春の海(宮城道雄 岩波文庫)
箏などの和楽器の演奏家で作曲も描けた宮城道雄の随筆集。
著者は、幼い頃に視力を失い、以来、箏や三味線などの修行を積み、当代一の演奏家となって、「春の海」などの作曲でも名を馳せた(そうである)。
視力に障害があることを嘆くような記述は一切なく、聴覚と触覚などの残された感覚を使って、音楽や生活、内田百閒や水谷八重子などとの華やかな交際をこなしていく。
筆致はどこまでも軽快で、戦中に疎開した経験を記したような箇所においても、どこかユーモラスな雰囲気を帯びている。
出色は「四季の趣」で、聴覚で季節の味わいを表現した内容は、何度読み返しても、ふんわりと気分を高揚させてくれる。
箏などの和楽器の演奏家で作曲も描けた宮城道雄の随筆集。
著者は、幼い頃に視力を失い、以来、箏や三味線などの修行を積み、当代一の演奏家となって、「春の海」などの作曲でも名を馳せた(そうである)。
視力に障害があることを嘆くような記述は一切なく、聴覚と触覚などの残された感覚を使って、音楽や生活、内田百閒や水谷八重子などとの華やかな交際をこなしていく。
筆致はどこまでも軽快で、戦中に疎開した経験を記したような箇所においても、どこかユーモラスな雰囲気を帯びている。
出色は「四季の趣」で、聴覚で季節の味わいを表現した内容は、何度読み返しても、ふんわりと気分を高揚させてくれる。