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2024年03月13日 | 日記・エッセイ・コラム

アメリカ大統領選は、再び老人対決だ。何故だろう?
オバマ大統領を除けば、アメリカ大統領は1946年以前の生まれであり、生い立ちから戦前の価値観、大戦の記憶をそのまま継承している世代だ。
唯一例外のオバマ大統領は、キャッチフレーズや人気とは裏腹に、中途半端な負の遺産ばかりを残した。

第二次世界大戦から80年近くなり、この中で人生を終えた人も多いが、政治や外交は古典的な論理のままなのではなかろうか。
戦後新世代のオバマ大統領の業績は言葉だけだった。平和や夢を語れるのは、安定平和があってこそで、砲弾の下で平和や夢に耳を貸す人はいない。結局、理想が平和を生んだことなどない。
第一次大戦後の戦間期にも、国際連盟など、様々な国際平和を願う動きが花開いたが、第二次大戦が始まると、音もなく霧散した。

戦後も、アメリカは常に戦争を続けてきた。戦争の現実を仕切れるのは、戦争の怖さを知る世代と言うことだろう。戦争を知らない世代こそが大戦争を生む。ヒトラーを支持したのは若者だった。
大戦後のアメリカの戦争は、大戦を知る世代が仕切ったガス抜き戦争だったのではないか。ベトナム戦争にしても拡大するつもりが無かったから、敗北で終わった。
産業革命パラダイムには恐慌と戦争が欠かせない。もしかすると、ガス抜き戦争で経済バランスを保ってきたのが1946年以前の世代なのではないか。

もしこのまま、産業革命パラダイムが続き、戦争の現実を知らない世代が世界を動かせば自動的に終焉戦争が起こる。既に、アメリカ以外の主要国は大戦を知らない世代が動かしている。戦争の記憶を留める世代は近日中にいなくなる。
世界大戦を知らない世代が生きていくためには、産業革命パラダイムそのものを終わらせなければならない。オバマ以後の志向する環境や平和は、第一次大戦の戦間期に花開いた運動と同じで、大戦争が無い平和の上で見る夢だ。
そうした夢は、結局の所、産業革命の宿命を断ち切らない限り実現しない。しかし、数世紀にわたり続けてきた成長思考から脱却できるほど、人類は賢くなっていない。

老人がいなくなる前に、産業革命パラダイムの成長思考を打ち破る、世界的なルネッサンスを起こさなければ人類は破滅する。アメリカの老人対決は、その最後の時間稼ぎだ。残された時間はわずかしかない。一瞬で情報が世界に届く時代であることに、わずかな望みを託したい。