今夏、打ち続く異常気象。
台風12号の移動方向は観測史上前例がないと聞き、
昨晩から当地方を通過してゆく怪異の声に耳を澄まし、
気象を通して訴えられる真意を聴かんと沈思黙考したものの、
いつしか寝落ちしておりました。修行不足であります。
松かさは松かさでも
私たちの脳内の松かさと言えば〈松果体〉。
松果体は“pineal gland(ピーネアル グランド)”
ラテン語の“pinea”は松果・松かさ・松ぼっくりの意。
“pinea”はラテン語で松を意味する“pinus”に由来し、
英語の“pine(パイン・松)”はその派生語であり、
“pineapple(パイナップル)”は果実の形が松かさに似て、
味はリンゴを思わせるところから名付けられたのだとか。
(参考書籍:原島広至著「脳単」株式会社NTS刊)
オットリーノ・レスピーギ(1879~1936)作曲
交響詩「Pini di Roma(ローマの松)」の“Pini”も又、
先のラテン語“pinus”からの派生語であります。
中世フランスの哲学者・数学者にして解剖生理学者、
ルネ・デカルト(1596~1650年)は、
親交のあったドイツ・プファルツ選帝侯フリードリヒ5世の娘、
公女エリザーベト(1618~1680)との書簡往来の中で、
「心と身体は区別されて然るべき・・・」としつつも、
人間には〈心身一如〉とでも言うべき次元があり、
その次元においては〈魂〉が心と身体を結んでいるとし、
その魂の在りかこそが「脳内の松果体である」と説きました。
『「脳の中で対をなさない唯一の器官で、ヒトにしかないから」
という誤った根拠からとはいえ、
それまでの脳室に重きを置いたガレノスの説と比べれば、
脳の実質に注目し、脳の局在を示唆した点で前進といえる。』
(引用元:前掲書)
デカルト先生が「魂の宿・精神の座」と考えた松果体。
医学の発展に伴いその機能や役割が明らかにされ、
現在では睡眠誘発作用を持つホルモン
「メラトニン」の分泌を司る器官、とされています。
このメラトニン(メラニンではありません!)の分泌は、
脳内・視交叉上核(しこうさじょうかく)で調整され、
概日リズム(朝・昼・夜の生体調節)に関わるのだとか。
概日(がいじつ)リズムは、
時間の推移・天体の動き・生体の働きの三要素が響き合い、
生命活動を通して鳴り続けている大音楽・・・と、
浅はかにも個人的にはそのように解釈しております。
たしかに〈魂〉こそ宿ってはいませんでしたが、
壮大にして緻密な交響曲の重要な声部を担う松果体なれば、
デカルト先生の考えは、
あながち荒唐無稽なものでは無かったのかも知れません。
皆さま、良き日々でありますように!
台風12号の移動方向は観測史上前例がないと聞き、
昨晩から当地方を通過してゆく怪異の声に耳を澄まし、
気象を通して訴えられる真意を聴かんと沈思黙考したものの、
いつしか寝落ちしておりました。修行不足であります。
松かさは松かさでも
私たちの脳内の松かさと言えば〈松果体〉。
松果体は“pineal gland(ピーネアル グランド)”
ラテン語の“pinea”は松果・松かさ・松ぼっくりの意。
“pinea”はラテン語で松を意味する“pinus”に由来し、
英語の“pine(パイン・松)”はその派生語であり、
“pineapple(パイナップル)”は果実の形が松かさに似て、
味はリンゴを思わせるところから名付けられたのだとか。
(参考書籍:原島広至著「脳単」株式会社NTS刊)
オットリーノ・レスピーギ(1879~1936)作曲
交響詩「Pini di Roma(ローマの松)」の“Pini”も又、
先のラテン語“pinus”からの派生語であります。
中世フランスの哲学者・数学者にして解剖生理学者、
ルネ・デカルト(1596~1650年)は、
親交のあったドイツ・プファルツ選帝侯フリードリヒ5世の娘、
公女エリザーベト(1618~1680)との書簡往来の中で、
「心と身体は区別されて然るべき・・・」としつつも、
人間には〈心身一如〉とでも言うべき次元があり、
その次元においては〈魂〉が心と身体を結んでいるとし、
その魂の在りかこそが「脳内の松果体である」と説きました。
『「脳の中で対をなさない唯一の器官で、ヒトにしかないから」
という誤った根拠からとはいえ、
それまでの脳室に重きを置いたガレノスの説と比べれば、
脳の実質に注目し、脳の局在を示唆した点で前進といえる。』
(引用元:前掲書)
デカルト先生が「魂の宿・精神の座」と考えた松果体。
医学の発展に伴いその機能や役割が明らかにされ、
現在では睡眠誘発作用を持つホルモン
「メラトニン」の分泌を司る器官、とされています。
このメラトニン(メラニンではありません!)の分泌は、
脳内・視交叉上核(しこうさじょうかく)で調整され、
概日リズム(朝・昼・夜の生体調節)に関わるのだとか。
概日(がいじつ)リズムは、
時間の推移・天体の動き・生体の働きの三要素が響き合い、
生命活動を通して鳴り続けている大音楽・・・と、
浅はかにも個人的にはそのように解釈しております。
たしかに〈魂〉こそ宿ってはいませんでしたが、
壮大にして緻密な交響曲の重要な声部を担う松果体なれば、
デカルト先生の考えは、
あながち荒唐無稽なものでは無かったのかも知れません。
皆さま、良き日々でありますように!