sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:未来よこんにちは

2017-04-02 | 映画


映画の中のイザベル・ユペールの家がなんかいいです。
インテリ教師夫婦の家だから本だらけで広くもないんだけど、
仕事机にもお花をどけてクロスを敷いて食卓にもなる大きなテーブルも
こじんまりした奥のソファのコーナーも緑がいっぱいのバルコニーも
普通なのに素敵。

家といえばヒロイン夫婦にはもう一軒ブルターニュに別荘があって、
その近くの海にシャトーブリアンのお墓があって
ヒロインの夫がそこにいつまでも立ってるシーンが最初の方にあるんだけど
綺麗な場所。


よく見るポスターはこれで、悪くはないけど


こっちの方が好きだなぁ。

しかし、また例によって邦題のひどさ・・・がっくり

イザベル・ユペールは去年大好きだった映画「アスファルト」の中の役もだけど、
孤独となんとか折り合ってやってく普通の大人の女の役が、
リアルですごくいいなぁ。
小柄でかわいさも意地悪さも冷たさも弱さもあって、
でも強がってしゃんとしてる風情がなんともいえない。

高校の哲学教師のナタリー。
教えるのも楽しいし、同じく教師の夫とも長年連れ添ってるし
もう独立して家を出た子供たちともいい関係。
アルツハイマー気味の母親だけは、毎日何度も電話で助けを求めてきたり
自殺騒ぎで救急車を週に何度も呼んだりのお騒がせで
見栄っ張りで自己中心な母親にいろんな思いはあるけど、
忙しい合間になんとか世話をしている。
ところがある時、夫には好きな人ができた別れようと言われ、
仕事では自分の本が教科書の採択?から外され
かわいがっていた新進気鋭の元教え子からは
人生を変えるような価値観を持たないようにしていると批判され、
さらに母親がなくなり、気がつけばひとりぽつん・・・

と、特に大きなドラマがあるわけじゃないのですが
(離婚に関しても大事件としてではなく
 日々のいろいろの一つみたいに淡々と描かれてる)
この年齢の女性の日々のリアリティというものはあって
それがやはり50を過ぎてひとりのわたしには、しんしんと染み入ってくる。
ハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、
日常を少し長めに切り取ったみたいなさりげない映画ですが好きです。

大きな黒猫が出てきます。パンドラという名前。かわいい。
ヒロインがひとりでベッドで猫を撫でているシーンは
まるで自分のことのようで涙が出た。
やっぱり、猫飼おうかな。