蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

PS3買いますか

2006年05月13日 | Weblog
PS3の価格が発表され、廉価版で6万円強、完全版だと8万円を超えるとのこと。ソフトを2、3本買ったらもう10万円。かなりふところに余裕のあるお父さんでないと、気軽にクリスマスプレゼントにできる値段ではなく、発売元自らが言う通り、ゲーム機、おもちゃ、とは別のモノになったということだろう。

CDやDVD、デジカメは、既存メディアとほとんど同じ値段になると爆発的に普及した。私のようなケチからみると、レコードやテープ、フィルムカメラといったすでに手元にある機器を買い換えるほど新しいメディアの機能がすぐれていたとは思えない。
CD、DVDはレコード、テープに比べて画音質は確かに良いけれど、私自身はさほど有意な差を感じない。これらの新メディアが明らかに優れているのはランダムアクセスの機能だと思うが、テープを巻き戻す時間が惜しいほど多忙な生活を送っている人はあまりいないと思う。
デジカメは撮ったらすぐに結果が確認できるところが確かに便利だけれど、世界中のフィルムメーカをあっという間に苦境に追い込むほどの便利さとも思えない。(フィルムを現像に出して出来上がった時に初めて結果を確認できるという仕組みというのもそれなりのトキメキみたいなものがあるし・・・)
機能に断層的といえるほどの差がなくても、豊かな先進国では、ほんのちょっとした便利さの差があれば、多くの人がそれを言い訳にして目新しい商品に飛びつくということなのだろうか。
人々が新商品に飛びつくようになるための重要な前提は、先にも述べたように「新旧の商品の価格差がなくなること」だ。ケチな私もDVD再生機が数千円で売られるようになってつい買ってしまった。
プラズマ・液晶テレビは実売価格が30万円台になったころから普及しだしたように思う。そうは言っても、「爆発的」といえるほどの売れ行きではない。ブラウン管テレビは数万円で買えるのだから、ある通販会社のTVCMにもあったが、薄型TVを買うということは普通の家庭にとおいてはまだまだ特別なイベントだ。多くの人は「まだ下がるはず」と考えていると思う。

ずいぶん前置きが長くなったけれど、PS3の価格は失敗じゃないかなあ、というのが言いたいことだ。(陳腐な結論ですいません)
なんとなく、マーケティングより技術やコンセプトが優先されてしまったんじゃないか、と思う。「PSも発売当初はファミコンより随分高かった」という反論もあったようだが、PSが本当に売れ出したのは値段を下げ、かつ、FFがPSのみで発売されることが決まった後だったと思う。それまではサターンといい勝負だったが、スクウエアがソニーを選んだ後は差が圧倒的になり、サターンは早々に滅亡した。(私自身がサターンのみを持っていたのでとても悔しかった。ちなみに私は今でもサターンでゲームをやっている。サターンの中古ソフトをいまだに売っている店が近所にあるからだ。1枚100円くらいで。(ケチ!))
PS2がよく売れたのは、そこそこの価格で当時はまだ高価だったDVD再生の機能があるという「ほんのちょっとの便利さ」があったからだろう。では、DVDとBDに便利さで差があるだろうか。あるのは画質の差で、BDにその能力を発揮させるには完全版を買うだけでは足りなくて、まだ高根の花のハイビジョンを買う必要があるみたいだし。

PS3を買いたいと思っている人はけっこういると思うが、この値段を見て思うのは次の2つだろう。
「FFが出るまで待とう」
「13が出るころには安くなっているはず」
コメント
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