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さらばNaランプ

2015-01-13 23:47:31 | 秋田の季節・風景
いくつかの変化が生じている、秋田市中心部の千秋トンネル
1か月ほど前には、開通以来設置されていた送風機(ジェットファン)が撤去された。
その後、12月中頃から、トンネル内の照明をLED化する工事が進められている。
正月の千秋トンネル保戸野側
上の写真では、右の南側は天井際壁面にナトリウムランプが灯っていて、これは従来通り。
左側は、壁面の低い位置に照明が灯っている。これは仮設の照明。ナトリウムランプは撤去済み。

工事は片側ずつ行い、先に北側(保戸野から手形へ進む車線側)から施工。
手順としては、仮設照明を設置、既存のナトリウムランプを消灯して撤去(&配線穴にカバー)、LED照明の台座と灯具を設置という流れらしい。
各作業は、プレハブ事務所がある手形側から可動式の足場を動かして進めている。
顔の近くに仮設照明があるので、ちょっとまぶしい

正月の段階では、ナトリウムランプ撤去跡にLED照明の台座らしき金具が設置されていた。
赤で囲ったのがナトリウムランプ跡。中央の円は配線をふさいだ穴だと思われる
さらに一部では、
これがLED照明?
トンネル中央部にグレーの弁当箱のような物体が数台設置されていた。これがLED照明のようだ。
箱の中身にLEDと思しきものが見えるが、配線や回路がむき出しで場所を取っていて、思ったより不格好。
明るさなど効果を検証するために、いちばん暗いトンネル中央部に試験的に付けてみたということだろうか。

調べてみると、トンネル用灯具は、パナソニック、東芝ライテック、岩崎電気などが製造しているが、どこも似たような弁当箱状。
千秋トンネルのは、LEDの配置からすれば東芝ライテック製ではなさそう。


そして今週。(先週は見ていません)
最初と同じ保戸野側
正月まで工事されていた左の北側は、高い位置に白い照明が点灯している。LEDが設置され、稼働したのだ。
南側
今度は南側のナトリウムランプが消灯し、仮設照明が点いている。北側よりは少し高い位置になっているのは、まぶしいと苦情があったのか(作業する人もまぶしそうだし)。手形側からナトリウムランプの撤去が行われていた。

いざ、LED照明のトンネル内へ。
2つおきに点灯
ナトリウムランプ時代と同様に、一部の灯具だけが灯っていた。
よく見ると、
 
灯具は2種類あるようで、大きさと角度が違っている。
この時点灯していたものはやや下向きでやや小さい灯具なので、これが歩道用、消えていたほうがやや横向きで大きい車道用ということだろう。
消えているほうは横長で、LEDにレンズや反射鏡のようなものが付いている。

点灯しているLEDは、真下から見るとまぶしくて直視できない。
街灯(防犯灯)のLEDを4~5本まとめて並べたような感じ。

LEDの特性上、場所によって明るさに少しムラはあるが、明るさとしては充分。本が読めそう。
今のところは、車道部分は従来より暗い感じもするが、車道用が点灯すれば当然明るくなる。(秋田市ではトンネル内ライト点灯を呼びかけているが、無視する車も少なくない)
【14日追記】照明の「台」数で比較すれば、ナトリウムランプ時代より少なくなっているが、灯具の大きさ・明るさ・消費電力・価格が違うので一概には比較できない。ただ、LEDはナトリウムランプの半分程度の消費電力で済むらしいし、送風機撤去もあって、全体で相当の消費電力節減にはなっていると考えられる。
【21日追記】車道照射用と思われる灯具は、入口である保戸野側から途中までだけに設置(出口側にはなし)されていた。昼間にトンネルに入った車の運転者の目が、中の暗さに慣れる(暗順応)のを補助する目的なのだろう。歩行者用は全域に等間隔に設置。【30日追記】末尾の追記の通り、入口から全長の61%付近の地点までに設置されている。
【2月20日追記】2月中旬頃は引き続き何らかの工事(配線など?)が行われ、今まで消えていた車道用の照明も点灯しているのに遭遇した。かなり明るい。


