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弘南バスに新レインボー

2017-01-04 00:27:41 | 津軽のいろいろ
秋田中央交通に、恒例の路線バス用新車が12月21日に導入されたとの情報をいただいた。
今回はいすゞ製中型ノンステップバス「エルガミオ」が2台と、やや少なめで日野製はなし。12-27が秋田営業所、12-28が臨海営業所配置。

エルガミオは、2016年に発売開始以来17年ぶりのフルモデルチェンジが行われており、従来車とは違う点も多そう。
なかなか遭遇できないでいたら、暮れも押し詰まった30日の夜、秋田駅前で2台がほぼ連続して走るのを目撃できた。暗かったのでよく分からず、乗ることもかなわなかったけれど。※中央交通の新車については、こちらで少々。


1月1日は弘前にいました。
1年ちょっとぶりの弘前だけに、弘南バスにもいくつかの変化があった。その1つが…

冷え込んだ朝のイトーヨーカドー隣のセブン-イレブン前を歩いていると、バスターミナル終点の路線バスが入ってきた。
それは、中央交通のと同じ、新型エルガミオ?! 弘南バスも買っていたのか!
いや、リアウインドウに「HINO」とあるので、正確には同設計の日野「レインボー」のほうだ。
弘南バスでは、ここ10年ちょっとは、新車で購入する中型路線バスはすべて日野製で、いすゞと日野の製造部門が統合されて同車種となってからも、それが続いている。(中古や貸切などではいすゞを導入)

と思っているうちに、回送になって市立病院のほうへ行ってしまった。


それから数時間後、弘前大学前から駅行きのバスに乗ったら、
新型レインボー!
さっきの車が弘前営業所で休んで戻ってきたのか? とにかくラッキー。秋田でより先に弘前で新車に乗れるとは!
ナンバーは「か10-43」。青森県には八戸ナンバーもあるので、全県1つの秋田ナンバーより進みは遅い。
社番は「52804-2」号車。弘前営業所所属で、2016年の日野製4台目の導入であることを意味しているが、先の3台はモデルチェンジ前に導入されたものかもしれないし、高速・貸切車かもしれない。

弘南バスとして特筆すべきは、ノンステップバスであること。弘前で初のノンステップバスであろう。
積雪地では、底を雪にこすったり乗り上げたりすることを恐れ、ノンステップバスの導入を敬遠する事業者が多かった。価格もあるでしょうけど。
ところが今回のモデルチェンジで、ワンステップ仕様が廃止されたらしく、弘南バスとしてはやむを得ずノンステップバスになったのかもしれない。
正面向かって右のヘッドライト上と後ろに控えめに「ノンステップバス」と書いてあるだけで、「国土交通省標準仕様ノンステップバス」認証シールもなし(今回の中央交通では、前と横と後ろの3か所も貼っている。ピンク色)。せっかくなのだから、目立つようにしてPRすればいいのに。

メーカー側の変更のようだが、正面行き先表示の右の車椅子マークに加えて、左はベビーカーマークになった。

前モデルまでの「日野レインボー2」は、いすゞエルガミオとヘッドライトの形状が違って区別できた。ただし、初期はいすゞと同じヘッドライトで、弘南バスにも在籍。
今回のモデルチェンジでは、ヘッドライトが再び共通になり、従来の日野がつり目になったような形。
車種名は「2」が取れて「レインボー」になったそうで、共通車種でない日野純正レインボーとの区別がなくなってしまった。

車体には「レインボー」の表記はなく、正面右ワイパーの付け根の右に小さく「HINO」、従来と同じリアウインドウ右下にも「HINO」があるのみ。これを見なければ外観でいすゞか日野か識別できなさそう。


