翌朝、シドニーであと1か所、行きたいところがあったので出かけた。
「レッドファーン」
先住民のアボリジニが住む町として知られているところ。昔、2度ほど行ったことがあり、
どう変わったんだろうかと気になる場所だった。
シドニーの中心でもあるセントラル駅からひとつ隣の駅なのに、雰囲気は一気に変わった
記憶がある。昔は危険だとか、金をせびらせるとか言われていたが、行ってみると、そこ
まで危険ではなかった。確かに昼間から酒を飲み泥酔するアボリジニも少なからずいたし、
失業者なのか浮浪者なのか判別不能な者も多かったが、際立って危ない感じではなかった。
ひと昔前の東京の山谷のような感じだろうか?
で、今はどうなったのだろう、と…。
駅を降りると、まず、ホームにアボリジニの姿がない。当時は、座り込んだり、ボーっと
したりしているアボリジニの姿が必ずあったが、今回は誰もいない。朝の9時だから…?
改札を出てもいない。駅前にある雑貨屋のような古い建物は健在だったが、かなり開発
も進んで駅近くにはタワーマンションの建設も進んでいた。リカーシップは相変わらず
多いが、行きかう人も白人やアジア系ばかりで、肝心のアボリジニの姿がない。一見する
と普通の街と変わらない。随分、すっきりした感じがした。
レッドファーン通りを進むと、ようやく数人カフェで新聞を読んだりしているアボリジニ
の姿があった。けれど、脇道を入ってもほとんど誰もいない。週末、飲み過ぎて月曜日の
朝だから皆、のんびりなんだろうかと…。
これならキングスクロスの方がまだ、遭遇率があるような気がした。いや、もしかすると
このところ中国人の金持ち移民が増え、シドニーの地価が4~5年前の3倍にも上がり、その
影響で中心地に隣接するこのレッドファーンからアボリジニの人々が出て行った、または
追い出された、そんな理由があるのかもしれない。
そのままセントラル、タウンホール、ウィンヤード、サーキュラキーと歩いて、動物園か
ら戻ってくる一行を出迎え、シドニーのひとり時間が終わった。
そして、そのままその日の午後、もうひとつのミッションが…。
一緒に行った娘がシドニーでどうしても訪ねたい場所があるという。
「ボンダイビーチ動物病院」
BSの番組で毎週木曜日にやっているイケメン獣医師、クリスブラウンによるドキュメンタリー
番組の舞台、「ボンダイビーチ動物病院」に行ってクリスに手紙を渡すのだという。
実際にクリスはこの病院に勤務する獣医師だ。ただ、今やタレントのような仕事もしており、
おそらく不定期にしか勤務していないだろうと思われた。
住所から検索すると、場所はボンダイジャンクションの駅から歩いて数分のところにある。
病院はすぐに見つかった。毎週、番組で見ている建物が目の前にあった。
診療時間内なのを確認して中に入った。娘はこの日の為に、英文で長い手紙を書いていた。
中に入ると、女性の医師が対応してくれた。やはりクリスは不定期にしか来ていないという。
事情を話すとクリスのデスクに案内してくれて、座らせてくれて写真を撮らせてくれた。その他
にも病院内を案内してくれて、クリスには会えなかったが娘は大満足だった。
手紙は渡してくれる?そうだ。
まぁ、こんな感じで、シドニーの滞在は終わった。
とにかく疲れた。
人を案内するのと、自分で旅をするのとはこんなにも違うものなのか、とあらためて思った。
仕事ならいいかもしれないが、限りある自分の時間を使って、というのはちょっと…。
ここにこなければ、間違いなく、ロシア、シベリアのヤクーツクに行っていたはずだった。
やはり行きたいところに行くのが一番なんだろうと、つくづく思う。
おそらくこれでもう、人生最後のオーストラリアのはず。
それでも、帰国便の中で娘が「今までの旅行の中で、一番、楽しかった…」と言うので、まぁ、
それはそれで良かったかなと思うに至った。
お終い。
「レッドファーン」
先住民のアボリジニが住む町として知られているところ。昔、2度ほど行ったことがあり、
どう変わったんだろうかと気になる場所だった。
シドニーの中心でもあるセントラル駅からひとつ隣の駅なのに、雰囲気は一気に変わった
記憶がある。昔は危険だとか、金をせびらせるとか言われていたが、行ってみると、そこ
まで危険ではなかった。確かに昼間から酒を飲み泥酔するアボリジニも少なからずいたし、
失業者なのか浮浪者なのか判別不能な者も多かったが、際立って危ない感じではなかった。
ひと昔前の東京の山谷のような感じだろうか?
