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秋田市の収集車1

2023-03-23 20:49:41 | 秋田のいろいろ
日本国内なら、ほぼすべての土地で行われるサービスで、公営もあれば民営もあり、おおむね同じ形(型)ではあるが塗装は各地でまちまちの大きい自動車が、決められたルートを、途中で止まりながら走るもの、って何でしょう?

路線バス? たしかにそうですが、もう1つ。

ごみ収集車だってそうじゃないでしょうか。
ごみ回収は、基本的には(時刻やルートまでは公表されないが)“定時定路運行”だし、民間へ業務委託している自治体もあるし。
ルール(バスでは乗車方法や支払い方法/ごみでは分別や袋など)が各地で微妙に違うという点も、両者共通しそう。
そんな「ごみ収集車」の話。
国土交通省の区分では「塵芥車(じんかいしゃ)」、一般には「清掃車」と呼ばれることもある。※ここでは、ごみを圧縮して収められるパッカー車タイプの収集車を中心に扱います。
「はたらくくるま」の1作1番では、郵便車の次に「まちじゅうきれいに おそうじ せいそうしゃ」と歌われ、「ひらけ!ポンキッキ」の映像では東京都のものらしき青い収集車が登場する。

路線バスは、我々が直接見て・乗る機会が多く、愛好家も多いし、事業者による公式サイトもあって、車体塗装は各地でさまざまなことは常識。
ところがごみ収集車は、基本的には来るのを待つものではないし、バスほど頻繁には走らないし、愛好家も少ないようだ。
自分が出したごみをどんな収集車が持っていくのか知らない人も多いかもしれないし、収集車のデザインなど意識しないし、ネット検索してもほぼ分からない。恥ずかしながら、かつて4年間も、自分の出したごみを持っていってくれていた、弘前の収集車の姿も、その所属も知らない。
一般的には、昔のごみ収集車は、単色や線が入った程度が多かったようだ。現在は、きれいな色やイラストを描いた収集車も増えているようだ。


秋田市のごみ収集車(一般家庭が市指定集積場所へ出すごみの収集。事業系は除く)の塗装は、昔【24日補足・知る限りで昭和末期・1980年代後半時点】は専用というか1種類しかなかったはず。
しかし、現在の秋田市のごみ収集車は、多種多様。
なぜなら、ごみ収集業務は、秋田市環境部の車と職員で収集を行うの(いわば直営)をやめて、すべて民間委託されたから。
(おそらく2005年頃から段階的に委託し)2010年4月から完全委託。※資源ごみの1つ、古紙は若干違う形態だそうだが、それも直営ではない。

複数の企業に委託され、それぞれの受託企業の自前の収集車で回収しており、車体デザインもさまざま。メタリックブルー、メタリックグリーン、楷書体で「危険ですから近寄らないで下さい」とか書かれたの等々。
昔から事業系ごみ収集で見かけることがあった大手ごみ処理会社もあれば、ごみ収集もやっていたのかと思わされるビル管理会社もあれば、聞いたことがない会社もある。

では、かつては普通に見られた「秋田市のごみ収集車」はもうなくなってしまったのか、そして秋田市役所所有のごみ収集車もなくなってしまったのか。となるが、どちらもまだ存在する! ただ、かつての秋田市環境部所有ではないのだけれど。
2020年5月撮影(以下特記なき写真は同)。まだ新しそうな三菱ふそうキャンターの収集車
ベースの黄緑色は、秋田市のカラー「若草色」なのだと思う。
中央部に白く帯が入り、そこに標語(環境系と納税系)【標語については末尾参照】が書かれているこれこそが、秋田市のごみ収集車。
この車では、標語の前方に、秋田市ごみ減量キャラクター「エコアちゃん」も描かれる。

なのだが、エコアちゃんの下に書かれた所有者名が、「秋田市(昔は書いていなかったと思う)」でなく、
「公益財団法人 秋田市総合振興公社」
秋田市の外郭団体で、昔は「秋田市環境保全公社」だったのが、2005年に他の公社と合併して総合振興公社になったそうだ。

秋田市のごみ収集委託先は、純粋な民間企業のほか、この秋田市総合振興公社も含まれている【24日補足・公社は資源化物(資源ごみ)を担当し、家庭ごみ(いわゆる可燃ごみ)を民間各社が、地域を区切って分担しているようだ。】。
外部委託が始まる前から公社が存在していたが、その当時は、おそらく回収された資源ごみを仕分けするような、処理場での業務をしていたのではないだろうか。

