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名古屋&多治見の旅2018【名古屋近代建築観察会その一】

2018-01-31 | 名古屋&多治見の旅2018

先週末、多治見のモザイクミュージアムのイベントで催された名古屋近代建築観察会という見学ツアーに参加してきた。

今月は台湾へ行ったところだし、自粛しようと思ってたのだけど、そのツアーの最後には今年取り壊される

デパート、丸栄の未公開ゾーンの見学もあるとのことで、2月に行こうと思ってたモザミューと愛知陶芸美術館の

特別展も兼ねて名古屋&多治見へ訪れることに・・

 

 

見学会は名古屋市役所から。

ぷにょさんと、関東からの建築講座のメンバーも一緒で約20人の団体でツアーはスタート。

名古屋市役所は昭和8年、平林金吾設計により建てられた帝冠様式の建物。

休日なので内部見学はできないけど、ホールや廊下には山茶窯の小森忍の美しいタイルが貼られているそうで

貴賓室の化粧室のタイルも特別公開時にいつか見てみたいなあ。

 

 

お隣は愛知県庁舎。

昭和13年に渡辺仁設計により同じく帝冠様式建てられたもので、

外壁は伊奈製陶の1枚が125×240×90と大きなタイルが貼られていて、上部の白い部分はモザイクタイルが

貼られてるのだそう。

 

 

更に隣の東海財務局も白いタイル貼りの建物で、青空に映えてきれいだ。

 

 

そして次にやって来たのは、昭和8年に建てられた旧愛知県庁大津橋分室。

こちらは前回見た日本陶磁器センターのように地下まで周りを掘り込み、曳家によって7m移動させられ

現在の位置にあるという。

 

  

  

建物はドイツ表現主義の意匠が見られる左右非対称の外観に。

丸窓やテラコッタのレリーフ、付柱などで装飾されている。

 

 

そして中庭のテラスには当初のモザイクタイルが残されている。

ここは普段見れないところらしい!ラッキー

当初はこのタイルが廊下も敷き詰められていたそう。

 

 

 

 

廊下や階段にはタイルがびっしりではなく、ポイント使いで入れられていて、

 

 

階段壁に階段状に貼られたタイルも軽快。

 

 

 階段室は縦長の窓が2列に並び、明るい。

 

 

階段手摺のカーブと丸窓

 

 

 

 

 

屋上に残るオリジナルのタイル

 

 

テラコッタの付柱を屋上から間近で見る。

 

 

1階は信用金庫の店舗として使われていたので、華麗な天井装飾や大理石の柱などがそのまま残されていて、

 

 

現在は戦争資料室として使用されてる。

 

 

そしてお隣の伊勢久。

今回はこちらの店内にも入らせて頂けることになったそう。

外観は何度か通って見てるのでうれしいなあ。 

 

 

昭和5年建築、お隣の旧愛知県庁大津橋分室とは違って左右対称のスパニッシュ様式で建てられ、

ファサードにはテラコッタのねじれた柱や美しい装飾が貼り付く。

薬問屋としては260年の歴史があるのだそうで現在は釉薬や上絵の具をはじめ、陶芸道具一式

を取り扱っておられるそう。

 

 

玄関上部のテラコッタの装飾

 

 

玄関の照明カバーもすごく繊細で素敵。

夜はあかりが灯され建物が浮かび上がってとてもいい感じなのだとか。

 

 

建物内へ入ると、手前の接客スペースの天井は洋風の格天井風になっていて

格調の高さを感じさせる。

 

 

ひとつひとつの枠が豪華過ぎる。

 

 

陶芸の道具や釉薬などなどの商品が所狭しと並んでいて、陶芸好きとしてはわくわくするなあ。

通っている陶芸教室では決まった釉薬しか使えないけど、出したい色を自分で調合できたら楽しいだろうなあ。

 

 

更に奥にある2階へ通じる階段までも見せて頂くと

 

 

そこの壁面にもタイルが残されていた。

建築当初からエレベーターやボイラー室など当時の最先端の設備を備えていたのだそう。

見学後はお店の前で、全員で記念撮影をさせて頂き、次の物件へ向かった。

 

 

 

昭和11年に建てられた中北薬品株式会社。

モダニズム建築の建物で、当初は黄色のタイルが貼られていたとか。

 

 

名城小学校の校舎の壁面にはシャチホコの陶板と「名城」の漢字と背景にもタイルがつかわれてる。

 

 

そしてテレビ塔。

昭和29年に内藤多仲設計により建てられた。

当時は東洋一の高層建で、東京タワーや通天閣もテレビ塔をモデルに建てられたものだそう。

V字が重なるデザインは竹の子をイメージしているとか。

 

 

アーチで支えられた建屋は合理性も兼ね備えたデザインで、

フェニックスモザイクの今井兼次がかかわっていたのだとか。

興味深いお話をいろいろ聞き、まだここには入ったことがなかったので、今度名古屋に来た時にはぜひ

入ってみたいなと思った。

 

 

そしてこちらも建て替え予定の中日ビル。

 

 

こちらの天井モザイク画も失われてしまうので、見納め。

 

 

天体をモチーフに抽象的に表されたもの

 

 

モザイクガラスはベニス製のものが使用され、その中に大理石小片と磁器タイルが混ぜられているという。

その数約200万個。

 

 

エスカレーターを上がって2階からは手の届くところに天井がある。

ブルーのグラデーションがほんとにきれいだなあ。

 

 

白い大き目のが大理石の切片かな。

 

 

こちらは天井モザイク画の下絵

白いのは天使が舞っている情景だそう。

これを縦約10m、横約20mに引き伸ばしたものが天井画に。

 

 

 

 

 

辺りが暗くなってから、外からガラスを通して。

 

 

こちらの名古屋三越栄店のビルには

 

 

かつて「オリエンタル中村百貨店」だった頃、外壁に岡本太郎の光るレリーフ壁画が飾られていたそう。

街歩きは建物にまつわるさまざまなエピソードを聞かせて頂きながら進み、

いよいよクライマックスの丸栄へ。

 

 

 


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