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sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:ザ・トライブ

2016-01-08 | Weblog


借りたDVDに字幕なし、吹き替えなしと書いてあって、
なんでやねん?と一瞬思ったけど、ああ、セリフのない映画なんだった。
セリフがない手話だけの映画、というのに、わたしは別段驚きはないです。
セリフが極限までない映画は、時々あるし。
バイオレンスも、もっと酷い映画はあるし。
まあ、静かなバイオレンスというものに、一定の効果はありますが。

2015年見ないといけない衝撃の問題作!的宣伝だったけど、
同じような雰囲気だった「ニンフォマニアック」が個人的には肩透かしだったので
どうも期待できず、映画館では見てなくて、DVDでみました。
そして、かなり疲れた。
昨日感想書いたツァイ・ミンリャン「西瓜」見たときとかなり近い感じの疲れ方です。
全編手話で台詞なし!衝撃!とか言われてるわけですが、
「西瓜」同様セリフがないのはともかくとして、
台詞なしの話を観客に分からせるような演出もカット割もない不親切設計も同じ。
というかミンリャンの方がひどいよなぁ。
登場人物が話せないからセリフがないのではなくて
映画的不親切極まるって感じでセリフがないんだから。笑

全寮制?の聾唖学校に編入した新人男子。
この学校がひどくて、実は先生ぐるみで売春や強盗、暴力の巣窟なのですが
そこに、この新人は溶け込み、頭角を現していきます。
買収をしている女生徒を好きになり、彼女のイタリアへ逃げる計画の
邪魔をしたりしながら、殺伐とした結末へと向かいます。

「トライブ」は自然でなめらかに見られるような映画的手法を、
わざと全然使ってない感じです。
長回しで、全体の入るやや引き気味のカメラで、だらら~んととってるシーンが多く
登場人物ひとりひとりの表情や人間造形とか気にしてない感じ。
それが臨場感を与えてる部分も多いかな。
一方ツァイ・ミンリャンはもっと積極的に映画の文法を壊しに行ってる感じです。
もっと露骨な悪趣味や幼稚さや下品さを押し出している。
その点「トライブ」はずっと普通かなぁ。
というわけで「トライブ」にそんな驚きはなかった。すれててすみません。
しかしながら耳の聞こえない人たちのお話ということで、人の声がないため、
音、いわゆる雑音の使われ方は、やっぱり効果的だったかな。
意識もそこに行くしね。
ツァイ・ミンリャンみたいに、観客に忍耐を強いて面白がってる感じはないので、
腹は立たないけど(笑)、驚きもしてあげないですね。

でも、映画ではまあ珍しいかもしれないけど、
写真では、こういう不親切なわかりにくさや、
意図や操作をギリギリまで減らした
一見あるがままを見せるようなやりかたというのは、
すでにありふれているような気がします。
こういう雰囲気の殺伐とした作品も、写真では、もうありふれていそう。

うーん。驚きにくくなってる自分がいやだわ。
こういう作品に素直に驚きたいものですが。

あと、そういえば、ここではイタリアが希望の地的に描かれているのですが
ウクライナという国は、実際のところ今どういう感じなのかなぁと考えました。
ウクライナについて何も知らないなぁ。


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