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sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:終着駅ートルストイ最後の旅

2011-06-04 | 映画
憎悪という感情は、20代の頃に自分の父親に対して使い果たした気がする。
それ以来、あんまりないなー。
夫が家にいた頃、ひどい苛々は味わったけど、憎悪とはちょっと違うかな。
でもわたしが一番しんどい感情と思うのは嫉妬です。
自分に言い訳ができない暗くて重くて苦しい感情。憎悪はまだましかな。
自分は嫉妬深い、妬みの多い人間だと思う。
10代から20代までいつもその感情に振り回されて本当に苦労した。
外には出さなかったけど。
今はほとんどそういうものを感じないけど、
それはそういう感情がなくなったのではなく、
気にしない気付かないようにするテクニックに長けてきただけと思う。

しかしながら、恋愛で本当に嫉妬で苦しんだのは
二十歳のときの相手だけです。
自分から本当に好きになったのが、その人だけだったせいかもしれない。
ぐるぐる走り回って、溶けてバターになったしまったトラのように、
嫉妬の感情が自分の中をぐるぐると駆け巡り
自分の中身がそっくりとけて気味悪くべとべとになる気がした。
相手には全くそんなそぶりは見せなかったし、
思い出すのも難しい遠い昔になったけど。
あれは本当にしんどかった。嫉妬で苦しむ人を、ああ無様だなぁと思うけど、
かわいそうだなぁと、一番思う。
また本当に好きな人ができたら、あんな風に苦しむのかなぁ。
あんまりそんな気はしないけど(笑)。

文豪トルストイの人生の終わりの方を描いた映画。
これはこれで愛の物語なのです。
こんなに愛し合っているのに夫を理解できないトルストイ夫人と
理解されないトルストイ。
夫も夫の才能や財産も独占したい夫人は
理想のために私財をなげうとうとするトルストイの邪魔をし続ける。
でも、そんな妻を憎むこともできず
2人の世界ではやはり愛し合っているのに
結局一緒にいられないと出て行くトルストイ。
切ない話だなぁ
与えることから遥かに遠いトルストイ夫人の愛は、
愛ではなく執着と嫉妬と支配独占欲にすぎないように見えるけど、
ああ、男と女はそう高潔なだけでは本当じゃない。
こじれにこじれても愛し合ってないとは決して言えないのだなぁ。

わたしなら、そんなに愛しているなら
何をなくしても、その人だけはなくさないように
すべてを受け入れると思う。
妻ソフィアも本当はそうだったのかも。
財産が惜しいのではなく
夫を愛するが故に、自分の理解できないことに邁進する彼を
許せなかったのかもしれない。

与えることだけが愛だと、ずっと思って来たけれど、
この年になってそれだけじゃないなぁと少し。
でも、わたしは男の人を好きになると、すべての要求を投げ出して、
与えることだけに集中しようとしてしまう癖を、中々やめられない。
そして必ず失敗する。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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隠れている思い (Unknown)
2011-06-05 21:27:47
嫉妬を持つって人間である以上男女とも当たり前のこと。むしろ嫉妬のない人間って皆無に等しい。社会の進歩の別な形かも知れない。どれだけ対象にかける思いでその深さも決まってくる。男女の愛情は生活の基本を形作るもの、それだけ情念・嫉妬が深まるもの。嫉妬深さは思いの深さ、それを悔いる必要はない。みんな隠したがるが、正直に心情を吐露できるって素晴らしいことだ。
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>コメントを下さった方 (sigh)
2011-06-06 12:00:06
そうですけど
嫉妬にふりまわされている最中は苦しいものです。
思いの深さに関係なく
嫉妬に支配されずに生きていきたいです。
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