最近えげつない映画見てなかったからなぁ。疲れるかなぁ、と思いながら
わくわくして見に行きました。
痛いの苦手、汚いの苦手、なのに、エグい映画はちょっと見てみたくなるのです。
過剰なエグさ、悪趣味さが必要なだけの深い映画というのを
やっぱり無視はできないなぁと思うので、頑張って見るようにしています。
うーん、
忙しい映画だった~。
時系列も忙しくてストーリー展開も忙しいし、画面も賑やかで忙しい。
動体視力が弱く、頭もノロいので、よくわからない部分も残ったままでした。
でも忙しくてやり過ぎくらいに派手なので、かえって重さがない。
落ちついて考えると、意外とポップな作りになってます。
ポップで重さがないから、さほどぐったり疲れませんでした。
でもまあ、十分エグいです。バイオレンス注意です。
目を覆わないと見られないシーンも2.3ヶ所あった。人によるだろうけど。
初めてのデートにはおすすめしませんね。(^_^;)
ストーリーは、
離婚した妻の元にいた高校生の娘が失踪し、元刑事の男が捜査するうちに
娘の中の天使と悪魔、無垢と汚れがどんどん浮き上がり、
警察も暴力団もからんだ大きな事件に巻き込まれて行く。
・・・というと、普通の刑事物みたいですが、
派手な暴力描写、スピード感のあるカット割り、
元刑事の荒みっぷり、壊れっぷり、ろくでなしっぷり、
高校生娘の無垢な悪魔っぷり、
変態のおっさんたちの気持ち悪さ。
タブーを超えてはいないかなぁと思うけど
結構ぎりぎりな感じは出てて、映画評は賛否両論と思うけど
わたしは、まあ楽しみました。
映画始まってしばらくしてから流れるオープニングタイトルは、
そこから画面転換が速くて忙しいんだけど、
昭和の、よくできた探偵ドラマの匂いがあってかなり好きです。
ここでは相当わくわくしましたね。
そしてキャスティングばっちりです。主演の女の子、すごくはまり役。
あはははと繰り返すからっぽな大笑いが、すごく自然。
元刑事の役所広司は暑苦しくて鬱陶しくて暴力的で狂ってて、すごくいいです。
韓国版→「オールドボーイ」主演のチェ・ミンシクにかぶる部分があるけど、
もっと独りよがりで自分勝手なキャラで、全く感情移入できないのがいい。
元妻を暴力で強引に思い通りにしておいて、
「家族を愛して何がおかしい」とかふざけたことを言うような役です。
これだけ感情移入できない主人公にしてあることで
よりバイオレンスを派手にはできるんだけど
結局その分映画自体は軽くなりましたね。
あと、妻夫木聡のいつもニヤニヤして不敵な刑事は少しリアリティに欠ける。
これも妻夫木君のせいじゃないですけど。
クレイジーな話でしたが、タブーということに関して
わたし的に一番ぎりぎりだったのは、子どもを殺さなかったところです。
ええ?まさか!とものすごくドキドキして見てた。
そのシーンで子どもを殺しちゃうと、
突き抜けすぎかな、どこまで行くのだ?というシーンでした。
だから案外ぎりぎりのタブーは破ってない映画だったかも。
いたずらにタブー破るのってあざとすぎたりするし、
破ればいいってもんじゃないけど
そこで本気度が少しわかることもあります。
→「地獄でなぜ悪い」みたいに、ギャグの域までは行ってないにしろ、くどいくらいに派手にエグい映画なのに、
そういうところが重さがあまりない所以かと。
ラストの雪原のシーンは、ものすごく、
また、韓国版「オールドボーイ」のラストを思い出させます。
でも、父と娘というのも被ってるけど、映画は全然違う感じです。
何度も言うけど重さが違う。
「オールドボーイ」でひしと感じる絶望というものがないんですね「渇き」には。
だから、どっちがいいということとは別に、軽い映画だなぁと思った。
でも映画見慣れてない人がひょいと行くとシンドイと思うけどね。
ちなみに何度も言及した韓国映画「オールドボーイ」は
スパイクリーがリメイクしたけのを今上映してるけど
(まだ見てないけど、絶対あの重暗さは薄まってると思う)、
日本のこの「渇き」を韓国の監督のリメイクで見てみたい。
このストーリーで一層エグく重苦しくなったら、許容範囲を超えます。
でも、超えたものを見たいのよねぇ。
sighさんの評で、観たい方向に傾きながらもまたまた迷っています。
かなりどぎついので、そういうのに慣れてないひとにはおすすめできませんし、評判もイマイチのようです。
でも、よくチャレンジしたと思うし、わたしは嫌いじゃないですけどね。