~ それでも世界は希望の糸を紡ぐ ~

早川太海、人と自然から様々な教えを頂きながら
つまずきつつ・・迷いつつ・・
作曲の道を歩いております。

鉄は燃やすと重くなる

2024-02-25 15:51:08 | 日常
若い命たちに付き添い、
理科の実験に立ち会う機会に恵まれました。
その日のテーマは、

「紙は燃やすと軽くなり、鉄は燃やすと重くなる」

義務教育過程における必須課題ですので、
誰しもが、その化学的原理を説明出来るはず・・・、

にも拘らず、
恥ずかしながら私はすっかり忘れております。

結論から申し上げますと、
紙は、その主な成分である “ 炭素 ” が、
燃焼時に空気中の “ 酸素 ” と結合し “ 二酸化炭素 ” となり、
“ 二酸化炭素 ” は空気中に放出されるため、
放出された “ 二酸化炭素 ” の分量だけ軽くなる。

鉄は燃やすと空気中の “ 酸素 ” と結合し、
“ 酸化鉄 ” が生成されますが、
“ 酸化鉄 ” は空気中に放出されることが出来ず、
結合した “ 酸素 ” の分量だけ重くなる。

実験では、実際に紙を燃やしたり、
スチールウールを燃やしたりして、
燃焼前後の重さを計量および比較し、
上記化学反応の結果を確認することが出来ました。

私たちは日常生活を送る中で、
“ 空気の重さ ” というものを意識することはありません。
しかし、上述のような実験によって、
数値として “ 空気の重さ ” が明らかになりますと、
知覚できずとも、そこで化学反応を起こしているもの、
意識できずとも、そこで化学変化しているもの、
つまりは、
目には見えない実在による、
目には見えない働きを目の当たりにする想いがして、
名状しがたい感動を覚えました。

理科の実験で、
こうした感動を味わえるとは思いもよりませんでしたが、
これはひとえに、
理科を担当されている教職員の方の、
“ 優れた技量 ” によってもたらされたもの。

“ 優れた技量 ” とは、
分かりやすい説明、丁寧な解説、面白い喩え等々、
“ ひきつける力 ” 。
そして「なぜ、そうなるのか?」、
若い命たちが自発的かつ自由に考えることを、
“ うながす力 ” 。

「授業力」とでも申しましょうか。

短い時間ではありましたが、
「授業力」の恩恵に浴したおかげで、
帰宅後も実験内容を脳内反芻しながら、
書棚の隅でホコリをかぶっていた、
分子・原子・原子核などの解説書を引っ張り出してきて、

今この瞬間、この場所で休みなく行われている、
“ 見えざる働き ” というものに想いを馳せては、
しばし恍惚とするものでありました。

皆様、良き日々でありますように!


               









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