sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:シングルマン

2011-10-17 | 映画


英国の国民的俳優、とわたしの思う、
Mr.ダーシィことコリン・ファースの主演映画なのに
あまり評判になってなかった気がするけど
上映前から見たかった映画を、やっとDVDで見た。

コリン・ファースはジェーン・オースティン原作の
「プライドと偏見」BBC版ドラマでイギリス中の女性をとりこにして
わたしもいつまでも彼を見ると役名「Mr.ダーシィ!」とうっとりする俳優さん。
最近では「英国王のスピーチ」で注目されました。

さて、このシングルマンは、コリン・ファースが主演という以上に
監督がトム・フォードというところが、そそりまくり。
トム・フォードはファッション音痴のわたしでさえ知ってる有名デザイナー。
グッチの印象が強いですね。
それで
どんなかっこいい映像なんだろう、ファッションなんだろうと
ずっと見たくてうずうずしてたのでした。
そして、その期待は破られませんでした。
1960年代の設定なのですが
男も女も、この時代のアメリカのファッションにヘアメークで、
でもトム・フォードだから、微妙に全部、おしゃれでかっこいいのです。
はぁ~、素敵過ぎる。
大学の構内で普通に歩いてる学生たちのファッションとか
ファッション好きな人には、すごく興味深いのではないでしょうか。

もちろん主演のコリン・ファースのファッションも
トム・フォード作。
彼は大学教授の役なので、普通にスーツ着てるシーンがほとんどなんだけど
素晴らしく体に合っててきれいに着ています。
すらり長身でがっしりした体型のコリン・ファースは
スーツが自然にかっこいい。
よく言われるけどスーツって白人の体型のいい人のものねぇ・・・。
服も車もインテリアも、そして音楽も
すごくいいです。スタイリッシュ。1960年代。素敵。

ストーリーは
深く深く愛し合って16年一緒に暮らした恋人を事故で亡くし
生きる理由が見つからず、
自分の人生を終わりにするタイミングをさがしながら
死んだように生きている大学教授の役がコリン・ファース。
死んだように、とはいえ、そこはイギリス人(?)。
自暴自棄になったり、ひきこもりになったりするのではなく
毎日きちんと仕事をし、身なりを整え、身の回りのこともし
きっと最低限の社交もこなし
静かにストイックなほどきっちりと毎日を繰り返しているのです。
でもそれは淡々と、「生きる」ということをこなしているだけな感じ。

そんな日々のあと、ある日とうとう今日だ、と自殺を決意。
その日の話を中心に回想シーンや彼の心象風景?などが描かれています。
いつも通りに日課をこなしながら
昔のガールフレンドやハンサムな移民の青年や学生と
語り合ったりするのですが・・・。

コリン・ファースの死んだ恋人は男性で
彼らはゲイなのだけど
女性である元恋人、というのもいて
今は仲のいい友達になってる。
それがジュリアン・ムーアなのですが
彼女のなんだかくたびれて寂しい感じもよく出てたなぁ。

ストーリー自体は、さほど起伏のあるものではないけど
でも、何よりも愛していた大事な人を失った深い絶望、喪失感、無常観というのが
最初から最後まで静かにあふれるように感じられて哀しい。

ラストも物悲しいです。
でも、これでいいのかも、とも思う。

スタイリッシュなだけでなく、美しく哀しい映画でした。

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