ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

世にも奇妙なマラソン大会

2011-03-05 11:06:03 | 
先日、「東京マラソン」が行われ、大盛況だったとその日の
晩のテレビのニュースで知った。優勝した素人ランナーの
男性は、高校の事務職員だったとかで、翌日は大変な話題に
なっていた。

マラソンと言うと、よく「自分との戦いだ!」とか、「完
走後の達成感がたまらない…」などと、前向きでポジティ
ブな言われ方をするが、参加者の数をみると、結構、自分
と戦うことが好きな人が多いのがわかる。
しかし、やはり私は、圧倒的に辛いだけの時間が続くマラ
ソンは嫌いだ。

先月、発売したばかりの高野秀行の新刊「世にも奇妙なマ
ラソン大会」を読んだ。

彼はこの本の中で、「サハラマラソン」に参加する。サハラ
マラソンはその名の通り「サハラ砂漠を走るマラソン」である。

しかもその背景が、また、ちょっと複雑なのだ。走るのは、
アルジェリア領のサハラ砂漠なのだが、そこは、西サハラ
(サハラ・アラブ民主共和国)という現在、モロッコが領有
しているが、ひとつの国として独立運動を展開する西サハラ
の亡命政府であるポリサリオ戦線が主催し、そこにスペイン
を中心とした欧州諸国のNPOなどが協賛して行われている、
マラソン大会なのである。

つまり、国を持たない西サハラがアルジェリアの領土を借りて
西サハラの難民キャンプで行うかなりマイナーなマラソン大会
なのである。それでも欧米と中東、アフリカとおよそ30カ国の
人々が毎年参加している大会だそうだ。

彼は大会以来、初のアジア人参加者として完走するのだが、
大会の背景にある特殊な政治的事情もあって、なかなか興味
深くおもしろかった。

世界にはこの他にも、モンゴルの夜明けから夕暮れまでを走る、
「サンライズ・トゥ・サンセットマラソン」インドのガンジス
川の上流をヨガの行者を見ながら走る「ガンジスマラソン」、
ペンギンが観客になる南極マラソン、キューバの車両規制を
行わずに危険極まりない中を走る、「ハバナマラソン」など
いろいろなマラソン大会があると、この本に書いてあった。

私は、おそらく一生、マラソン大会なるものに参加すること
はないと思うが、もし、参加するなら、異国で行われる、「
世にも奇妙なマラソン大会」がいいな。

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