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sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:アンダーグラウンド

2013-04-22 | 映画


ここでは、よく映画をほめてる気がしますが
1本ほめてる陰には3本くらいこきおろしていて(笑)
本当は、何かといちゃもんをつけてしまうイヤな性格です。
でも今日は、最大級の絶賛をしちゃう。

「アンダーグラウンド」は友達が少し前に見て
すごいおすすめだと言うので
たまたま梅田に来たのを見つけて見てきました。
友達の感想を読んで、すごく見たくなったんだけど
いや、もうぶっとんだー!
こんなにイカレタ映画で、こんなに深く大きな世界を描けるものなのか。
美醜も善悪も、何もかも混沌とした猥雑な映画。
あらゆる過剰なエネルギーに満ちあふれている。
すごい。興奮しました。

好きと言うことなら、同じ週に見た「冒険者たち」はものすごく好きだけど、
ぶっとびまくりで、これは見るべきやろ!と思ったのは
「アンダーグラウンド」の方と思う。
これをシャガールの深く暗い絵とすると、
面白いやん~と思ったカラックスの新作
「ホーリーモーターズ」が、今時のイラストに見えてしまう程。

伝説の映画、20世紀の映画史に残ると言われてるけど完全同意。
今まで見てきた中で、見るべき映画を3本あげろと言われたら
ソ連版「戦争と平和」
ベルトルッチの「1900年」
そしてこの「アンダーグラウンド」かなと思います。

ソ連版「戦争と平和」は7時間もある映画で、これはもう原作の力がすごいので、
それを壊してない、いかしてるというだけで素晴らしいんだけど、
ナポレオンのロシア遠征の頃の話で、壮大な物語です。
(アメリカ版は、あらすじ追ってるだけと思った。ヘプバーンとか出てても)
ここには壮大な世界がひとつ、まるっと入ってる。
ベルトルッチの「1900年」これも確か5時間くらいある長い映画。
「1900年」はイタリアのファシズムの時代を描いた大作で、
そして「アンダーグラウンド」はユーゴが舞台。(これは3時間くらい)
この3本を見とけばヨーロッパの近代の大きな世界を3つ頭の中に持てるし
小さな人間というものも、いやになるほど見ることができる。
ここで世界と言うのは世の中の流れのことで、名詞と言うより動詞、みたいな。


さてさて、その「アンダーグラウンド」ですが
ベオグラードを舞台に、ナチの侵攻、第二次世界大戦からユーゴ内戦まで、
ユーゴスラビアの激動の歴史を、ユーゴ内戦のさなかに描かれたものです。

ストーリーは荒唐無稽。登場人物はかなりイカレた人たち。
ぶがちゃかぶがちゃか騒々しいロマ音楽の洪水の中
どんどん話がめちゃくちゃになっていくので
ラストはどうなるのだろう、どこかに破綻があるのではと思ったけど
このまとめ方の上手さにも下を巻きました。
カタルシス!

あらすじをものすごくおおざっぱに書きます。
ナチの攻撃、侵攻に対抗する共産党員の親友同士の2人の男と、
彼らの愛する女優が主人公。
いろいろあって、一族、友達、動物たちで地下に隠れるんだけど
男の一人と女優は、戦争が終わったことを隠して
地下の人々に武器を作らせ続け私腹を肥やす、なんと20年も。
でも、良心の呵責や何やかで、地下は崩れることになり
だまされ続けた方の男は成人した息子と地上に出る。
もちろん戦争が終わってることは知らないままなので
あれこれと事件が起こるが
大戦ではなく紛争状態の中で、
また皮肉な形で親友と女優にめぐり会うことになる。。。

ああ、こんなあらすじでは全然伝わらないし
上に貼った予告編でも、全く伝わらないほどすごい映画なんです。
DVD化してないみたいだし、上映もされることはもう少ないだろうし
見る機会のない映画かもしれないけど、ぜひ見てほしいなぁ。

追記:あ、DVDツタヤの発掘良品シリーズでレンタルしてるみたいです。
GWにぜひ!

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (ダシマキ)
2013-04-22 13:38:54
DVD売ってました。ブルーレイも!
見てみます~~。紹介ありがとう!
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>ダシマキさん (sigh)
2013-04-22 19:52:29
結構下品な部分も多い映画なので
お子さんと見る前に、お一人で見てみて下さい(笑)
だしまきさんとこはそんな心配はないかな。わたしは息子とは一緒には見にくいかも・・・w
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