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sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:世界

2014-11-30 | 映画
中国が舞台の映画だけど、冒頭の強烈なエキゾチシズム、不思議な無国籍感は
大陸ならではかなと思った。
ウランバートルに妹のいるロシア人ダンサー。
夫がフランスのベルヴィルに行ったまま10年も帰らない女、
モンゴルへ行く元恋人。
外国とのそういう距離感は、地続きゆえだろうな。日本にはない感覚。

中国・北京市郊外に実在するテーマパーク「世界公園」。
インドのタージ・マハール、 パリのエッフェル塔、エジプトのスフィンクス、
NYの摩天楼など、世界中の名所を縮小して忠実に再現している。
この映画は「一日あれば世界が回れます」というキャッチフレーズの
この作り物の世界の後ろにいる人々の話で、
そこでショーダンサーをしている子が一応ヒロイン。

ケータイで「もうすぐインドに着くわ~」と話すヒロイン。
エッフェル塔で出会って、ロンドン橋を渡って恋に落ち、エジプトでラクダ撫でて、
ピサで笑い、トウキョウでケンカして、インドで仲直り
という恋ができそうだなぁと思うけど、
映画自体はとにかく何もかもが誰もかもが物悲しかった。

冒頭、派手な衣装に身を包み、絆創膏ないー?と大声で
怒鳴りながらずんずん横柄な感じに歩くヒロインにも、
その恋人で、同じところで警備?の仕事をしている男にも
あまり好感は持てなかったのに、
映画がすすむにつれ、どんどんこの人たちのそれぞれの
悲しさやけなげさ、物悲しさが見えてきて、
派手な作り物の中の、小さくてささやかで何でもない「本当」のものが
愛おしく感じられるのでした。

今回の宝塚映画祭の上映映画の中で、個人的には一番好きだった。
宝塚映画祭の「世界」のページ

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