ファッションにはあまり興味のある方じゃないと言いながら
ファッション映画は大好き。
フィクションでもドキュメンタリーでも、目が喜ぶし、気持ちが華やぐ。
そしてこれは今のファッション世界(あえて業界とは言わない)の最高峰を描き、
見ていて、もっと長い映画にしてもいいのに、もっと見ていたいと思わされました。
メトロポリタン美術館服飾部門の展覧会、
「鏡の中の中国(China:Through The looking Glass)」のオープニングの
服飾部門資金集めパーティ、メットガラの舞台裏と当日の華やかな様子を、
メトロポリタン美術館のキュレーター、アンドリュー・ボルトンと、
ヴォーグ編集長で、ファッション界の伝説の女王アナ・ウィンターを中心に描く。
2011年に大成功だった展覧会「アレキサンダー・マックイーン/野生の美」を
成功させたアンドリューは、その後何をしてもその時の成功と比べられてつらいし
今回は絶対それ以上のものにしてみせる、と強い決意で挑みます。
大規模な展示の準備に駆け回る日々。
ウォン・カーウァイ監督の「花様年華」のイメージも使われているようで
彼も出てきて、あれこれアドバイスしたり、相談したりします。
他に、バズ・ラーマン監督やガリアーノらも出てきます。
同じ美術館内部での他部署、また中国当局や外部との調整の他
展示のコンセプト、アイデアや大きなセットでイメージを実現するまでの
苦労や苦悩が描かれますが、無事に展示は完成しパーティも開かれます。
そして、このパーティに関しても、招待客の人選や席順、
パフォーマンス出演者への依頼などの様子が描かれ興味深いです。
パーティのレッドカーペットの上の、きらめくセラブたちを見るのも
面白いんだけど、前半の、一般には無名かもしれないけど
歴史的に美しくきらめく服を見ている方が楽しかった。
アメリカの流行を知らなければ、いつもの倍のギャラで踊ったというリアーナも
ただの小娘でしかないなぁと思うと、
セレブたちの世界なんて、どんなに華やかに見えても狭いもんだなぁと思う。
虚飾という言葉が思い浮かびます。
キュレーターのアンドリューが、サンローラン財団で服を見せてもらっている時、
あれありますか?と聞いて出してもらったドレスを見た時の、
きらきらと、恍惚とした瞳の輝きは信じられるものだと思います。
本当に服が、ファッションが好きなんだなぁ、と好感を持ちました。
高校生の頃に、すでにマトロポリたん美術館の服飾部門の
キュレーターになりたいとはっきり宣言してたのも、よくわかります。
まあ、インテリでイケメンで、イギリス英語をキュートに話し、
かといって慇懃すぎずもの柔らかなやさしさがあり、
一見常識的で真面目な服装をしているようで、
仕立てがよく体に合って、端々に趣味の良さがにじむ服を着ているという
このアンドリューは、すっごくキュートで、好みです。
日本にも服飾美術館ってあるし、今までに何度か見る機会があった気がするけど
だいたいしょぼくて楽しくない。
このメトロポリタン美術館の展示なら、喜んでお金を払って見に行きたいと思いました。
遠すぎて行けないけど。
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