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夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

鴫立つ沢の秋の夕暮れ  いすみ市椎木堰

2007年09月15日 19時55分39秒 |  気になる詩、言葉
心なき身にも哀れは知られけれ
      鴫立つ沢の秋の夕暮れ
           西行


久しぶりの西行の詩。でもこの詩は何度もこの日記に出てきていますよね。
いすみ市椎木堰、もう少し涼しくなって、周りが秋の化粧に変わってくれば、この詩通りの風景が見られるところだと思います。



ちょっと前に350万の家(庭が椎木堰に面していて、桟橋が作ってある)のことを書きましたけど、その家はこの中の一つです。




日本って凄い国だと思います。
どこかの景勝地ではない、名前も知られていないような町でも、すばらしい景色にめぐり合うことができる。



美しいものを定番の場所、方法で見ることも一度は必要。
でもそれ以上のものが、どこにでもあるということを知ることもまたすばらしく楽しいことではないかなと思います。
そして自分自身のデータベースを築いていくことが人生なんでしょうね。



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6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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いすみ市 (m子)
2007-09-16 06:31:19
「いすみ市」って初めて知りました。
南房総寄りのほう?
とても気候、環境の良いところですね。
姉が八千代市にいます。

一度、母と南房総の方に旅行したいね~と言いながら、
行けないまま終わりそうです。

母は以前何度か行ったことがあるようで、
とてもお花の綺麗なところだと聞きましたが、
私はまだ一度も行ったことがありません。

夕暮れの写真綺麗です。
本当に何気無い場所でも、素晴しい景色のところって沢山ありますよね。
こちらがどういう眼鏡でものを見るか!ですね。

アンテナの感度かな。
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何気ない風景 (赤い風車)
2007-09-16 07:24:16
いすみ市は今年生まれたばかりの市です。
大原や岬などが合併しました。
一宮の隣町になります。

よく、何気ない風景とか、どこにでもある風景ってタイトルで写真をアップしていますけど、ごくありふれた物、風景でも気持ちの持ち方一つでとても綺麗に見えたりします。

私はこのようなものに惹かれるので。
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屈原 (赤い風車)
2007-09-19 09:03:31
Mixiのほうへ友人から陶淵明の詩をつけていただいたのでこちらにもご紹介しておきます。


陶淵明

秋菊有佳色  秋菊佳色あり
裛露掇其英  露に裛(ぬれ)しその英(はなぶさ)を撥(つ)み
汎此忘憂物  此の忘憂の物に汎(うか)べて
遠我遺世情  我が世を遺(わす)るゝの情を遠くす
一觴雖独進  一觴(いっしょう)独り進むと雖も
杯盡壷自傾  杯尽きなば壷自(おのずか)ら傾く
日入群動息  日入りて群動息(や)み
帰鳥趣林鳴  帰鳥林に趣きて鳴く
嘯傲東軒下  嘯傲(しょうごう)す東軒の下(もと)
聊復得此生  聊か復た此の生を得たり

そのお返しはこちら:

陶淵明の詩ありがとうございます。
ほっとする詩ですよね。

この椎木堰の隣が「洞庭湖」
まさか屈原がここで入水したわけじゃありませんけど、故郷のペーロン(竜船)のもとになったとこだし、鼠大繁殖の記事を書いたばかりのところですね。

その屈原にあやかって、

漁父
            
屈原既放,
游於江潭,行吟澤畔,顏色憔悴,形容枯槁。

漁父見而問之曰:
「子非三閭大夫與?何故至於斯?」
屈原曰:
「舉世皆濁我獨,衆人皆醉我獨醒,是以見放。」

漁父曰:
「聖人不凝滯於物,而能與世推移。世人皆濁,何不其泥而揚其波?
衆人皆醉,何不餔其糟而其?何故深思高舉,自令放爲?」

屈原曰:
「吾聞之:新沐者必彈冠,新浴者必振衣。
安能以身之察察,受物之者乎?寧赴 湘流,葬於江魚之腹中,
安能以皓皓之白,而蒙世俗之塵埃乎?」

漁父莞爾而笑,鼓而去。
乃歌曰:
「滄浪之水兮,可以濯我纓,滄浪之水濁兮,可以濯我足。」
遂去,不復與言。


お元気にでしたら、ほんとうはこちらをお送りしたかったのですけど、

漁歌子  漁父樂
  宋・徐積

水曲山隈四五家,
夕陽煙火隔蘆花。
漁唱歇,
醉眠斜,
綸竿蓑笠是生涯。
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解説 (赤い風車)
2007-09-21 10:03:20
上の二つの辞の解説をと聞かれましたので、以下をご紹介しておきました。


漁父は
http://chiema.dyndns.org/kansi/kutugen/kyoseiminanigori.txt

漁歌子は
http://www5a.biglobe.ne.jp/~shici/shi2/juemiao02.htm
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さらに追加、 今度は詩経だぞ (赤い風車)
2007-09-23 11:54:18
↑に関してさらに質問がきました。
「ところで、質問なのですが詩経の柏舟と言うのは、女性の心情を歌ったものなんでしょうか?

