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sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:美貌の都

2011-11-26 | 映画
いつも行く宝塚の小さい映画館シネピピアでやってた
宝塚映画祭で、古い映画を見ました。

「美貌の都」なんか、すごいタイトルです。(笑)
タイトル通りのメロドラマですが
ひゃぁ、予想外のクオリティの高さにびっくり。
1950年代、昭和30年代の映画ですが
なんというか、すごくよくて
最初の方から興奮して、映画の好きな友人たちを思い浮かべては
これ、いいよ、見ようよ、と頭の中で話しかけてしまうほどでした。

主演の司葉子は華やかな顔立ちの美人だけど
すごく貧しい家の娘で工場で働いてます。
父親は戦死、母親は内職をしながら
子どもを必死で育てている、という家庭の多かった時代。

工場に向かう場面で阪急電車が出てきます。
宝塚線庄内の駅やホームですが
わたしがわずかに覚えている40年代の阪急電車の雰囲気を
すごく思い出しました。
他にも岡本、三ノ宮、芦屋、など阪急沿線の街が出てきて
多くはセットですが、すごく楽しめます。
「オールウェイズ3丁目の夕焼け」のような標準化された景色ではなく
この時代のこのあたりをまさに再現しているのでしょう、
これがリアリティというものなのだな、と思いました。

司葉子には同じ工場に勤める恋人がいて
これが宝田明ですが、なんともしゅっとした男前。
この美男美女のカップルは勿論貧乏だけど
お互いにプレゼントしあった安物の手袋が
同じ時期に穴があいているのを、
一緒だね、と喜んでにっこりしあうような
かわいいカップルなのです。

このシーンで、くぅううとなりましたね。
いい大人ながら、なんか暖かくていいシーンだなぁと。
今日三ノ宮に映画行こか、と約束をしあったり
若いカップルの幸せがあふれています。

でもヒロインはどこかに上昇志向があったのか
あるお金持ちに見初められて、どんどん変わって行くのです。

ストーリー的にはこの手のドラマの王道で
目新しいところはないし、
傷つきはするけど、なんだかやり直してきっと幸せになれそうな
ハッピーエンドっぽいラストは、ちょっと甘いけど
それは時代がそういう時代だから仕方ない。
みんなが貧しくて、必死で働いて
昨日より今日、今日より明日、と豊かになっていく時代。

それにしても、結構隅々の細かいところまで
気を配って作られた映画と思います。
よくできてる、全然退屈しなかった。
クオリティの高さにびっくりしてたら
同じような感想をもたれた方もいて、
この時代、ここで撮られた映画は、
こういうクオリティを持っていると聞きまた驚き。

映画って、予約もいらず
思い立ったらふらりとどんな格好でも見に行けて
気楽なお出かけ娯楽ナンバー1と思うんだけど
ホントに面白いなぁ。

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