~ それでも世界は希望の糸を紡ぐ ~

早川太海、人と自然から様々な教えを頂きながら
つまずきつつ・・迷いつつ・・
作曲の道を歩いております。

時空のさざ波

2017-10-15 14:05:01 | 日常
勤めのない日は、気ノ池のほとりでボーっとしつつ、
いい曲出来ないかなぁ・・・などと、
模索するばかりの残念なワタクシめ

水面を眺めておりますと

寄せる波・返る波・立つ波・座る波・・・


また現れては消え、消えては現れるのは

波紋が描く美しい円の数々

普段はすっかり忘れておりますが、
存在の本質が〈波〉と〈円〉であるという事を、
目に見える形で思い出させてもらっているようで、
水という媒質の特殊性と徳性に感じ入ります。

               

水のように分かりやすくはありませんが、
茫漠たる空間も又、様々な波を伝える媒質であります。

13億光年の彼方から届いた〈重力波〉観測の功績に対して、
今年のノーベル物理学賞が贈られました。
「時空のさざ波」とも呼ばれる、この微細な〈波〉によって、
今まで分からなかった宇宙の姿が観えてくるのだそうです。

さざ波の揺れ幅は、
太陽と地球との距離に比して僅かに水素原子1個分。

限りなく小さな波紋が、
限りなく大きな影響をもたらすところに、
宇宙の構造と人間の科学との交わりの不思議さを想います。

その昔、寺田寅彦先生はこう書いておられます。

『科学は不思議を滅するものではなく、
 不思議を生み出すものである』
       (出典「現代の随想・寺田寅彦集」彌生書房刊)

               

レイナー・ワイス博士らが観測に成功した重力波は、
13億光年彼方で起きたブラックホール同士の衝突が原因だとか。
重力波は光の速度で伝わるので、観測された重力波は、
つまり13億年前に発生した波ということになります。

勤めを終えての帰り道

振り返りますと高層ビル群が林立しています。


13億年前、ここにはどんな光景が広がっていたのでしょうか。
13億年後、ここにはどんな光景が広がっているのでしょうか。


秋も深まってまいりました。
皆さま、良き日々でありますように!