昨日(12月25日)は “ 納めの天神 ” でありました。
持病や小さな怪我に悩まされつつも、
まずまず無事に過ごさせて頂いたことへの感謝を捧げに、
名古屋天神・上野天満宮を参拝してまいりました。
境内に建つ〈晴明殿〉には、御覧の通り、
その昔この周辺地域に祀られていた神々が合祭されていて、
そこには「琴比羅・秋葉・猿田彦」といった社名も見受けられます。
名古屋市・丸の内に歴史を刻む〈桜天神〉の境内摂社にも、
琴比羅(金比羅)・秋葉・猿田彦の三神が祀られており、
かつては村々において広く崇敬されていたのでありましょう。
今年は「丑年」ということもあり、
確か当ブログの年始めに掲載した写真は、
こちらの “ ウシ ” の像であったかと記憶します。
過ぎてみれば、一年とは速いもの。
思えば地球の公転速度は時速およそ11万kmでありました。
春夏秋冬の移ろい、心情に訴えられるその変化の速さは、
太陽の周りを時速11万kmで駆ける、この惑星の速さ、
そのように言えるのかも知れません。
今年もコロナ禍に明け、コロナ禍に暮れてゆきます。
それでも年の瀬を迎えますと、
「来年はきっと良くなる」との希望が芽生えてくるもの。
ただ残念ながら、その希望に根拠はありません。
この「根拠無き希望」が “ 正常性バイアス ” と呼ばれるもので、
そこには客観的判断の欠如という危うさが在ることは承知の上で尚、
人間たるもの、
この「根拠無き希望」の一灯を絶やしてはなるまいと、
そのようにも思うのであります。
栗本薫先生(1953~2009)の一大長編小説「グイン・サーガ」。
その第1巻では、クリスタル国の若き王女リンダと、
その弟レムスとが相次ぐ危難に襲われ、その度に、
豹頭の超戦士グインに助けられるのですが、時は戦乱の世、
遂には、グインでさえ死を覚悟せざるを得ない事態に・・・。
リンダは敵兵の手に落ちるくらいなら潔く死ぬと言い、
その時が来たら、自分を一思いに刺してくれとグインに告げます。
リンダの切羽詰まった発言の中に、
凛として生きる人間だけが持ち得る “ 誇り ” を観たグインは、
そんな事を考えるのは、まだ早いと言い、こう言葉を続けます。
『これでもう百の中 さいごのひとつまでも望みが絶えた、
というそのときまでは、いや、たとえそうであろうとも、
息絶えるその瞬間までは、希望しろ、そして戦え。
それが本当の誇りというものだ 』
(引用元:栗本薫「グイン・サーガ」第1巻 / 早川書房)
今年一年、
当ブログを御訪問いただきまして、ありがとうございました。
皆様、良いお年をお迎え下さい!
持病や小さな怪我に悩まされつつも、
まずまず無事に過ごさせて頂いたことへの感謝を捧げに、
名古屋天神・上野天満宮を参拝してまいりました。
境内に建つ〈晴明殿〉には、御覧の通り、
その昔この周辺地域に祀られていた神々が合祭されていて、
そこには「琴比羅・秋葉・猿田彦」といった社名も見受けられます。
名古屋市・丸の内に歴史を刻む〈桜天神〉の境内摂社にも、
琴比羅(金比羅)・秋葉・猿田彦の三神が祀られており、
かつては村々において広く崇敬されていたのでありましょう。
今年は「丑年」ということもあり、
確か当ブログの年始めに掲載した写真は、
こちらの “ ウシ ” の像であったかと記憶します。
過ぎてみれば、一年とは速いもの。
思えば地球の公転速度は時速およそ11万kmでありました。
春夏秋冬の移ろい、心情に訴えられるその変化の速さは、
太陽の周りを時速11万kmで駆ける、この惑星の速さ、
そのように言えるのかも知れません。
今年もコロナ禍に明け、コロナ禍に暮れてゆきます。
それでも年の瀬を迎えますと、
「来年はきっと良くなる」との希望が芽生えてくるもの。
ただ残念ながら、その希望に根拠はありません。
この「根拠無き希望」が “ 正常性バイアス ” と呼ばれるもので、
そこには客観的判断の欠如という危うさが在ることは承知の上で尚、
人間たるもの、
この「根拠無き希望」の一灯を絶やしてはなるまいと、
そのようにも思うのであります。
栗本薫先生(1953~2009)の一大長編小説「グイン・サーガ」。
その第1巻では、クリスタル国の若き王女リンダと、
その弟レムスとが相次ぐ危難に襲われ、その度に、
豹頭の超戦士グインに助けられるのですが、時は戦乱の世、
遂には、グインでさえ死を覚悟せざるを得ない事態に・・・。
リンダは敵兵の手に落ちるくらいなら潔く死ぬと言い、
その時が来たら、自分を一思いに刺してくれとグインに告げます。
リンダの切羽詰まった発言の中に、
凛として生きる人間だけが持ち得る “ 誇り ” を観たグインは、
そんな事を考えるのは、まだ早いと言い、こう言葉を続けます。
『これでもう百の中 さいごのひとつまでも望みが絶えた、
というそのときまでは、いや、たとえそうであろうとも、
息絶えるその瞬間までは、希望しろ、そして戦え。
それが本当の誇りというものだ 』
(引用元:栗本薫「グイン・サーガ」第1巻 / 早川書房)
今年一年、
当ブログを御訪問いただきまして、ありがとうございました。
皆様、良いお年をお迎え下さい!