夢分けの船(津原泰水 河出書房新社)
22歳の秋野修文(よしふみ)は、映画音楽の作曲家をめざして、新居浜から都内の音楽専門学校に入学する。学校から紹介されたアパートの部屋には、先住者だった久世花音の幽霊がでる、といわれる。修文は同じ学校の嘉山(あだ名は岡山)らのバンド:ストーレンハーツに誘われる・・・という話。
夏目漱石風の文体や用語で書かれている、とのこと。現代の若者の物語とフィットしているとは思えないが、趣があるような、ハイブラウであるような雰囲気は感じられた。
著者の主なジャンルとして、SF風のミステリと青春音楽モノがあると思うのだが、やはり「五色の舟」が有名すぎて、世評が高いのは前者だろうか。
後者の方の代表作は「ブラバン」になろうか。音楽モノというより、そこにさほど熱心にでもなく携わる醒めた感じの登場人物たちが(本作をふくめ)ユニークで面白いと思う。
22歳の秋野修文(よしふみ)は、映画音楽の作曲家をめざして、新居浜から都内の音楽専門学校に入学する。学校から紹介されたアパートの部屋には、先住者だった久世花音の幽霊がでる、といわれる。修文は同じ学校の嘉山(あだ名は岡山)らのバンド:ストーレンハーツに誘われる・・・という話。
夏目漱石風の文体や用語で書かれている、とのこと。現代の若者の物語とフィットしているとは思えないが、趣があるような、ハイブラウであるような雰囲気は感じられた。
著者の主なジャンルとして、SF風のミステリと青春音楽モノがあると思うのだが、やはり「五色の舟」が有名すぎて、世評が高いのは前者だろうか。
後者の方の代表作は「ブラバン」になろうか。音楽モノというより、そこにさほど熱心にでもなく携わる醒めた感じの登場人物たちが(本作をふくめ)ユニークで面白いと思う。