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リムジンバスの新車

2011-08-02 21:28:04 | 秋田のいろいろ
6月下旬に紹介した通り、秋田空港と秋田市内を結ぶ秋田中央交通のリムジンバスのうち、羽田便の始発便と最終便に接続する秋田駅東口発着の直行・速達便が6月末で廃止され、7月以降は西口経由県庁・市役所発着だけとなっていた。
しかし、自動車専用道路「秋田県道61号秋田御所野雄和線」の秋田市上北手御所野-秋田市河辺戸島間が7月29日に開通し、空港リムジンバスも8月1日からここを経由することになった。(ちなみにこの道路の愛称は「あきたびライン」らしい。「旅ライン」、「美ライン」? 意味がよく分からん)
これにより、秋田市内各バス停と空港間の所要時間が従来より5分短縮され、秋田駅西口までは35分となった。所要時間25分だった東口便と10分差になったので、それを見越して早めに東口便を廃止したのだろう。
また、経路変更により、「雄和市民センター前(正式には「秋田市雄和市民サービスセンター」=旧雄和町役場)」は通らなくなり、同バス停での乗降(空港行きは乗車のみ、空港発は降車のみ。運賃390円)はできなくなった。
秋田空港の所在地は現在は秋田市だが、平成の大合併前は雄和町だった。雄和町役場前は、雄和町内にある唯一のリムジンバスの途中停留所だったわけだが、廃止に伴い、すべての途中バス停が旧秋田市内に所在することになる。

※東口直行リムジンバスは、その5か月後に復活を遂げました


7月下旬から8月かけては、インターハイ、竿燈まつり、夏休み・お盆と、リムジンバスにとっても書き入れ時なのだろうが、考えてみればとリムジンバスの運行って大変そう。
大規模空港では航空便に関係なく等間隔にバスが運行しているようだが、秋田空港のは航空便の時刻に合わせて運行している。航空ダイヤが等間隔でないので、バスが連続して発着する時間帯もあれば、数時間の空白時間帯もある。それに小型機の便では乗客が少なくバス1台でもガラガラの時があるようだ(羽田便の場合は1便につき2台態勢が標準のようだ)。天候などによる飛行機の遅延や道路の渋滞もある。
車庫からの回送を含めると空港までは片道20キロほどの行程になり、車両・乗務員のやり繰りは大変そうだ。
空港リムジンバスは、かつては秋田市交通局(秋田市営バス)と共同運行していたが、1990年代後半頃に中央交通に一本化された。その時の理由が、運行の効率化ということだったが、一理ある。


秋田空港リムジンバスの車両は、貸切・高速バス仕様のバスが使われている。ワンマン運転なので、運賃箱などの機器が設置されている。
1981年の開港・バス運行開始時には新車が導入され、共同運行の2事業者で共通の塗装(メーカーは異なる)だった。
 (再掲。秋田市所有のフリー画像を加工しています)秋田市交通局のリムジン車両
中央交通単独運行となった20世紀末頃には、その車両も老朽化して引退。その代替車両は、新車よりも他事業者の中古車を転用したものが多いようだ。
また、上記の通り、車両の必要数が流動的なため、リムジンバス専属でない“応援”車両もあり、多種多様な車両がある。(メーカーとしてはいすゞ製が多い)

以下は最近見かけた車両。
リムジンバス専用車両
塗装は同社の貸切車と同じだが、正面と側面に「Air Port Limousine」と筆記体で書かれており、さらに側面にはゴシック体で「AKITA CHUO」とある点が異なる。

これも専用車両
こちらは側面全面がラッピング広告。
これら専用車両では、正面やドア横に幕式の行き先表示機(方向幕)があるようだ。

ほかにもリムジン専用車両には、青っぽい地に飛行機、なまはげ、子どもなどの漫画チックなイラストが散りばめられたものがあったが、最近は見なくなった気がする。【3日訂正】この車両も走っているのを確認。この記事末尾の続編へのリンクをご覧ください。