収集業務を市直営で廃止した時点で、市で使っていた収集車を公社へ譲渡し、かつその車両デザインを引き継いだのだろう。
秋田市交通局(秋田市営バス)の秋田中央交通への移管でも、交通局から中央交通へバスが譲渡(車齢によって無償または有償)されたが、誤乗を防ぐために、車体塗装は塗り替えられた。ごみ収集車では、一般人が勘違いしても大した問題でないし、塗り替え費用もかかるから、デザインが残ったのか。

ただし、空きびん・缶【24日訂正・空き缶はパッカー車で回収しているとのこと】回収のトラック型の収集車では、シルバー系など違う塗装の新しそうな車も出現していた。
なお、パッカー型では特種用途自動車の8ナンバーだが、トラック型は普通貨物自動車扱いの1ナンバーで登録されている(全国的にそうなのだろうか?)。
パッカー車と同デザインで古そう。エコアちゃんにガムテープ、錆も出ている

新しそう。シルバー(グレー?)のエコアちゃんメイン
この調子では、パッカー型収集車も、代替時には新塗装になるかと危惧していた。
しかし、最初の写真のキャンターは、2010年11月モデルチェンジ(8代目)。総合振興公社が購入した車ということになり、とりあえずはデザインが新車にも継承されたと考えられる。

2018年4月撮影。年季が入った収集車
標語は「納税で 築く建都の 四〇〇年」。
「建都(けんと)」とは、関ヶ原の戦い後、佐竹氏が久保田城に入った年を指し、その400年後の2004年には記念事業が行われた(秋田市以外の城下町でも同時期に同じような事業あり)。
ということは、その前後に作られた標語で、15年程度は使われた収集車なのだろう。

消えてしまった秋田市営バスと同じく、これも「秋田市ならではのデザインの車」。まだしばらくは見られそう。
実は秋田市総合振興公社ではなく、秋田市所有の収集車が今も存在し、近日中にそれに変化が生じるらしいので、続く

【24日追記・収集車の標語について】標語は、かつては秋田市が市民から公募していたと思う。
現在は、公社が引き継いで募集している。2021年度と2022年度は、市内の小学生を対象に「資源化物に関連した標語」を公募。2021年度は「今年度購入する空き缶収集車1台(冒頭の塗装のパッカー車の写真掲載)」、2022年は「今年度購入する空きびん収集車1台(上と同じ正しい分別~のシルバーの写真掲載)」の両側面にそれぞれ違う標語(=毎回2作品選出、記念品は図書カード5000円分)を、小学校名・学年・氏名とともに掲載するとしている。2022年は半導体不足による納車遅れで、発表延期中。
パッカー車とトラックを交互に毎年1台ずつ更新しているということなのか、それとも何台も更新する中、うち1台だけ公募標語を掲出しているということなのか、どちらなのかは不明。

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2 コメント

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そんなに数減らしてましたか (FMEN)
2023-03-24 00:13:07
まだよく見るイメージでした。
標語が面白かったんですが、市営バス空き広告や人が集まる場所のスローガンにも使えそうでもったいなかったり。
なぜか税金のネタや健康ネタがありました。
火災ネタもあったような。
歩道橋の県警標語にも通じるもんを。

都営のは、トミカで持ってました。
ただ都営トレースではなく、都章のイチョウマークが線取りのハートで昔の公共広告機構のロゴみたいになっていました。
バキュームカーも同じ。
バキュームカーは昔から民間に移管されていて、仁井田は緑色の「衛生工業」という謎の会社でした。
楢山→御所野にあったとか。
相対的には (taic02)
2023-03-24 12:30:43
車両総数はよく分かりませんが、中央地域では、相対的に民間の収集者が増えたなという印象を持っています。
公社の所在地や秋田市総合環境センターは御所野(河辺)にあるわけで、その行き来の関係上、秋田市南部地域では、わりと見かけるのかもしれません。広面近辺の横金線をわりと走っている感じもします。

標語は公募で、最近は小学生から募集(公社主催)しているようです。
「主婦の知恵生かして資源再利用」という標語の車が、2020年時点で現存していました。SDGsやジェンダーの面で問題があるととらえられますが、今はどうなっているか…

バキュームカーも、各社存在するものの、収集車以上によく分からないですね。
祖父母には「黄金社(黄金車?)」がその代名詞になっていて、子どもの頃はそれが「おうごんしゃ」というくくりの車なのだと思っていました。

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