臆病なビーズ刺繍

 臆病なビーズ刺繍にありにしも
 糸目ほつれて今朝の薔薇薔薇

今週の「朝日歌壇」から(12月11日掲載分・其のⅣ)掲載遅延多謝!平身低頭!

2016年12月25日 | 今週の朝日歌壇から
[佐佐木幸綱選]
○ 白鷺が沼に戻ってくる夕べ静かな白い騒ぎとなれり (館林市)阿部芳夫

 「静かな白い騒ぎ」とは「白鷺」の鳴き声であり、それだけが手柄の一首である。
 とまで記しましたが、よくよく考えてみると、「白鷺」と呼ばれるのは「コサギ、チュウサギ、ダイサギ(チュウダイサギ、オオダイサギ)」であり、その裡の「オオダイサギ」だけが冬鳥であり、それ以外は留鳥か夏鳥ですから、「白鷺が沼に戻ってくる夕べ静かな白い騒ぎとなれり」という、本作の叙述に合致する「白鷺」は「オオダイサギ」だけということになりましょう。
 その点を含めて、作者の阿部芳夫から本作の成立事情に就いてお聞きしたいと思いますが、如何でありましょうか?
 [反歌] 留鳥がどうして戻って来るもんか白い騒ぎは白けた騒ぎ


○ 原発の不惑年齢変わるらし六十年に定年延びて (奥州市)及川和雄

 論語に曰く、「四十にして惑わず」と。
 自公連立政権のごり押しに依って再稼働が決まった、鹿児島県の川内原発や新潟県の柏崎刈羽原発などは、「四十にして惑わず」、定年時期を二十年後に先送りしたのでありましょう。
 [反歌] 原発は耳順はず六十になつても定年退職せず


○ 去る人の背中寂しく遠ざける銀杏並木の遠近法が (羽曳野市)玉田一成

 次に引用する記事は「TPOJ通信」なるホームページのに掲載されている。「TPOJカスタマーサポートの佐藤」さんと仰る方のお書きになったものである。
 どう記事は、掲出の玉田一成作の鑑賞に資する点が大なれば、ここに斯くして引用させていただく次第であります。
 筆者の〈TPOJカスタマーサポートの佐藤さん〉に於かれましては、宜しくご許容賜りたく篤く篤くお願い申し上げます。

 こんにちは、TPOJカスタマーサポートの佐藤です。/今年もいよいよこの季節がやってまいりました。/今週の木曜日、11月20日はボジョレー・ヌーボーの解禁日。/…と書くと、この日を心待ちにしているかのように聞こえるかもしれませんね。ですが、渋めの重口ワインが好きな佐藤は、じつはフレッシュなタイプのボジョレーはあまり飲みません。/ただ、何れ熟成することを思えば、その出来はやはり気になります。/何でも、天候に恵まれて味の良い葡萄が採れたことから、かなり期待ができるとの声が高い今年のボジョレー。前評判通りの味に仕上がっていることを願いつつ、解禁日を待ちたいと思います。/東京都心の紅葉スポットと聞いて、真っ先に思い浮かぶところといえば、明治神宮外苑のイチョウ並木でしょうか。/映画やテレビドラマのロケ地として使われることも多く、黄葉のイチョウが作り上げる見事な晩秋の風景は、どなたも一度は目にしたことがあるのではないかと思います。/そんな神宮外苑のイチョウ並木。その景観の美しさには、黄金色のイチョウのみならず、じつに工学的な理由が隠されておりました…。/◆◇◆◇ 計算して作られた都心の紅葉スポット◆◇◆◇/円錐形のイチョウがシンメトリーに並び、一枚の絵画のような美しさを繰り広げる明治神宮外苑のイチョウ並木。/約300mに及ぶ道沿いには左右それぞれに2列ずつ、計146本のイチョウが植えられているのですが、その植樹にあたって取り入れられた遠近法が、この並木道の美しさを生んだと言われています。/神宮外苑のイチョウ並木は、苑内にある聖徳記念絵画館を正面にして、青山通りという国道から真っ直ぐに外苑の中央へと伸びる道なのですが、その地盤は絵画館側に向かって1m程低くなっています。/このイチョウ並木を手がけた東京帝国大学(現・東大)の折下吉延博士は、ここに遠近法を活用し、道並みがきれいに見えるよう勾配に合わせて植える木の高さに高低差をつけたのだとか。/そんな巧みな計算が作り上げたのが、整然と並ぶイチョウと並木道の奥に覗く絵画館が調和した、見事な景観だったというわけですね。/黄金色に例えられるイチョウの葉の美しさに、遠近法という工学的なテクニックが加わったとなれば、まさに鬼に金棒。/都心で紅葉が楽しめる名所として、神宮外苑のイチョウ並木が毎年多くの人を魅了し続けるのも、もはや不思議はありません!(以上、引用終り)

