2人が、台本の検閲という作業の中から、図らずも傑作台本を作り出してしまうという皮肉が効いている。

 しかも、西村雅彦演じるお堅い検閲係の向坂が、喜劇作家としての才能を開花させていく件は、ウディ・アレンの『ブロードウェイと銃弾』(94)の二重構造をほうふつとさせるような面白さがあった。

 そして、2人の“共同作業”が、引いては戦中の浅草軽演劇への、あるいは喜劇そのものへの賛歌となっていくところが心憎い。テーマ曲に『雨に唄えば』(52)の「メイク・エム・ラフ」を使ったのも、見事な選曲だ。

 と、ここまで無防備なまでに三谷芝居にはまってしまったのは、近藤芳正が演じた座付き作家・椿のモデルが、自分が興味を持っているエノケン劇団の菊谷栄だったことが大きい。

 また、キネマ旬報誌上でのエッセーや和田誠との対談の中に、フランク・キャプラやビリー・ワイルダー好きという件があったり、テレビの映画劇場で洋画の楽しみを知ったと書かれていたりしたこと、つまり自分と同類だ、ということが頭の隅に残っていて、この芝居もそうしたところから派生したものだと感じたからなのかもしれない。

 気になったので、『雨に唄えば』の中の、ドナルド・オコナ―の「メイク・エム・ラフ」の場面を見直してみた。そして、一種の狂気とも言えるこのシーンは、心がすさんだり、疲れたりした時は、最高の良薬足り得る、感動的な至芸だと改めて感じさせられた。

https://www.youtube.com/watch?v=SND3v0i9uhE

「アラビアの唄」 エノケンとその仲間たち
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/c5c5c9c9e274cc51e260d9cdea01cd0a

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「BSシネマ」『ミッション:インポッシブル』

2021-03-29 07:20:42 | ブラウン管の映画館

『ミッション:インポッシブル』(96)

トム・クルーズは、自分とほぼ同世代
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7bf09afe6169fadcb93e07e2b9b7cfbb

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『聖林画報』(長谷川正)

2021-03-28 22:53:10 | ブックレビュー

 副題は祝ハリウッド百年祭。帯に「まったく独断的な見地から掘り起こした空前絶後のハリウッド史」とある。映画のムック本を何冊も一緒に作ったわが師匠・長谷川正の著書で、1987年に書かれたもの。師匠には、40~50年代の映画についていろいろと教わったが、諧謔好きでひねくれたところがあり、そのためか、才がある割には不遇な人だった。師匠は淀川長治先生の弟子だったので、一応自分は孫弟子ということになる。

目次
・だうして百年なの?ハリウッド神話・序章
・ウーマンリブが聖林を切り倒した(なぜハリウッドではゲーリー・クーパーやジョン・ウェインやジェームス・スチュワートなど超ノッポ男ばかりがモテたのか)
・ビデオが出たら教えてくれ!(ハリウッド映画は40~50年代がめちゃおもしろい。ジーン・ティアニーを知っているか。ヒッチコックばかりがスリラーじゃないぞ)
・聖林1964.2
・聖林が生んだ最大の星★ロナルド・レーガン
・百年祭記念★究極のスクリーンテスト
・SFXだけで映画ができるか!
・おねがい!レンタル屋さん

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「BSシネマ」『夕陽の挽歌』

2021-03-28 07:35:30 | ブラウン管の映画館

『夕陽の挽歌』(71)



原題の「WILD ROVERS」よりも邦題の方が的を得ている
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/2674e1eb0d4a3715255d9aab514fb578

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『くれなずめ』

2021-03-28 07:15:55 | 新作映画を見てみた

『あの頃。』と二本立てでやったら面白い

 松居大悟監督が、自身の体験を基に描いたオリジナルの舞台劇を映画化。不思議なタイトルは、いわゆるマジックアワーや逢魔時のことを指すのだろう。その理由はラストで分かる。

 高校時代に文化祭でコントを披露した6人の仲間たちが、友人の結婚披露宴で余興をするため5年ぶりに集まった。恥ずかしい余興を披露した後、彼らは二次会までの時間を持て余しながら、高校時代の思い出を振り返るが、実は彼らは共通の“後悔”を抱えていた。

 その6人は、主人公・吉尾(成田凌)、舞台演出家の藤田欽一(高良健吾)、欽一の劇団に所属する舞台俳優の明石(若葉竜也)、地元のネジ工場で働く水島(目次立樹)、彼らの後輩で唯一の家庭持ちのサラリーマン曽川(浜野謙太)、同じく後輩で会社員の田島(藤原季節)という面々。

 彼らのバカ騒ぎや回想が、どこまでが演出(演技)で、どこからがアドリブなのかと思わせるような、独特の雰囲気の中で描かれる。後半のファンタジーのような処理はいただけなかったが、映画の「テイク~」を利用したような「過去のやり直し」にはホロリとさせられた。先に公開された今泉力哉監督の青春群像劇『あの頃。』と二本立てでやったら面白いかもしれないと思った。

【付記】後日、明石役の若葉竜也にインタビューをした。結構な映画好きで、吉祥寺にあったバウスシアターの爆音映画祭の話などもした。詳細は後ほど。

吉祥寺バウスシアター
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/18f0d2bafbdc7f21107034d06dc3a207

