臆病なビーズ刺繍

 臆病なビーズ刺繍にありにしも
 糸目ほつれて今朝の薔薇薔薇

今週の「朝日歌壇」から(12月19日掲載分・其のⅡ)書き込み中

2016年12月27日 | 今週の朝日歌壇から
[佐佐木幸綱選]
○ 知里幸恵の書を呉れし人にこのところ逢はねば思ふエゾスカリユリ (川越市)小野長辰

○ ポケットに『地獄の季節』しのばせてまがりくねった未来見ていた (仙台市)古谷隆男

○ 愛されて憎まれたひとフィデル逝く「ぜんぶ、フィデルのせい」しか知らぬが (神戸市)田崎澄子

○ 露天湯の岩にはさまり星仰ぐ山椒魚は独りぼっち (チェコ)クロウスカー美莎子 

○ 一年に三時間だけ羽目はずす運動会は獄中祭 (ひたちなか市)十亀弘史

○ バスタブの月をこぼさず身を沈め湯は私分だけ流れ出す (筑後市)近藤史紀

○ うすれゆく記憶減らない放射能黙らぬ原発4基福島に (埼玉県)島村久夫

○ いくさ場となりて呼び名を変へられし血波川いま畑をうるほす (宗像市)巻 桔梗

○ ふる里の丘にて軍歌をうたふ子よ遥かなる日の吾等なるらし (海老名市)川上益男

○ 五番街トランプタワーの静まりて囲いの外より写メが賑わう (アメリカ)悦子ダンバー

○ 東京に雪が降るなり東京に降らねば雪もニュースにならず (登別市)松木 秀

○ 読んで寝てまた読んで寝て二時間半フェリーは夜の港に入る (佐渡市)藍原秋子

○ 温泉で暖房してる猫小屋の猫を追出し狸居座る (三郷市)木村義煕







 




































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