(再掲)前モデルの日野レインボー2
今までの車種では、日野レインボー2のデザイン(というかヘッドライト周り)はあまり好きでなかった。いすゞの二番煎じなんだし、何か古臭いような間抜けなような印象を持ってしまっていた。
今回のモデルチェンジで、いすゞ側も日野っぽいデザインになってしまったと感じていた。バスに限らず、昨今は乗用車でも家電でも、つり上がったようなキツイ顔つきのものが多く、この点でもあまり好きではなかった。
でも、実車を見ると、なかなかカッコイイ。従来のいすゞエルガミオよりいいかも(特徴的な縦に並んだライトがなくなったのは惜しいけど)。
精悍な雰囲気もありながら、ヘッドライトの周りの車体やバンパーがややふっくらした形状でキツさを軽減している。正面から見ると、全体に縦長で面長になった印象も受ける。【4日追記】行き先表示の辺りのラインも変わったせいか、頭でっかちにも見える。
屋根上の冷房装置の穴の形が、従来と変わった。
正面のウインカーは、ヘッドライト脇からバンパー内に下げられた。昔は、積雪時に隠れることを嫌って、標準よりも高い位置にウインカーを付けていた事業者(弘南バス、青森市営、秋田市営の各一部など)もあったが、今はもういいのかな。

側面は、
従来の弘南バスとほぼ同じかな
前ドア後ろの前輪の上に、新たな灯火が出っ張っている。
窓は、前ドア-行き先表示(固定窓)-縦長固定窓-戸袋窓-中ドア-下固定・上引違い窓×2 の配置。
弘南バスでは中ドアは車椅子・ベビーカー専用で、乗降とも前ドアなので、前ドアには「出入口 DOOR WAY」と表示。「DOORWAY」はまさに「出入口」の意味だそう。

後部
後ろも従来より縦長な印象。
リアウインドウの天地がやや狭くなったのと、その下の灯火がある部分の板の左右に黒い部分が目立つのが特徴。
中央交通の車で初めてこの板を見た時、板が外れかけているのかと思ってしまった。


最近は、LED式行き先表示に白色表示可能なフルカラータイプが登場しているが、弘南バスは従来と同じレシップ製オレンジ色。
整理券は、弘南バスとしては初めてかもしれない、感熱紙タイプ。「弘南バス」の社名や日付も入る。発行器のボディはいぶし銀色(?)のようで昔ながらだけど、新品のようだ。←【4日訂正・中央交通と同じベージュ色のボディらしいので削除します】中央交通のと同じ券面だから小田原機器製か。
運賃表示器は、弘南バスでは既に導入されているのだろうか、レシップ製の液晶2画面。中央交通やJR東日本秋田支社のと同型のようだが、画面表示の配色は異なり、黒っぽかった。

天井の照明はLEDで、従来より薄く、数が多そう。
座席は、優先席も窓を背にする横向き3席から、正面向き2席に変更。車内転倒事故防止上は、前向きのほうが安全らしい。
【4日配置】座席の配置は、ノンステップ部分(中ドアより前)の運転席側は、車椅子スペースの折りたたみ席2列も含めて、すべて2人掛けのようだ。前モデルの弘南バスでは、すべて1人掛け(かつての秋田市営バスと同じ)。これまでの中央交通とほぼ同じ配置(折りたたみ席は1人掛け)になって、着席人数を増やしたことになるが、モデルチェンジでノンステップ部分の立ち席面積が広くなったことも関係しているのかも。【2018年2月11日補足】折りたたみ座席は、2人掛けと1人掛けを選択できるそうだ。

いすゞのホームページを見て気になっていたのが、座席の形状。背もたれが低く硬そうで、把手(とって)のデザインが、従来とはだいぶ違った。同社の大型車「エルガ」でも同じものが採用されていて、ホームページでは「全席に採用した樹脂製シートは汚れがつきにくく、車内清掃が楽になります」と説明。
弘南バスのも、そのタイプ。
弘南バスでは、2000年前後に導入していた純正日野レインボー(ワンステップ初期の頃)で、それに似たデザインの座席を採用していたことがあったが、それよりはクッション性があって硬めながらも座り心地は悪くない。個人差はあるでしょうけど。
中央交通にある小田急中古の、ベニヤ板に薄いクッションを入れただけみたいな座席に比べれば、適度なフィット感・ホールド感があり、数十分乗る程度なら問題ないと思う。これで秋田から五城目とか、青森から五所川原とかだったら、どうだろうか…
永年使うと、座席のクッションがヘタってスカスカになることもあったが、その意味での耐久性は増したのではないだろうか。
(再掲)古いけどこれまでの一般的なバスの座席
現在主流のバスの座席において、把手は、背もたれの後ろ側に、1つ後ろの席の人が使う「Ω」状のものと、肩の部分に立つ人が使う「?」状の、いずれも樹脂製のものが付いていた。