これはおそらく応援車両
「Air Port Limousine」表示がなく、側面には細い書体で「AKITA CHUO KOTSU」とある、同社貸切バス(と県内完結の高速バス)の標準のデザイン。
正面と側面には、枠に行き先を印字した板を差し込んで手で入れ替える、鉄道用語で言うところのいわゆる「サボ(サイドボードの略)」が使われている。
これと同じと思われる車両が、県内の高速バス(能代線、横手・湯沢線)を走っているのをよく見るので、高速バスとリムジンバスの「共通の予備車両」的位置づけの存在なのだろう。
ほかにも、比較的新しい型で仙台行きの高速バスと同じ塗装の車両もたまに走っている。これも共通予備車両なのだろう(元々は新宿行き夜行バス「フローラ号」用だった車両を改装したものかもしれない)。


そんな中、先週あたりから、新しい車両を見るようになった。
新車!
ボディもタイヤもピカピカのいすゞ「ガーラ」が導入されていた!
この車両は貸切仕様の「三平バス」が2005年にフルモデルチェンジした型に当たるのだが、いすゞと日野の製造部門が経営統合したことにより、実際には日野自動車が設計・製造した車両と言える。
そのため、日野「セレガ」とほぼ同一仕様で、相違点は側面前方の銀色の帯(アクセントピラー)や正面のナンバープレート上の溝(?)の形状くらいしかない(しかも例外があるらしい)そうだ。
個人的には、日野自動車のバスのデザインって、あまり好みでないのだけど、これもゴツくて重々しい感じでちょっと・・・

中央交通では、モデルチェンジ間もない頃に貸切仕様のセレガとガーラをたぶん1台ずつ購入しており、先日のプロ野球の選手輸送に使われていた。
その車両は側面の「AKITA CHUO KOTSU」の文字が、角張った細字の書体なのだが、この車両では、上の写真のように従来の書体。ただし文字色がグレーではなく、ボディのラインと同じ青紫なのが珍しい。
筆記体だったりゴシック体だったり細かったり色が違ったり、何の意味があるのか知らないが。

正面の行き先表示はLED式。しかも英語表記あり
一般路線バスも含めて、秋田のバスの行き先に英語が表示されるのは始めてだと思う(東京や仙台行き高速バスではあるかもしれない)。
だけど、
後部は幕式?
【11日追記】よく見ると、後部はフイルム巻き取り(幕)式ではなく、内側から印字した板を入れているようにも見える。
そして分かりにくいけど、
側面(ドア右)は板を手で出し入れする「サボ」
1台でサボ・幕・LEDとバスにおける行き先表示の変遷をまとめて見られるおもしろい車両なのかもしれない。
【3日追記】社団法人日本バス協会の「会員章」である「NBA」ステッカーはまだ貼られていない模様。
【3日さらに追記】このバスのナンバープレートは「887」だ。希望ナンバーではないようだが、あと1つで末広がりの「八八八」だったのに惜しい!

この新車、先週末は空港リムジンバスとして走っていたのを何度か見かけたので、リムジン専業だったようだが、仕様からすれば能代や横手・湯沢行きの高速バスに使われる可能性もあるし、ひょっとしたら貸切や仙台や東京行きの高速バスの増車車両(トイレなしの続行便)など、いろいろな用途で活躍する新しいエースとして期待されているのではないだろうか。
【15日追記】この車両が、能代行き高速バスに使われているのを見た。

それにしても、リムジンバスに突如として中古でなく新車が入ったのには驚いた。(ということはイラストが描かれた車両が廃車になったのか?【3日訂正】イラスト車両もまだ走っていました)
一方、ここ数年、同社の一般路線バスには、ほとんど新車が入っておらず、他事業者の中古車ばかり。
以前、ノンステップバスの中古がついに導入されたことを紹介したが、そのバスにたまに乗ることがある。乗り降りがしやすくてバリアフリーに貢献しているのは間違いないが、座席(背もたれ)の座り心地が悪い。
クッションがとても薄いらしく、シート生地のすぐ下にベニヤ板が入っているかのような感触。長時間座っていると背中が痛くなるに違いない。
以前は、中古として導入した機会に、座席を交換するなどリニューアルをしてから使われた車両もあったが、現在は内装はいじっていないので、前の所有事業者がケチっていたことが原因なのだが。

わずか30分の乗車で900円も払ってくれるリムジンのお客様にいい車両を提供するのもサービスの一環としていいけれど、支払額は数百円といえどもしょっちゅう路線バスに乗る我々のことも考えて、もうちょっと環境を改善してほしい気もする。(←単にリムジンの新車がうらやましいってだけの、ひがみです)

※続きはこちら

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