<磐境神明神社 いわさかしんめいじんじゃ>
もともと鬱蒼とした森に囲まれていた、
磐境神明神社の参道(および境内)ですが、
現在は落雷の被害により倒れた木と木の間に、
ようやく新たな緑が育ち始めたばかりで、
他の神社の鎮守の杜と比較すると、
ある種無機質な印象を受けます。
と同時に、周囲の森が取り払われたせいか、
山全体が人工建造物のような趣を醸し出し、
古代この地に住み、礼拝所を作った人々意図が、
にわかに炙り出されてきたような感覚も覚えました。
その昔、剣山山頂を切り開いた人々は、
磐境神明神社を建てるにあたり、
木々を伐採し整地したのかもしれません。
剣山の地に足を踏み入れますと、
目の前の緑の森に重なるように、
アジアの乾いた大地が透けて見えてくるのです。