 尚「この記事を書いた人」、即ち「TPOJカスタマーサポートの佐藤さん」という方は、「2009年入社。マーケティングチームでライティング業務を担当しています。浅草生まれの葛飾育ち! 下町エキスがたっぷりと染み込んだ江戸っ子です‼」とか。
 [反歌] 浅草で生まれ葛飾育ちの佐藤さん 気っぷのいいのは寅さん並みだ
      眼鏡こそ掛けてはいるが美人ですカスタマーサポートの佐藤さん
      来る人の背丈だんだん高くする銀杏並木の遠近法が


○ 戦争は合法的に準備され合法的に眼前に立つ (ひたちなか市)十亀弘史

 時代が時代であり、総理が総理ですから、ひたちなか市にお住まいの十亀弘史さんと言えども安閑とした気持ちでは居られませんね!
 [反歌] 翁長知事防衛相に直談判「オスプレイを撤去しろ」と


○ 亡くなった人の医療費計算す生きていたから病気になれた (大和市)林 有美

 「病気」になったから「亡くなった」とも申せましょうか?
 [反歌] 何のため他人の医療費計算す?大和市役所の職員ですか?


○ つかの間のパートの休止深呼吸フィナーレを待つホルンの奏者 (深谷市)時田 清

 オーケストラの構成員の中での「ホルンの奏者」の出番は、主旋律を奏でるバイオリンなどの弦楽器と比較した場合は勿論のこと、同じ管楽器でもフルートやクラリネットなどと比較した場合でも、それほど多いとは言えません。
 とは言え、「フィナーレ」を前にしての「休止」はそれなりに貴重な一刻であると思われ、そうした折りの「ホルンの奏者」が「深呼吸」している様子は、サントリーホールなどで私も何回か目にしたことがあります。
 [反歌] 束の間のパートの休息時間には給湯室で仲間の噂


○ 意思表示早くしろよといつも思う曲がりながらは表示いらない (西条市)眞鍋ユカリ

 仰りたい事は私にもよく解りますが、「意思表示早くしろよ」だとか、「曲がりながらは表示いらない」などと言われたって、反射神経の鈍い高齢者ドライバーには無理な注文でありませんか!
 [反歌] 車間距離十分に取って止まったらグズグズされても事故起こさない
 

○ 「吃逆」が読めてマスク貰ったのデイケア通いのひととの句会 (長崎市)竹井留美子

 「『吃逆』が読めてマスク」を貰えるのならば、「吃驚」が読めた場合は何を貰えるのでありましょうか?
 [反歌] 吃驚が読めてビックリされちゃった!介護士たちは教養不足!


○ 晩秋の西に傾く太陽はストンと落ちるナックルボール (川崎市)小島 敦

 「ナックルボール (Knuckleball)」とは、「野球に於ける球種の一つであり、限りなくボールの回転を抑えた形で投じられ、捕手に届くまでの間に不規則に変化しながら落ちる変化球」である。
 従って、「晩秋の西に傾く太陽」が「ストンと落ちる」有様の隠喩として「ナックルボール」を用いる事は、必ずしも適切とは言えません。
 [反歌] 山の端に傾き落ちる太陽の如し兆治のフォークボールは


○ 二センチのヒール鳴らして塾へ行く今日の私は二センチ大人 (仙台市)赤松みなみ

 「ヒール」が「二センチ」高くなれば「二センチ」分だけ躓き易くなりますから、その点には十分にご注意なさって「塾」通いをなさって下さいませ!
 [反歌] 偏差値が二ポイント下落してもなお次週を期して頑張るみなみ 


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