~ それでも世界は希望の糸を紡ぐ ~

早川太海、人と自然から様々な教えを頂きながら
つまずきつつ・・迷いつつ・・
作曲の道を歩いております。

音楽と “ お金 ”

2023-07-30 13:40:13 | 音楽関係
いやいや、お暑うございます!

本日のインド・ニューデリーの気温 : 28度
本日のアフリカ・モロッコの気温 : 22度
本日の日本・名古屋の気温 : 36度


日本は、
もはや熱帯・亜熱帯諸国を超える災害級高温多湿警戒国。
にも拘らず、

屋外での仕事なり部活なりが平気で行われてしまう国。


“ Young little Dragon holds the MANI ” ~ 童龍抱珠

龍は活動的で勇ましいものと思われがですが、
龍が好む人というのは、
よく眠る人、よく休む人、よくボーッとする人とも伝わります。
龍の国 “ 琉球(りゅうきゅう)” とは「龍休(りゅうきゅう)」。
「龍休」とは、つまり「龍宮(りゅうきゅう)」であり、
ひいては「龍宮(りゅうぐう)」であるという説もあり、
だいたいボーッとしている早川は、この説を支持します。

                 

古今東西を問わず、
作曲家の経済事情というものは安穏逸楽なものではないようで、
ベートーヴェン(1770~1827)のような音楽史上の英雄でさえ、
ある時は経済不安を抱え、ある時は金策に奔走しています。
交響曲第5番、通称「運命」を作曲して、
パトロン(支援者)の貴族から受け取った金額は、
一説に “ 500フローリン ” とも謂われ、
当時の為替相場を勘案すると、
日本円の130万円程度だったとか(諸説あります)。
これが多いのか少ないのかは一概に判断できませんが、
もしも師匠本人がオーケストラの演奏料を始め、写譜代・
楽譜印刷代・ホール使用料ほか諸々の経費を支払っていたならば、
手元には僅かしか残らなかったのではないでしょうか。
もしかしたら「赤字」だったかも。

ワーグナー(1813~1883)は、
何度も破産寸前まで追い込まれた上で、
バイエルン国王からの経済援助を獲得し、
チャイコフスキー(1840~1893)は、
借金等々の理由で自殺未遂にまで及んだところを、
資産家(フォン・メック夫人)からの年金で救われ、
ドビュッシー(1884~1916)は、
金銭感覚が麻痺していたものの、
2番目の配偶者(エンマ・バルダック)が支えたことに加え、
理解ある音楽出版社が作品を購入し続け・・・と、
各人各様に御苦労されたと伝わります。

尤も、作品が売れに売れ、
30代後半という若さで巨万の富を築いた為か、
後半生を半ば “ 料理研究家 ” として送られた、
ロッシーニ(1792~1868)のような方もおられますが、
果たして御本人の胸中はどうであったのか?

“ 二足のわらじ ” ということでは、
例えばホルスト(1874~1934)は、
教職で生計を立てながら作曲活動を続け、
フィリップ・グラス(1937~現在)は、
一時期タクシー運転手として生計を立てながら、
自らの音楽を深化させています。

ボロディン(1833~1887)は、
化学者・病理学者として名実共に高く、こちらが本業。
この本業と社会活動とに忙しく従事されながら、
多忙の合間を縫って、あれだけの名曲を書かれたわけで、
50代前半での旅立ちは「早逝」とは言えないまでも、
「忙殺」に等しいものだったのかも知れません。

・・・などと、
取り止めも無いことを書き連ねてしまいましたが、
何に致しましても、
音楽と “ お金 ” ・・・色々と大変ですよね。


協奏組曲「宇宙の本懐」より《螺旋》

皆様、良き日々でありますように!


               











水に流す

2023-07-23 12:55:39 | 日常
20代の前半に市民プールに行って以来、
実に30年以上の歳月を隔ててプールに入りました。

「プールで泳ぎました」ではなく、
「プールに入りました」と書かせて頂いたのは、
特別支援学級に通う男子生徒の水泳介助が目的であり、
私自身が泳ぐためではなかったからという背景を含みます。

当日は、対象生徒1名に対して、
専門家(保健体育教員)を含む大人4~5名が付き添い、
AED(自動体外式除細動器)の搬入を始めとして、
不測の事態に備えた入念な態勢で臨みました。

対象生徒のバイタルを考慮しつつ、水泳時間は休憩を挟みながら、
トータルで20分程度という短いものではありましたが、
車椅子での生活を余儀なくされている若い命たちにとっては、
水の浮力によって “ 重力 ” から解放された体験とあってか、
これまでにない動きと笑顔を見せてくれました。

(あぁ、そうだ、
 私たちは遥か億年の昔、太古の海に生きていた )

何を大袈裟な・・・と笑われもしましょうが、
若い命たちの動きと笑顔に導かれ、
ふと、そのような想いが胸中をよぎりました。

                 

汚れを洗い浄める、いかなる形の容器に入れられてもその形をとる、
常に上から下へと流れくだる、物体を浮かべる、万物を育む等々、
古来 “ 水 ” の「特性」は、
人間が目指すべき「徳性」にも喩えられてきました。

いかなる力、いかなる存在、いかなる現象にも、
“ 恩恵 ” と “ 呪縛 ” という相反する働きが同居並存するように、
重力にもまた、
“ 重力の恩恵 ” と “ 重力の呪縛 ” があろうかと思います。

“ 水 ” の「特性」および「徳性」が、
“ 重力の呪縛 ” を解くとするならば、
私たち人間が心に抱くであろう、呪い、怨み、妬み、或いは又、
誰しもの人生に現れるであろう、縛り、塞がり、妨げ、滞り、
そういった或る種の観念的な “ 呪縛 ” の数々も、
“ 水 ” によって解かれ、
“ 水 ” によって浄められ、消え去ってゆくものと信じます。

『水に流す』

という慣用句が秘めるのは、その辺りの願いでしょうか。


組曲「AQUA SCAPE ~ 水の巡礼 ~ 」

皆様、良き日々でありますように!


