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sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:セラフィーヌの庭

2011-03-16 | 映画
絵描きの映画を見てきました。
画家や作家音楽家の映画は興味深くて好きです。
中でも画家の映画は、映像とともに作品も確認できるので
好きな画家だと本当に面白いです。
古くはモディリアニの「モンマルトルの灯」(ホンマに古っ!)から
ゴッホやレンブラント、クリムト、フリーダ・カーロ、バスキア・・・。

でも今回見たのはそんな有名な画家ではなく
掃除婦をしながら独学で絵を描いた
20世紀初頭に実在した女性、セラフィーヌの映画です。

守護天使に描くように言われた無垢な彼女の絵は
ルソーを見いだし、ピカソやブラックと交遊のある
高名な評論家の目に止まり
彼女が自由に絵を描けるように援助されるのだけど・・・。

半映像の美しさに
セラフィーヌの貧しい生活も暗くは見えないほどで
実際、身を粉にして働きながら
誰にも認められず、嘲られながら絵を描いていたセラフィーヌも
実はそう不幸でもなかったんじゃないかな。
信仰があり、木や動物と話をし
風をたっぷり感じて味わうことのできる人だから。
泥や草や動物の血から独自の絵の具を作り
誰にも教わらず魂のままに描くセラフィーヌの絵は
ユニークではあるけど、ゴッホやルソーの絵には
及ばないように見える。
でも彼女を援助した評論家は、その絵だけじゃなく彼女自身の魂にも
何かを見いだしていたのかもしれないですね。
だけど、かたくなになった彼女の心はそれを受けつけなくなり
ついには壊れてしまう。
女流ゴッホと呼ばれることがあるらしく、
彼女の人生も、ゴッホのそれに似通っています。
彼女の心が壊れたのは
評論家のせいでもなく時代のせいでもなく
仕方のないことだったのでしょう。
無垢って危ないことです。
危ないし、切ない。

粗筋はしっていたし
セラフィーヌの絵に、特に惹かれなかったので
期待しないでみたのだけど
すごくいい映画でした。
続けて上映してた
イサム・ノグチの母の映画「レオニー」と
どっちを見ようか迷ったんだけど
こっちを見て良かったと思った。

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