この新車では、2つの把手を統合して、背もたれ上部に横幅いっぱいに棒状のものが設置された。
金属パイプを芯にして、表面を樹脂で巻いた構造だと思われる。少し前のバスに多用されていた、天井につながったつかまるためのパイプをわずかに細くした感じ。
把手全体がワイドになり、円形の断面で握りやすくなり、とっさにつかまりやすいかもしれない。
だけど、立っている時とか、前の席の人が長髪だったりフード付きの服を着たりしていたら、つかみにくそうな気もしなくはない。

これと同じような把手は、上記の2000年頃の弘南バスのレインボーのほか、昭和50年代の秋田市営バスのいすゞの中型車でも使われていた。北村製作所というメーカーの架装で、平成初期に廃車。これは金属に塗装しただけながら、太さや配置は、今回の新車にとてもよく似ていると思う。北村製作所か秋田市交通局か、先見の明があったのか?!


乗って運転席を見ると、シフトレバーの形がユニーク。
遠くてはっきりとは分からないが、ジグザグした「ゲート型シフトレバー」っぽい。オートマ?
ところが、走行音はマニュアル車と同じ、アクセルから足を離したような加速が止まるタイミングがある。
これは何だ?【4日追記】普通乗用車のゲート型では、Rなどに入れる時に押すロック解除ボタンはない(ゲートの形状がその役目を果たすので)のが一般的だが、このバスは押しボタンもあった。ゲート型と見た目は似ているものの、別物ということ。

予備知識がなかったが、今回のモデルチェンジで、従来のマニュアルもオートマも廃止され、「AMT」に一本化されていた。※大型車では、AMTのほかトルクコンバータ式AT仕様も継続。
AMTとは「自動変速マニュアルトランスミッション」。オートマのようにも運転できるし、シフトアップ/ダウンを指定することもできるが、クラッチペダルはない車らしい。
この時の運転士は、レバーに左手をしょっちゅう載せていた。オートマならそんなに触らなくてもと思ったけれど、手動で変速していたのかもしれない。
そのおかげか、乗り心地は良好。【4日追記】変速ショックや不自然なタイミングで変速されるようなことはなかった。
停車する直前に、「ぎゅるんぎゅるん」という音とかすかな振動【2018年4月29日補足・シフトダウンしてエンジンブレーキがかかっているような感じ】があったような気がした。

あっという間の乗車だったけれど、良かった。
弘南バスでは、新たに中古車もまとまった数が導入されており、なかなか珍しい車だった。後日

ちなみに中央交通の新車では、メーカーロゴは当然として、バンパーの色、側窓の配置は異なる。行き先表示は、従来と同じオージ製のオレンジ色LED。

【4日追記】ネット上の情報では、12月28日頃からこの車の目撃情報があるので、ほんとうに導入間もない時に乗れたことになる。
連番で同型の、ナンバー「10-44」の「52805-6」号車が青森営業所に配属されたとのこと。【8日追記】コメント欄の通り、青森営業所にさらにもう1台導入されたとのこと。

