「ビル・カニンガム」を見た日に,もう1本見たのがこれ。
どちらもカメラマンのドキュメンタリーで
どちらも、こういう映画を想像して見に行ったのでした。
ビル・カニンガムにはふっとばされてノックダウンされたけど
アントン・コービンは、まあ思ってたような映画。
広告の仕事をしているカメラマンなので
こちらがより「アニー・リーボヴィッツ」に近いかな。
彼女もハイファッション行く前は
ローリングストーン誌でロック写真撮ってたしね。
また、フィクションだけど、カメラマンが主役のヴェンダース映画
→「パレルモシューティング」の主人公にタイプが似てるな。
人と会う仕事をしていて、派手な世界にいるけど、実は自分の殻にこもるタイプ。
内省的なところがあって心の中に虚無感みたいなものを持っている。
アントンは、幸せじゃないような気分の方が落ちつく、というようなことを
最初の方で言ってたけど、そういうメランコリックなところがある人の
写真だなぁとは思う。
ロックスターなどを主に撮る超売れっ子のカメラマンで
彼の写真は彼のスタイルが確立されててすごくかっこいい写真で
撮られるスターたちも大満足なんだけど
かっこよく撮れてても,隙のない写真には見えないのは
そういうメランコリックなところのある人だからだなぁ。
彼の家族の話も出て来る。
父親は牧師で,母親はあまり愛情を表現しない人で
家庭はあたたかい感じじゃなかった。
こういう満たされなかった子ども時代を持つような男は
モテそうだなぁと思いました(笑)。
そういえば、知らなかったけどアントン・コービンの撮った映画を
見たことがあるのを、思い出した。
ああ、あれ撮った人だったのかぁ。
もう一度見てみようかな。
ビル・カニンガムとは全然違うタイプだけど
アントンもデジカメに文句を言う場面があるし
大体いつも、ハッセルブラッドで撮ってるけど
デジタルパックをつけて撮ってる?のかな。
仕事的には,フィルムで撮っても結局スキャンしてデジタル化するんだし
手間が増えるだけなんだけど
彼らくらいになると、好きな方を選べるんだろう。
広告最前線にいる人が、フィルムを使ってると
ちょっとうれしいですね。
そういえば、フォトグラファーの桐島ローランドが数日前にTwitterで
義兄も最近やっとCMの仕事だけはデジタルを使うようになってきた、と呟いてた。
デジタルで撮ったものでもフィルムらしくする技術が
この数年でうんと進歩して、かわらない仕上がりができるって。
2、3年前なら却下してたんだけど
優秀なカラリストがいれば、今はもう負けないかも、っていうようなこと。
それはそれでいいことだけどね。
ローランドの義兄というのは、写真家の上田義彦さんです。
(大好きな写真集→「 at home 」を撮った人)
彼は広告でも超売れっ子ですが、作品撮りは全部フィルムだし、
この前西梅田のキヤノンギャラリーで見た海の写真の展示が
なんと初めてのデジタルカメラ写真の展示だったという銀塩派なのですが、
(雑誌で見たけど、とても使いやすそうな素敵な暗室持ってる~)
その彼もデジタルを導入しはじめたのですから
デジタルも本当にどんどん進歩してるんだなぁ。
でも技術が進歩しても
やっぱりフィルムで撮る人がいい写真を見せてくれると
うれしいけどなぁ。
(と、フィルム歴1年くらいのわたしが言うことじゃないですが)
そうそう、この映画は
ロック好きな人には音楽も楽しめる映画だと思います。
あと、
こういう、アングロサクソンの、がっしりして足の長い体系ってずるいと思う。
普通にしてても、なんかかっこいいもんなぁ(笑)
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