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たけしのその時カメラは回っていた「映画の都!ハリウッド」

2021-03-27 22:38:38 | 映画いろいろ

 この中で紹介された『市民ケーン』(41)の監督オーソン・ウェルズについて、あるいはMGMの社長ルイス・B・メイヤーとジュディ・ガーランドについては、先に見た『Mank/マンク 』でも語られていたが、やはり最も興味深かったのは、ハリウッド誕生の物語だった。

 東部で映画産業を独占する発明王エジソンから逃れてカリフォルニアの原野にやってきた映画人たちが、やがて映画の都ハリウッドを作り上げていく過程の話は本当に面白い。

 
2001年、ハリウッド・メトロポリタンホテルの窓から小さく見えたハリウッドサイン

『20世紀の映画』から、師匠・長谷川正が書いた「ハリウッド誕生」
『外国映画男女優名鑑』から、「映画女優はなぜ生まれたか」「サイレント映画の大スターたち」

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『ボーン・レガシー』

2021-03-27 07:40:42 | 映画いろいろ

『ボーン・レガシー』(12)(2012.8.13.東宝東和試写室)

 モービーの「エクストリーム・ウェイズ」がまた聴こえてきたが、主人公はマット・デイモンの“ボーン”からジェレミー・レナーの“アーロン”に交代した。

 デイモンはこのシリーズで、田舎の気のいいあんちゃんのイメージから肉体派へと見事に変身し、新境地を開拓したが、『ハート・ロッカー』(08)『アベンジャーズ』(12)と硬派な役が続くレナーは、意外性という点ではいささか弱いと思う。

 もっとも、これまでのシリーズで脚本を書いてきたトニー・ギルロイが監督しただけに、予定調和的な面白さを得ることはできる。また、同じくCIAの裏側を描いた『デンジャラス・ラン』(12)に比べれば緊迫感という点ではこちらの方が上か。

 今回はアーロンを追うCIA側の親玉を演じた“とっちゃん坊や”的なエドワード・ノートンのキャラクターが面白かった。その一方、スコット・グレン、デビッド・ストラザーン、ジョアン・アレン、そしてアルバート・フィニーといったレギュラー陣がゲスト出演にとどまったのが残念。

 ロケ地に韓国とフィリピン、敵役には国籍不明のアジア人と、アジア市場を意識したところが多分に見られる。

ジェレミー・レナー来日舞台あいさつ
https://tvfan.kyodo.co.jp/news/15094

 

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『ボーン・アルティメイタム』

2021-03-27 07:32:10 | 映画いろいろ

『ボーン・アルティメイタム』(07)(2007.10.30.東宝東和試写室)

 『ボーン・アイデンティティー』(02)『ボーン・スプレマシー』(04)に続く、ボーン・シリーズの第3作『ボーン・アルティメイタム』を試写。

 相変わらず、すさまじいスピード感に満ちた映画だが、手持ちカメラや寄りの構図で撮られたアクションを矢継ぎ早に見せられると、年のせいかどうも落ち着かない。先に見た『ダイ・ハード4.0』(07)もそうだったが、最近のアクション映画にはこの手の描写が多くて閉口させられる。

 主人公ジェイソン・ボーン役のマット・デイモン自体はなかなか魅力的で、ジョアン・アレン、スコット・グレン、デビッド・ストラザーン、そしてアルバート・フィニイという渋くていい脇役もそろっている。それなのにこの出来ではいささか虚しい気がした。

 

 

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「おちょやん」 岡田嘉子「愛の逃避行」

2021-03-26 12:28:42 | テレビ

 

 今週の朝ドラ「おちょやん」は、女優の高城百合子(井川遥)と元助監督の小暮真治(若葉竜也)が、千代(杉咲花)と一平(成田凌)の前に現れた。2人は、結婚して旅回りの芝居をしているが、時節に合わない芝居の内容から特高警察に追われているという。そんな2人を、千代と一平がかくまい、逃がしてやる様子が描かれた。また、藤山寛美をモデルにしたと思われる松島寛治(前田旺志郎)も登場してきた。

 先日、新作映画『くれなずめ』に出演した若葉にインタビューした際に、彼が「『おちょやん』には、まだ出ます」と言っていたが、なるほどこういう出方だったのか。

 ところで、このエピソードは、「愛の逃避行」と言われた、女優の岡田嘉子と共産主義者の演出家・杉本良吉のソ連への亡命を基にしたと思われる。これは、山田洋次監督の『キネマの天地』(86)でも挿話として描かれていた。

 一平のモデルの渋谷天外が、当時共産主義にかぶれていいて、2人に逃走資金をカンパしたといううわさはあるようだが、千代のモデルの浪花千栄子との直接の接点は浮かんでこない。まあ、あくまで実話を基にしたフィクションなのだから、とやかく言うこともないのだが…。

 岡田のことは、後年ソ連から帰国し、日本画壇の大家(宇野重吉)の昔の恋人役を演じた山田監督の『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』(76)、嵐寛寿郎と夫婦役を演じた大森一樹監督の『オレンジロード急行』(78)でその存在を知った。どちらも、品のいいおばあさんといった印象だったので、後から波瀾万丈の前半生を知って驚いた記憶がある。

浪花千栄子
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/e45110e1615f06038239587d9b5f018d

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