【8月20日追記】やっと秋田中央交通の同型車にも乗車できた。車内は弘南バスと特に違いなし。
運転士は、弘南バスのようにシフトレバーに手を載せっぱなしではなかったが、「D」固定ではなく、こまめにシフトアップとシフトダウンを切り替えていた。つまり、レバーから手を離しても、アップ/ダウン位置に固定できる構造。弘南バスの運転士を見た時は、離すと戻ってしまうのかもと思っていた。
秋田市街地の運行では、シフトアップよりもシフトダウン位置のほうをよく使っており、普通乗用車の免許しか持たない者の感覚としては、「ここではシフトアップでしょ」というタイミングでも、シフトダウンにすることが何度かあった。
【2018年2月11日追記】その後、中央交通で2度ほど乗ったが、その時はどちらも走行中はDレンジ固定だった。すると、納得の乗り心地。知らなければ、従来と同じマニュアル車かと思ってしまいそうだが、意識していると、マニュアル車でギアチェンジしてシフトペダルから足を離す時に相当する「ガクッ(運転者や条件によって程度の差はあれ)」という衝撃がなく、「ふわっ」と滑らかにクラッチがつながる感じ。
中央交通では、車いすスペースの折りたたみ座席は、従来通り1人掛けだが、従来車よりはやや幅が広そう。また、12-27号車(もう1台の12-28は未確認)では、後部の床が高い部分、1番前の運転席側の席(2人掛け)だけ、肘掛けが少し昔のバスと同じ、大型のもの。その席の通路部分が階段になっているから、転落防止や乗降時につかまりやすいための配慮なんだろうか?
【2018年4月29日追記】客席の側窓上部の開閉する部分は、天地方向の高さが、前モデルよりも広くなっており、開口面積が大きくなっている。また、客室内から見ると、前モデルより側窓全体が下(床方向)に移動しているような印象。

【11月4日追記】日野レインボーは、この後2017年8月に、新しい排出ガス規制に適応するマイナーチェンジを実施。弘南バスでは10月末~11月始め頃に、その車両を導入したとのこと。この記事中ほどに写真あり。

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4 コメント

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青森市営バスにも新車 (つがる路快速)
2017-01-07 00:36:03
そういえば、青森営業所にももう1台(青森200か10-45・52806-6)が配備されたようです。

それから、青森市営バスにも同メーカーのブルーリボンが10台ほど投入されたようです。カーナンバーは10-32から10-40ぐらいまでは確認できておりますが。
ちなみに、車内の座席配置は地方都市の新車ではなかなか珍しいラッシュ型配置となっておりますが、進行方向右側のタイヤハウス上の座席が無いことが特徴的でした。シートモケットのデザインは、今まではキサラブルーが選ばれておりましたが、残念ながら無くなったのでオーシャンブルーが選ばれたようです。

さらに、青森市が民間企業に委託して運行させている市民バスですが、八洲交通にポンチョ(小型ノンステップバス)が投入されたようです。恐らく、ポンチョは青森県内初でしょう。
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さらに1台 (taic02)
2017-01-08 00:44:51
青森営業所は比較的新しいレインボーが多い印象でしたが、新車2台ですか。

さすが青森市営バス、大量導入ですね。
秋田中央交通の以前のノンステップのエルガミオ(郊外型)では、その位置の座席をプラスチックチェーンで封鎖しています。転落を恐れているようで、青森市も同じ考えなんでしょう。
ちなみに、弘南バスの新車は、優先席はハートがモチーフの水色系統の布地になっていました。

ポンチョは青森初ですか。秋田県内では、各地の自治体所有のコミュニティバスに何台かあるようです。バス会社保有はないようで、秋田市内ではお目にかかれません。
返信する
中央交通のHPに (こまぽるた)
2017-01-09 17:10:27
新車導入について1月6日付で掲載されていました。
返信する
導入は昨年なので (taic02)
2017-01-10 00:11:33
「秋田県では初の導入となります。(平成28年12月20日現在)」とありますね。どうせなら昨年中にアップすればよかったのに。

三菱ふそうのリムジンも紹介されています。
実車を見ましたが、ぱっと見は既存車と変わらず。後ろに「太平興業」のシールが貼ってあるのと、「乗降中」表示がやや小さいのが珍しいと思いました。
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