Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

欧州の環境に従う経済博士

2012-01-18 | アウトドーア・環境
既に昨日のラジオが伝えていた。BASFが欧州向けの遺伝子工学生物商品の開発を停止して、リムブルガーホッフにある研究機関を閉鎖するとあった。理由は、既に30年を掛けて勧めてきた遺伝子工学改良の生物であるジャガイモであるアムフローラの栽培許可などに関わらず、もはやドイツをはじめとする欧州では遺伝子工学改良生物はその社会が受け入れないと判断したからとある。更に憲法裁判所は遺伝子工学生物を危険な技術と認定したことが追い討ちを掛けた。

メルケル首相などはこの技術を21世紀の大きな経済的にも価値のある技術としてBASFのラムブレヒト前社長とともに推し進めようとしてきたが、ここでもまたもや敗北したことになるだろう。もちろん逃げ足が速いのはどこかの前官房長官と全く同じであるので、「大統領の任命責任」とともに、それを認めようとしないだろう。

会社は一千二億円規模の投資を既にしているようで、年間で百五十億円規模の新たな投資も全く回収されていない。今後は今まで拡張してきた実験農場の実績や許可などを保ちながら、欧州以外のアメリカ大陸などの市場での商品開拓へと合衆国のノースカロナイナを拠点として開発を続けるという。

大豆が南米で許可されていて日本政府にも申請されていることは良く知られているが、それ以外に乾燥に強いとうもろこしなどを開発して協力企業の合衆国のモンサント社によって全て販売される。

今回の閉鎖移動に伴って、ザクセンアンハルトの試験場とスェーデンのスヴァロェフの農場が閉鎖されて、リムブルガーホーフと合わせると300件ほどの職場の縮小となる。2013年までの計画で十億円以上のコストが発生する。

ベルリンやベルギーでは海外向けの研究が続くようだが、そこにはクルト・ボック社長の配慮が働いたようで、そもそも柳のように逆らわない気質が今回の転機に結びついたようである。この経済博士の子息が全て合衆国で勉強しているように、ある種の研究はそもそもドイツなどでしていても埒が明かないので、早めに頭を切り替えて環境に従うのも正しいだろう。

「鳴かぬなら、終わりにしようホトトギス」 クルト・ボック博士



参照:
なんだかんだいってもはじまらない 2010-03-10 | 文化一般
飼料は遺伝子操作済み 2007-07-25 | アウトドーア・環境
欧州的環境を政策とするとは 2009-09-20 | マスメディア批評
市井の声を聞いて改良 2006-11-06 | アウトドーア・環境
キルケゴールの考え方 2005-11-07 | 雑感
エコと呼ばれる遺伝子工学食品 2010-01-16 | アウトドーア・環境
化け物葡萄の工業発酵 2005-12-23 | ワイン
欧州からみる和食認証制 2006-11-03 | 料理
発育・成長・老化の中で 2004-12-19 | 数学・自然科学

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