この19日に米国とEU間のワイン協定が承認された。20年間の論争の末、一年毎の延長をもって処して来たEUも米国のGATへの提訴の構えを受けて、承認するに至った。これに対して、ベルリンCSUの消費者保護省大臣ゼーホファーが、2006年元旦の執行を受けて徹底反対を訴えている。
問題は、これまでも輸入されていた米国産ワインが何らの差別も無く、EU産ワインと肩を並べて販売される事により、EUの基準が米国並みに侵される事が憂慮されるからである。
何故ならば、特にドイツの生産者は、その自然条件からその生産性に限りがあるからである。風が吹いたら、桶屋が儲かる式に言うと、米国ワインを認める事は、ドイツのリースリング栽培を瓦解させる。そこまではならないとしても、零細のワイン農家は淘汰されて行く。
ここでも何回かバイオワインと言うキーワードの下に採り上げているが、米国産ワインは、バイオの表示が無い限り、ありとあらゆる化学的な生産方法が許可され採用されている。香料を添加して、水を入れようが何を混ぜようがお構いない。しかし米国産ワインに対する批判は要旨ではない。ワインを健康食品と言うならば、口当たりの良い米国産コカコーラワインを拒絶さえすれば良いのだが、問題はそう簡単では無いのである。
先日記したボルドーワインは、2ユーロ以下では売らないと言うのもブランドを強化して零細農家を守る為である。グローバル化に伴って特に独産ワインが高級志向に尽力する必要があったのは過去何年間にも遡る。
ポルト、ボルドーやブルゴーニュなどと同様にドイツも多くの生産地表示でブランドが保護される。ドイツだけで約100件ほどの認証表示が米国でも設定されるというが、ベルリン政府は現在ある3500件から1500件ほどは認証として設定させたい意向で、その隔たりは大きい。
そして独高級ワイン市場では、現在も行われている酵母の種類や選定などささやかなノウハウも明らかにされて、消費者が認識出来るようにしなければならない。さもないと、大量生産の工業生産ワインとの差異が示されないからである。試飲で判断しろと言うのは酷過ぎるのである。毒を盛られても量を加減すれば、気が付かずに、慢性的にしかその効果が表れない様にである。
EU産ワインで禁止されている基準と米国産のバイオワインとの差もハッキリさせなければいけない。既に、自然条件の有利なイタリアワインは、米国式のステンレス内での木樽熟成方法(木っ端をステンレシタンク内に浮かべる)を近々公式に認めると言う噂である。
保護貿易や産業保護は得る事が無い必要悪であった。だから全廃が正しい。しかし廉価な商品の市場を拡大させる為には、効率を争い価格競争となり、実験室での研究や味の素の研究が加速される。実験室ワインもコカ・コーラワインも、美味ければ売れる。
ナパの米国ワイン協会の担当者は、ワイン市場の拡大を考えないで反対する欧州の見解を間抜けと言う。そうだろうか?市場の拡大は、ワイン生産者の経済的発展*とも反比例するのではないだろうか。遺伝子操作で出来た化け物葡萄を想像しても、このような化け物が大西洋の向こう側に居る事を考えると決して不思議ではないのである。
*経済的影響力は、ワイン生産力や売り上げの発展とは一切関係無い。
参照:
政治的棲み分けの土壌 [ アウトドーア・環境 ] / 2005-09-22
市場でなく、自然に合わせろ [ ワイン ] / 2005-09-09
熟成ワイン窟のパラドックス [ ワイン ] / 2005-07-23
問題は、これまでも輸入されていた米国産ワインが何らの差別も無く、EU産ワインと肩を並べて販売される事により、EUの基準が米国並みに侵される事が憂慮されるからである。
何故ならば、特にドイツの生産者は、その自然条件からその生産性に限りがあるからである。風が吹いたら、桶屋が儲かる式に言うと、米国ワインを認める事は、ドイツのリースリング栽培を瓦解させる。そこまではならないとしても、零細のワイン農家は淘汰されて行く。
ここでも何回かバイオワインと言うキーワードの下に採り上げているが、米国産ワインは、バイオの表示が無い限り、ありとあらゆる化学的な生産方法が許可され採用されている。香料を添加して、水を入れようが何を混ぜようがお構いない。しかし米国産ワインに対する批判は要旨ではない。ワインを健康食品と言うならば、口当たりの良い米国産コカコーラワインを拒絶さえすれば良いのだが、問題はそう簡単では無いのである。
先日記したボルドーワインは、2ユーロ以下では売らないと言うのもブランドを強化して零細農家を守る為である。グローバル化に伴って特に独産ワインが高級志向に尽力する必要があったのは過去何年間にも遡る。
ポルト、ボルドーやブルゴーニュなどと同様にドイツも多くの生産地表示でブランドが保護される。ドイツだけで約100件ほどの認証表示が米国でも設定されるというが、ベルリン政府は現在ある3500件から1500件ほどは認証として設定させたい意向で、その隔たりは大きい。
そして独高級ワイン市場では、現在も行われている酵母の種類や選定などささやかなノウハウも明らかにされて、消費者が認識出来るようにしなければならない。さもないと、大量生産の工業生産ワインとの差異が示されないからである。試飲で判断しろと言うのは酷過ぎるのである。毒を盛られても量を加減すれば、気が付かずに、慢性的にしかその効果が表れない様にである。
EU産ワインで禁止されている基準と米国産のバイオワインとの差もハッキリさせなければいけない。既に、自然条件の有利なイタリアワインは、米国式のステンレス内での木樽熟成方法(木っ端をステンレシタンク内に浮かべる)を近々公式に認めると言う噂である。
保護貿易や産業保護は得る事が無い必要悪であった。だから全廃が正しい。しかし廉価な商品の市場を拡大させる為には、効率を争い価格競争となり、実験室での研究や味の素の研究が加速される。実験室ワインもコカ・コーラワインも、美味ければ売れる。
ナパの米国ワイン協会の担当者は、ワイン市場の拡大を考えないで反対する欧州の見解を間抜けと言う。そうだろうか?市場の拡大は、ワイン生産者の経済的発展*とも反比例するのではないだろうか。遺伝子操作で出来た化け物葡萄を想像しても、このような化け物が大西洋の向こう側に居る事を考えると決して不思議ではないのである。
*経済的影響力は、ワイン生産力や売り上げの発展とは一切関係無い。
参照:
政治的棲み分けの土壌 [ アウトドーア・環境 ] / 2005-09-22
市場でなく、自然に合わせろ [ ワイン ] / 2005-09-09
熟成ワイン窟のパラドックス [ ワイン ] / 2005-07-23
安くて自分の好みに見合うものがあれば
そちらに手を伸ばすのは誰しも同じ。
そうなると、時には高価な物も手にしようかと、高価な物はより高価になって。
その業界を支えてきた中小規模の生産者が淘汰されいくことで、それだけ消費者の選択肢が減ってしまう。
一度作ったら毎年同じワインなんて魅力あるのでしょうか・・・。
ワインの重要なのは水が無くても作れるアルコール飲料と言う事で、本当は葡萄以外に何も必要ないのです。投資をすればするほど、無駄も多くなるのです。