蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

2024年03月24日 | 本の感想
トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー(ガブリエル・ぜヴィン 早川書房)

サムソン・メイザーは韓国系でハーバード大に通う。幼いころの事故で足に障がいがある。
セイディ・グリーンはユダヤ系でMITの生徒。
二人は子どもの頃病院のデイルームでいっしょにマリオを遊んで知り合う。
セイディはゲームのゼミで、有名なゲームデザイナーのドーブに教わり、サムソン、サムソンのルームメイトのマークス(日系)とともに「イチゴ」(主人公は日本人で背番号が15のユニフォームを着ている)と名付けたゲーム制作を始める・・・という話。

最初から最後までゲーム作りの話なのだけれど、テーマはサムソンとセイディとマークスの30年に渡る友情。
セイディはゲーム作りの天才で、天才にありがちな気まぐれな性格でドーブと不倫している。サムソンとマークスはセイディに振り回されながらも、彼女の才能を育み、玄人好みの彼女の作品をプロモートしていく・・・という主筋に、サムソンの母アナ(俳優)、サムソンの祖父母のドンヒョンとボッチャ(NYでピザ屋を営む)、セイディの姉のアリスのエピソード、マークスの思いがけない死などのエピソードが絶妙に絡んで、(多少読みにくい感じもあるが)彼らとともに生きてきたような気分に浸ることができた。
マークスが亡くなる場面が特に感動的だった。

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