で、今はどうなったのだろう、と…。
駅を降りると、まず、ホームにアボリジニの姿がない。当時は、座り込んだり、ボーっと
したりしているアボリジニの姿が必ずあったが、今回は誰もいない。朝の9時だから…?
改札を出てもいない。駅前にある雑貨屋のような古い建物は健在だったが、かなり開発
も進んで駅近くにはタワーマンションの建設も進んでいた。リカーシップは相変わらず
多いが、行きかう人も白人やアジア系ばかりで、肝心のアボリジニの姿がない。一見する
と普通の街と変わらない。随分、すっきりした感じがした。
レッドファーン通りを進むと、ようやく数人カフェで新聞を読んだりしているアボリジニ
の姿があった。けれど、脇道を入ってもほとんど誰もいない。週末、飲み過ぎて月曜日の
朝だから皆、のんびりなんだろうかと…。
これならキングスクロスの方がまだ、遭遇率があるような気がした。いや、もしかすると
このところ中国人の金持ち移民が増え、シドニーの地価が4~5年前の3倍にも上がり、その
影響で中心地に隣接するこのレッドファーンからアボリジニの人々が出て行った、または
追い出された、そんな理由があるのかもしれない。
そのままセントラル、タウンホール、ウィンヤード、サーキュラキーと歩いて、動物園か
ら戻ってくる一行を出迎え、シドニーのひとり時間が終わった。
そして、そのままその日の午後、もうひとつのミッションが…。
一緒に行った娘がシドニーでどうしても訪ねたい場所があるという。
「ボンダイビーチ動物病院」
BSの番組で毎週木曜日にやっているイケメン獣医師、クリスブラウンによるドキュメンタリー
番組の舞台、「ボンダイビーチ動物病院」に行ってクリスに手紙を渡すのだという。
実際にクリスはこの病院に勤務する獣医師だ。ただ、今やタレントのような仕事もしており、
おそらく不定期にしか勤務していないだろうと思われた。
住所から検索すると、場所はボンダイジャンクションの駅から歩いて数分のところにある。
病院はすぐに見つかった。毎週、番組で見ている建物が目の前にあった。
診療時間内なのを確認して中に入った。娘はこの日の為に、英文で長い手紙を書いていた。
中に入ると、女性の医師が対応してくれた。やはりクリスは不定期にしか来ていないという。
事情を話すとクリスのデスクに案内してくれて、座らせてくれて写真を撮らせてくれた。その他
にも病院内を案内してくれて、クリスには会えなかったが娘は大満足だった。
手紙は渡してくれる?そうだ。
まぁ、こんな感じで、シドニーの滞在は終わった。
とにかく疲れた。
人を案内するのと、自分で旅をするのとはこんなにも違うものなのか、とあらためて思った。
仕事ならいいかもしれないが、限りある自分の時間を使って、というのはちょっと…。
ここにこなければ、間違いなく、ロシア、シベリアのヤクーツクに行っていたはずだった。
やはり行きたいところに行くのが一番なんだろうと、つくづく思う。
おそらくこれでもう、人生最後のオーストラリアのはず。
それでも、帰国便の中で娘が「今までの旅行の中で、一番、楽しかった…」と言うので、まぁ、
それはそれで良かったかなと思うに至った。
お終い。