改めて思い返せば、ナトリウムランプの頃は、薄暗いオレンジ色一色の世界で、トンネル内独特のどこか重苦しい不気味なような感覚に包まれていた。
LED化された今は、外と変わらない色のある世界で、少し気分が軽くなった気がした。
(再掲)ナトリウムランプ当時

LED化後。壁はこんな色で、柵はこんな色だったのか(しかも途中で違っている)と新たな発見
これなら、心霊スポット疑惑も払拭されるかもしれない。(むしろ手形側の切り通しのほうが“出そう”な雰囲気だけど…)


送風機と同様、おそらく開通時から36年間活躍していたナトリウムランプも姿を消した。
昼間に街中で、歩行者がこれほど長い距離のナトリウムランプだけ(他の照明が混在しない)の灯りの下を歩けた場所は、そう多くはなかったのではないだろうか。
小学生の時、学校行事で千秋公園への行き帰りにクラスで列になってトンネルを通った。「服の色が変わった」「白い紙がオレンジ色になっちゃった」「顔色が悪いよ」「君もだよ」などとふざけ合っていたものだが、そんなことはもうできくなる。

設置されていたのは、おそらく「低圧ナトリウムランプ」というもの。
単色ではあるが、コントラストが高くなるので視認性は高く、霞んでいる時も見通しが利き、虫が集まらず、寒さに強いといったメリットはあるという。(Wikipediaより)
【2019年10月15日追記】蛍光灯など照明器具の中にある「安定器」に有害なPCBが含まれていた時期があり、現在、その廃棄や保管の方法が定められている。低圧ナトリウムランプにもPCB安定器が使われていたことがあったが、千秋トンネル建設の少し前の時期にPCB不使用に切り替わっているそうなので、おそらく問題なく処理できたと思われる。
 
おつかれさまでした。


ところで、明徳小前へ上がる坂の下と歩道の間の空きスペースに建てられているプレハブの工事事務所前には、
例の緑看板
道路工事でこの看板が設置されているのって、初めて見た。「照明灯を新しくしています」看板があるのだし、不要なような気もするけれど、いまいち設置基準が分からない看板だ。

※その後、1月24日までには南側のナトリウムランプがすべて撤去され、LED用の配線が施された。1月29日には南側でもLEDの設置が完了した。北側同様の設置方法で、車道向きは消灯・歩道を照らすLEDだけが点灯している。仮設照明は消灯したが残っている。
【1月30日追記】トンネル内に密に等間隔に並ぶ95本の柱に、トンネルの点検時にチョークで番号が振られていた。それを元に、車道用と思われる、入口側から途中までにだけ設置され、現時点では消灯している灯具が何番の柱付近まで設置されているか、検証した。その結果、北側は1番から58番付近まで、南側は95番から37番付近まで、すなわちどちらも入口から柱58本分=全長の61%の所まで設置されていることになる。

※千秋トンネルについての次の記事

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2 コメント

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ナトリウム灯 (H.TERA)
2015-01-14 21:39:16
トンネル内等で点灯中にオレンジ色の旗を振ったり
すると白色に見え、「止まれ!」と意思表示をしたのに
「GO」に見えて事故が多発した、という報道があったこと
がありました。ホントかなぁ~と思ってオレンジ色のハンカ
チかなんかをナトリウム灯が点灯中のトンネル内かなん
か(仙岩トンネル?)で広げてみたら、ホントに白く見えて
ビックリした記憶があります。
解決されていればいいのですが・・・
返信する
オレンジが白 (taic02)
2015-01-15 00:13:46
オレンジの光だけの中なので、オレンジ色のものはそう見えてしまうのでしょうね。
赤色灯なども自然光ほど目立たなくなるのかもしれません。
白色LEDは屋外と同じ色で見えますから、そうした点は問題がないでしょう。そういうメリットもあるわけですね。
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