sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

たのしい写真

2012-11-11 | 写真
結局、写真の読み方クラスに通ったり、写真史の本読んだり、
写真評論読んだり写真集たくさん見たりしても、
今わかってることは、何も知らない時に、言葉にはならなくても
何となくわかってたことと変わらない気がする。
ぐるーっと二周くらい回って、同じとこにいるまま、みたいな気が。

いや、色々言語化できたし、
たくさんの写真や写真集を見て、知識は増えたし、
無駄になったとは思わないんだけど、あれだな、
「わからないという感じ」に、
もっと自信を持ってよかったんだな、ってことですな。
写真の見方だけでなく、あらゆる問題の元凶は、ここかも、
わたしの場合。
自分は表現についてはもう完全に降りたつもりだし、
考えもしないつもりだけど、
気ままに遊び半分で写真撮るのでさえ、
自分が今どういう流れのどういう地点にいるのかが
わかってる方がいいと思っちゃう。
やっぱり小心者なのだな。

ホンマタカシの写真の本「たのしい写真」をノロノロ読んでるんだけど、
写真の読み方クラスで受けた講義が、
段々自分の中で収まってきた感じ。
アートとか表現の文脈で写真をやりたい人は、
やはりこういうとこを一通り知っとく方がいいと思うのは、
小心で頭でっかちだからです。

春に通った写真を読むシリーズのクラスでは
いまどきの写真もたくさん教えてもらったけど、結局そこまでだった。
こうやってホンマタカシなりの写真史把握を見て、
ワークショップ例を見て、
教わったことが段々有機的につながってきた。

写真を読むクラスとは別の、初心者向け実践クラスも、
技術はあまりやらず、表現ということにスポットを当てた連続講座だったけど、
表現の基礎って写真に限ったことじゃなく何にでも通じることで、
そういうことは美大と、今までの人生で
さんざんやってきたから新しさがなかったんだな。

でもホンマタカシのこの本のは違う。
表現の方法どころか、
意味も物語も表現全部をできるだけ捨てるところまで
ワークショップ例に含まれていて、
写真のポストモダンが実感としてよくわかってくる。
こういうことが、すっきり理解したかったんだった。
それで、自分がどっちが好きかどっちへ行くかということは別として。

そういう方向というか流れが見えてきたなら、
そっちを向く方が迷いがなくなる気はするけど、
でも自分の写真を見るとき、わたしはやっぱりそこに
意味や物語を残しておきたい。
年をとって動けなくなったときに、
たくさんの意味や物語が少しずつ残った膨大な写真を
スライドで見ていたいと思うんだなぁ、センチだけど。
結局、自分のためだけに撮っているのですね。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なるほど (一撮 )
2012-11-24 05:28:12
この文を読んでなるほど、と思うと同時にSighさん独特の深みまで潜られて、ボク等には見えにくい景色かなぁ~などと考えながら読むのが楽しいです。ところで今日こんなサイトを見つけました。昔ボクも毎日カメラに載っていた作品を見たことがあります。
http://www.1101.com/ueda_yoshihiko/2012-11-22.html Sighさんは こうゆう作品好きなのではないかと思いますが、時間があれば見て下さい。
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なるほど (一撮 )
2012-11-24 05:29:42
この文を読んでなるほど、と思うと同時にSighさん独特の深みまで潜られて、ボクなどには見えにくい景色かなぁ~などと考えながら読むのが楽しいです。ところで今日こんなサイトを見つけました。昔ボクも毎日カメラに載っていた作品を見たことがあります。
http://www.1101.com/ueda_yoshihiko/2012-11-22.html Sighさんは こうゆう作品好きなのではないかと思いますが、時間があれば見て下さい。
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>一撮 (sigh)
2012-11-24 22:54:08
そのサイト!見てます。
上田義彦さんは大好きな写真家で、彼のat home という写真集は何度も繰り返し見ている写真集です。
彼のパキッとした深いカラー写真も好きだし
家族を撮ったやさしい白黒写真も好きです。
東京まで写真展を見に行けないので、写真集がほしいかも、と思います。
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