               








茅輪神事

2023-07-16 15:07:01 | 神社仏閣
先程(令和5年7月16日)、城山八幡宮を参拝し、

茅輪(ちのわ)を “ 八の字 ” でくぐってまいりました。


ここ数年来、コロナ禍の影響を受け “ 密 ” を避けるため、
茅輪くぐりも “ 直進 ” しか許されませんでしたが、

コロナも5類感染症へと移行し、
今年からは従来の “ 八の字 ” くぐりが復活しました。

御承知置きの通り、
神道の核心は “ 祓い浄め(はらいきよめ)” に在り。
火で祓い、塩で浄め、水で清め、気で祓い・・・と、
ひたすらに祓い浄め、清め祓うのが日の本の国の霊的流儀。

茅の輪神事の起こりには諸説あるようで、その中には、
日本神話に登場するスサノオノミコトが、
備後国(おおよそ現在の広島県東部)に住んでいた、
蘇民将来(そみんしょうらい)とその妻に、
「茅の輪を身に付けていれば、疫病にかからないよ」
と教えたとする説も。

蘇民将来と言いますと、
私の両親および先祖代々の故地、伊勢・鳥羽、
総じて志摩半島は、蘇民将来との縁が深いようで、
どの御家庭の門口、玄関先にも蘇民将来の護符が祀られています。
この辺りは、稿を改めて考察したいと思います。


こちらは城山八幡宮境内・摂社の前に設置された、

お子様たちを祓い浄めるための小さな茅輪(ちのわ)。


“ Fire Dragons protect you ” ~ 不動明王と双頭の火龍

皆様、良き日々でありますように!


               








青龍、天籟を聴きて・・・

2023-07-09 13:09:47 | 日常
当地、本日は雨模様であります。



梅雨明けが待たれる、気ノ池・気ノ森。



早川が住まいする気ノ池・気ノ森周辺を始めとした、
当地一帯の水系を司る龍神が、

昼なお暗い道の奥、


そのまた奥に祀られています。




“ Spiral Dragon Ⅰ ” ~ 青龍、天籟を聴きて喜びの渦を巻く




“《TORII》the Sacred Gate and Dragon ”

皆様、良き日々でありますように!


               









ゆるめる・ほどく・手放す

2023-07-02 14:02:32 | 日常
令和5年の上半期も過ぎ、7月に入りました。
我が身を振り返りますと、春まだき3月は新しい職場への入職準備、
新年度からは、初めての環境、初めての方々、初めての業務と、
乗り切るだけで精一杯の日々を送りながら、
何とか文月を迎えたというわけであります。

奉職する学び舎には、新卒22~3歳の方から、
教鞭を執られて半世紀になられる80歳前後の方までが、
骨身を削って働いておられます。
その粉骨砕身ぶりは、「働き方改革」などという言葉が、
どこか絵空事にしか思えないほど。

                 

先日の報道で知りましたが、厚生労働省の調査によれば、
2022年度に、長時間労働などにより脳や心臓の疾患を引き起こし、
労災の申請がされた件数は “ 803件 ” だったとのこと。

また同年度に、仕事による強いストレスなどが原因で、
精神に障害をきたしたとして労災申請が為された件数は、
“ 2683件 ” に上ったとのこと。

調査結果として表示される数字というのは氷山の一角に過ぎず、
どのような数字も、
そのおよそ10倍は潜在しているものと考えれば、
8千人前後の方々が、労働によって身体疾患を発症し、
3万人近い方々が、仕事によるストレスに起因する、
精神疾患に苦しめられているという現状が浮かんできます。

毎年、宝くじ振興会が実施するアンケートの、
「宝くじで高額当選したら、あなたは何をしたいですか?」
という質問に対する回答ランキングで、
毎度トップ10入りするところの、

「退職する」

という回答は、その辺りを物語るものでありましょうか。

                 

働くことで賃金を得て、命を永らえもすれば、
働くことで心身を壊し、命を縮めもする。
働くことは苦しいけど楽しく、働くことは楽しいけど苦しい。
“ 苦楽 ” のバランスを取るということは、
“ 緊張と緩和 ” のバランスを取ることに他なりませんが、
私自身を含めて多くの現代人は、意識するしないに拘らず、
“ 緊張 ” 状態に傾きがちのように感じられます。

その昔、御縁を賜った禅僧の方から授かった言葉、

『ゆるめる・ほどく・手放す』

メンタルケア、セルフリカヴァリーの根本は、
この『ゆるめる・ほどく・手放す』に在るものと心得ます。


“ Soul Strings Dragon Ⅰ” ~ 魂ノ緒(たまのお)集いて龍となる

皆様、良き日々でありますように!