<大湯ストーンサークル>
ここ大湯のストーンサークルには、
円形に張り巡らされた石の中心に、
「日時計状組石」と呼ばれる立石が置かれ、
時間や季節ごとに変化する太陽の動き応じて、
石の影の長さが変わることがわかっています。
隣接するストーンサークル館内で、
太陽と環状列石との関係をシミュレーションした
模型を見たのですが、個人的に頭に浮かんだのは、
特別な日の太陽を「祭りの舞台」の演出効果
として取り入れるために、ストーンサークルを
建設したのではないかというイメージでした。
仮に、ストーンサークルが墓地として利用され、
その中で葬儀が執り行われていたとしても、
決して人々は悲壮感ばかりに包まれていたわけでなく、
神と死者と生きる人間とが混然一体となって、
その場全体を不思議なエネルギーで
満たしていたような気がするのです。
実際に遺跡に立ってストーンサークルを眺めてみますと、
あたり一帯が常に「空気の循環」を繰り返しながら、
清冽な風が入れ代わり立ち代わり
大地を掃き清めているような光景が思い浮かびました。