泛彼柏舟 亦汎其流 泛たる彼の柏舟、亦た其れ汎として流る 耿耿不寐 如有隠憂 耿耿として寐ねず、憂い有るを隠す如し
微我無酒 以敖以游 我酒無きに微ず、以って敖び以って游ぶ
我心匪鑑 不可以茹 我が心鑑に匪ず、以って茹らう可からず
亦有兄弟 不可以拠 亦た兄弟有るも、以って拠る可からず
薄言往愬 逢彼之怒 薄言に往きて愬ぐるは、彼の怒りに逢う
我心匪石 不可転也 我が心石に匪ず、転がす可からず也(や)
我心匪席 不可巻也 我が心は席に匪ず、巻く可からず也
威儀棣棣 不可選也 威儀棣棣として、選ぶ可からず也
憂心悄悄 慍于群小 憂心悄悄とし、群の小さきを慍(うら)む
覯閔既多 受侮不少 覯閔既に多く、侮を受ける少なからず
静言思之 寤辟有覯 静かに言に之を思い、寤辟して摽有り
日居月諸 胡迭而微 日よ月よ、胡ぞ迭にして微なる
心之憂矣 如匪浣衣 心の憂うは、浣(あら)わざる衣の如し
静言思之 不能奮飛 静に言に之を思い、奮飛するを能わず

世に入れられない人の歌なのかと思っていたのですが、夫の不実に苦しむ?と言う解釈を読んだものですから……?」

「赤い風車
柏舟
詩経の国風ですよね。

ゆらゆらと揺れている柏の舟 
鬱々として眠れない私の心のよう
。。。
  (細かい訳の違いはこの際目をつぶってくださいね。
   要するに大意はそんなとこ、、)

これで始まる詩。

詩経には孔子が編纂したという噂があり、だからもっと格調の高いものを期待されている節がありますけど、特に国風は民謡などを集めた部分で、こんな恋人(夫)のつれなさを嘆くといううものも結構ありますよ。後世に中国でも、国風は格調が低すぎるって非難があったくらいですから。
でも、これがあるから人間だと思うのですけど。

でも、無知蒙昧な狼は、今度の満月のために昔を思い出しながら必死に、煙突登りのやり方を思い出そうとしているのですよ。こんな魑魅魍魎の高邁なことをお聞きにならないでください。認知症狼としては困ってしまいます」
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柏舟 (赤い風車)
2007-09-24 10:55:59
なんども自己レスでみっともないですけど、Mixiのほうがいろいろと面白い展開なのでこちらにも転載しておきます。

>>
「ついでに、柏の舟には、何かいわれがあるのでしょうか?どうして、柏の舟なのかが解りません。
ご存知でしたら、ご教授下さい!」
>>

>>
「またまた、専門外のことで私を困らせる。私は認知症狼だからって申し上げたでしょう。

お酒を飲むっていっても、勇気を鼓舞する雄雄しいお酒もありますけど、だれかさんが真夜中に飲むお酒もあり、私のように挫折と失恋(毎日何件かの失恋がありますので)をつかの間でも忘れるためのお酒もありますって。

この時代の柏や柏舟に対する中国の人の感覚は判りません。きちんとした説明は専門家にお尋ねください。

ただ、まったくの素人考えですけど、中国で言う柏は日本の桧の種類。ですから桧風呂と同じで、船には最適の材料ですよね。材料も吟味した、(その辺の庶民の船とは違う)お金持ちの乗る船というイメージがあったとしてもおかしくはないかも。

また、この詩には関係ないかもしれませんけど、中国の詩の世界では松や、杉、柏は気の強い(生命力の溢れた)木としてのニュアンスをもっていることが多いです。

ちなみにこの仲間のアララギは仁徳天皇によって「正一位」の位を与えられたといいます。イチイですね。
この仲間の紅豆杉は聖徳太子のシャクにも使われましたし、始皇帝が探し出した不老不死になる仙宝の一つが紅豆杉だともいわれているそうです。

自慢話を二つ。
岬の風呂は桧ですけど、20年も経つのに、水漏れ一つありませんよ。ちょっと削ると桧の香りがします。
それに多分角館で買って師匠に上げたイチイの棗。買ったときは変哲もないしらっちゃけた棗でしたけど、使い始めたらあっというまに大変身。今やあめ色の艶のあるすばらしい棗になってきて、「しまった自分で持っておけばよかった」って悔やんでいます。
>>
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