<夫婦池 ふうふいけ/めおといけ>
剣山および四国という土地は、
「ため池」が多いことでも知られ、
その数は数百~数千とも言われています。
雨の少ない瀬戸内側の平野に、
ため池があるのはわかりますが、
標高1000m以上はあるはずの、
剣山頂上付近で見かける「池」には、
何とも不可解な印象を受けるもの。
やはり古代この地には、治水技術に長けた、
「知識人」が暮らしていたのでしょうか……。
ちなみに、「剣」という名称とは裏腹に、
剣山山頂のほとんどは「平坦地」であり、
また、山焼きの風習が伝わる近隣の山々などは、
森ではなく「草地」の箇所も多かったようです。
周辺の集落で聞いたところによりますと、
その昔は山を切り開いて農地を確保し、
食料となる穀物を育てていたのだとか。
「何日も泊まり込みで作業するため、
しばらく家に戻れないこともあった」と、
地元のおばあさんは語ってくれました。