ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

病気?

2013-08-19 21:28:44 | 
今日は終日、大阪へ。

車中、「あの日、僕は旅に出た」蔵前仁一著書を読んだ。彼の初めての旅から
同人誌を始めた後、出版社を立ち上げ、そして旅行人誌の休刊にいたるまでの
30年を振り返った自伝的な内容だった。

彼が発行していた「旅行人」は、ちょうど私が旅を始めた頃にできたもので、
当時は、毎月、読むのが楽しみな雑誌だった。「旅行人」は2年前に休刊になった
が、そのころには、もう、随分前から読むこともなくなっていた。
それでも、私が一番、旅にのめり込んでいた頃と「旅行人」の全盛期がぴったり
と重なるので、なんとなく懐かしく思い出深い雑誌だった。

本の初めのほうでは蔵前氏が仕事をやめてインドに旅立つまで、そして帰国して
いわゆる「インド病」になり、中国やアジアの旅を経て、ふたたびインドを訪れ、
1986年の処女作「ゴーゴー・インド」が出るまでの経緯が記されている。

そして、本の後半は「遊星通信」を「旅行人」という名前に変更し、出版社を立ち
上げ、「旅行人」を隔月刊で出しつつ、数々の単行本やガイドブックを出し、さま
ざまな転機を経て、最終的に旅行人誌の休刊を決断するまでの話だ。これは、これ
まで語られたことのなかった出版社の経営者としての蔵前氏自身の話である。

中でも印象的だったのは、この件である。

「旅ばかりしていると言うと、良く言われたのが次の質問だ。それが一体なんの役に
立つのだ? ネパールがインドの北にあることを知っているのが何かの役に立つとか、
アフリカでクーデターが起きていることを知ることが世渡りのためになるわけではない。
しかし、世界を身近に知ることができる。それだけで十分なのだ…」

全くその通りだと思った。旅行などいくらしても何の役にも立たない。それどころか
社会人として普通に生活することの足を引っ張るものでしかない。
このことは、今現在も継続して言えている。将来の為に貯蓄もしないといけないのだが、
少しお金ができると、全部、旅行に使ってしまう。着飾るモノや車などにはまったく
興味がなく最小限でいいが、その分、全部旅行に回したくなるのだ。

これは、もう半分、病気といってもいい。

まぁ、言って見れば、「これほどに楽しい遊びは他になかった…」ということなのかも
しれないけれど…。

そのうち環境や状況の変化で、行きたくても行けなくなる日がやって来ることも充分
ありうると思われる。

なので、出来るだけ行けるうちに行っておきたいと思っている。

本に関して言えば、まぁ、楽しく読めた本であった。

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