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財政出動こそ最優先の政策:衆議院議員選挙の論点③

2012-12-15 00:00:03 | 日本

(前回からの続き)

(2)財政政策

 財政出動」―――これこそ、いまの日本経済にもっとも求められる政策と考えています。

 本稿の「金融政策」のところでも書いたように、長いデフレが続く中で、国内では企業の設備投資も個人消費も停滞したままで、需要はいっこうに盛り上がりません。

 多くの人々が望みを託す外需も、この先もあまり当てにできないでしょう。世界経済の需要・消費センターである欧米諸国が借金バブル崩壊後の深刻なデフレやリセッションに陥っているからです。とくに欧州はひどく、各国の今年の経済成長率は軒並み低成長かマイナスを記録しそうです。しかもこれらは今後さらに悪化しそうだし、相当に長引きそうです。つまり円高悪者論者がよく言うような「もっと円安にしたら彼らは日本製品・商品を買うようになる!」なーんて生易しい状態ではないということです。実際、円高/元安・ウォン安で日本よりも価格競争上有利なはずの中国や韓国などの国々まで輸出の低迷に苦しんでいるのを見れば分るとおり、決して「超円高だから外需を取れない」のではありません。

 といったように、民間内需は力不足、外需も不透明、そして金融政策も効果無し、となれば、やはりここは「親方日の丸」の出番、つまり日本政府が財政支出を拡大して需要創出を行うしかないでしょう。具体的には、東日本大震災の復興事業を最優先に進めつつ、全国各地の老朽化した既存の橋梁や道路、トンネルなどの社会資本の取替えや改修、そして政府がまとめた「南海トラフの巨大地震モデル検討会」で発生予想が示された巨大地震・巨大津波に対応するための施設の建設等を推進します。先日の中央道・笹子トンネル天井板崩落事故を苦い教訓としつつ、いっそう安心・安全な国民生活の基盤作りを財政政策の主目標に据えます。

 それらの規模の目安ですが、「デフレギャップ」(少なくとも10兆円/年程度以上)を上回るくらいが適当でしょう。公共投資で社会インフラの整備事業を進めるとともに、それらにともなう雇用の増加や勤労者の給与収入の上昇をもたらして緩やかなインフレを促し、デフレギャップの解消を図ります。このあたりは短期間で「収入増無き悪いインフレ」をもたらしかねない過激な金融政策(インフレ目標が1%を超えるような実質マイナス金利をもたらす金融緩和策)とは異なり、多少の時間はかかっても財政政策で「収入増のともなう良いインフレ」を促すほうが国民生活に与える物価上昇の悪影響を排除できるでしょう。

 そして上記の財政政策の実施期間ですが、10年程度の長さが必要と思います。それくらい長期にわたって日本政府が一定規模以上の公共投資を実施することを約束すれば、これらに関連する企業は安心して新規の設備投資や技術開発を行えると考えられるからです。この間、欧米諸国は「失われた10年」、つまり各種バブル崩壊後の長い経済停滞期に入っていくため、わが国にとっては外需に活路を見出すことができない期間が長く続くでしょう。そんな「10年間」を、わが国は政府主導の公共事業を中心とした内需振興を通じて、自力で経済成長を達成しようということです(一方、輸出振興のみに注力し、中間層の所得向上等を怠ってきた中国や韓国は、輸出が落ち込む中で自国の内需に頼れないために厳しい局面を迎えそうです)。

(続く)

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