田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

それを作れば彼はやって来る『フィールド・オブ・ドリームス』

2019-06-18 12:45:14 | 映画いろいろ
 昨日のNHKの逆転人生「世界に誇るクラゲ水族館 閉館危機からの奇跡」は、閑古鳥が鳴いていた山形県鶴岡市の加茂水族館がクラゲの展示で一発逆転をした様子が紹介されていた。
 
 
 
 最後に映された水族館に連なる来場者の車の列を見ながら思い出したのが、ラストシーンで、主人公のレイ(ケビン・コスナー)がトウモロコシ畑に作った野球場を人々が見に来る様子が映る『フィールド・オブ・ドリームス』(89)だった。番組では、いろいろと助言する“クラゲの神様”まで出てきた。これも『フィールド・オブ・ドリームス』の劇中のお告げ「If you build it, he will come.=それを作れば彼はやって来る」と重なるようで面白かった。
 
All About おすすめ映画『フィールド・オブ・ドリームス』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/6479aefb9806925cdcd8a354a58538b3
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『アビエイター』

2019-06-18 09:23:45 | 映画いろいろ

『アビエイター』(04)(2006.3.5.)

   

 『ギャング・オブ・ニューヨーク』(02)に続く、マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演作。伝説の大富豪、破天荒な映画プロデューサー、飛行機狂として知られ、変人と呼ばれたハワード・ヒューズの伝記映画『アビエイター』をWOWOWで見る。

 今回の主役のヒューズは実在の人物であり、しかもエピソードも豊富だが、やはりスコセッシの語りは分裂症気味で、ストーリー展開に難がある。彼にこの題材は合わなかったと思うし、またもやディカプリオの演技過多を見せられると、このコンビは互いにあまりいい影響を与えていない気がする。

 もっとも、この映画は主人公のヒューズはもちろん、彼とかかわりがあったキャサリン・ヘプバーン(ケイト・ブランシェット)も、エバ・ガードナー(ケイト・ベッキンセイル)も、エロール・フリン(ジュード・ロウ)も亡くなった今だからこそできたものだとは思う。

 公聴会のシーン(上院議員役のアラン・アルダがうまい)はコッポラの『タッカー』(88)を、ラストシーンはオーソン・ウェルズの『市民ケ-ン』(41)の“ローズバット=薔薇のつぼみ”を想起させるあたりに、かろうじて映画狂スコセッシのこだわりが残っていた気がした。

 

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『ギャング・オブ・ニューヨーク』

2019-06-18 07:59:39 | 映画いろいろ

『ギャング・オブ・ニューヨーク』(02)(2005.3.28.)

  

 19世紀のニューヨーク。マンハッタンの一角ファイブ・ポインツを舞台に、アメリカ生まれの“ネイティブ・アメリカンズ”とアイルランド移民の“デッド・ラビッツ”というギャング同士の抗争と人間ドラマを描く。監督はニューヨーク出身のマーティン・スコセッシ。

 題材の良さや、スコセッシ自身の故郷への思い入れの強さに比して、またも彼のストーリーテリングのまずさ(例えば『エイジ・オブ・イノセンス』(93)のような)が示され、脂っこいバイオレンス(例えば『グッドフェローズ』(90)のような)が描かれる。こうしたパターンはもはや変わらないのだろうか。

 この、いつもの“違和感スコセッシ”と、彼と組むとどんどん悪い方に変わっていく感があるレオナルド・ディカプリオのコンビ映画は、必然的にグロテスクなものになる。この映画の場合は、ダニエル・デイ・ルイスの存在が救いではあるのだが…。だから、2人が再び組んだハワード・ヒューズ伝『アビエイター』(04)もあまり見たくない気がするのだ。

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