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財政出動こそ最優先の政策:衆議院議員選挙の論点⑤

2012-12-19 00:03:35 | 日本

(前回からの続き)

(さらに財政政策の続きです)
 そして新たな国債を低金利で発行できると考える理由の3点目は、日本人のマネーの運用先としての外貨はリスクが大き過ぎること

 これまでもいろいろ書いてきたように、ユーロやドルなどの外貨は借金バブル後の大規模な金融緩和などにより実質マイナス金利状態に陥っています。要するにインフレを起こして国家等の債務返済負担を軽減しようという算段なのでしょう。欧米諸国の債務の巨額さを見れば、このマイナス幅はプラスに転じるどころか、むしろ今後はさらに大きくなっていく可能性のほうが高いでしょう。このように実質的な利回りが「円>ドル>ユーロ」となっている以上、わたしたちのマネーのほとんどは外国に流出することなく、これからも国内の預貯金=日本国債で運用されることになるはずです。

 ちなみに外国のヘッジファンドのなかには日本政府の国債発行などのタイミングで円・日本国債売りを仕掛けてくるところもあるかもしれませんが、上述のようにドル・ユーロの基盤は円よりもはるかに脆弱なこと、日本国債の外国人保有率が8%程度(約78兆円[2011年末])と低いこと、日本政府の外貨準備(=通貨防衛資金と捉えることができる)が1兆ドルを超えることなどから、日本国債の安定度が揺らぐことはないでしょう。

 というわけで新規の国債発行が金利上昇を招くことなく無難に行われると予測する理由を3点ほどあげてみました。ついでに言うと、そもそも日本国債はすべて自国通貨建て。外貨建ての国債ならば外貨準備が枯渇した時点でデフォルトとなりますが、自国通貨建ての国債はいざとなれば中央銀行に引き受けさせればよいわけで、債務不履行になりようがありません。あたりまえの話ですが・・・。

 もっとも中銀による国債の直接引き受けが無限に続けば通貨価値の下落(インフレ)および金利の上昇を引き起こすことになりますが、上記のような理由から、そんな極端なことをしなくても現時点で日本政府はデフレギャップを埋め合わせるだけの財政資金を調達することができるはずです。

 結局、ここで言いたいことは「日本政府は(外国人に一切頼ることなく)日本国民から低利で資金を借り受けて財政出動する余地が十分にある」ということ。流動性の罠に陥っているときには金融政策の効果は乏しいが、クラウディング・アウト(国債の大量発行で金利が上昇してしまい、民間企業が借金をすることができなくなること)が発生していなければ財政政策の有効性は高まる」とマクロ経済学の教科書にあるとおりのことをわが国(日本政府)は素直に実行すればいいだけだ、と思っています。

 なお歳入面の強化については、デフレを助長する消費増税はしばらくペンディングとして、上記の財政政策でデフレ脱却・景気浮揚を図ることで法人税収などの拡大を図るとともに、以前も書いたとおり、安定税収の確保や格差是正の観点に立って、この「10年間」のあいだに所得税相続税および贈与税の増税等を進めることが適当だと考えています。

(続く)

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