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sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:娘よ

2017-05-27 | 映画


これは褒めてた友達もいて、予告編がよかったので期待してたけど、
わたしには全然ダメでした。実話をもとに、と書かれているけど
それで下駄を履かせたとしても、やっぱりちょっと残念。
お話は、まだ10歳くらいの娘を、実力者の年寄りに嫁がせることになって、
逃げ出す母娘の物語だけど、テーマはいいのにメッセージが響いてこない・・・

逃避行のロードムービーな訳ですけど、
この結婚の不自然さ、人権無視、女性差別の不条理については十分に描かれてないし
それに対しての疑問や憤りや悲しさ、自由への渇望というのもほとんど描かれない。
母親自身も15で嫁がされつらい思いがあったようだけど、
そこはセリフで語られるだけで、他の演出や伏線とかは全然なくて単調です。

物語進行も、逃げ出すまでの計画はあったようだけど、
その後は行き当たりばったりすぎる逃避行で
もっと早い時期に見つかって殺されててもおかしくないんですよ。でも
そこは安直なご都合主義で、いい人と出会い、助けてもらいながら逃げていく。

このテーマでメッセージを重視しないというのはどうも意味がわからないけど
それならそれで、せめてロードムービーとして、
あるいはロマンチックなものとしての何かがあるといいけど、それも全然ダメ。
ロマンチックさはあるのですが、どうもお手軽で薄っぺらなのです。

そして、カメラは、いい時とダメな時との差があって不安定で、
風景や人は大変きれいに撮れてるし光の扱いもきれいだけど、
それも、スチール的な広告や紀行番組のワンシーンっぽくて、
映画としてのデリケートさや深みが足りないところが多かった。
主演母娘役のふたりは、どちらもそれぞれとても美しいし、
ふたりのシーンはきれいで、色彩と優しさにあふれています。
特に、子役はものすごくうまい。

いいところもある映画なのですが、見終わって考えると
同じようなテーマでトルコが舞台の「裸足の季節」に比べたら、
子供の落書きみたいな稚拙なところの残る映画でした。
この舞台とこのテーマと、この母娘がいれば、
ずごいいい映画にできたはずなのになぁ。惜しい。

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