八国山だより

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憲法押しつけというのは権力者たち

2007-05-01 16:38:51 | 政治
 旅先にあって見る機会がなかったのだが、4月29日(日)にNHKスペシャル「日本国憲法 誕生」というのが放送されたようだ。

 以下、NHKのサイトから放送内容を引用すると次のようなものである。

日本国憲法の施行から60年、今、改憲や戦後体制の見直しが唱えられている。
そもそも日本国憲法は第2次世界大戦後の世界の中でどのようにして誕生したのだろうか。
これまで、ともすればGHQによる「押しつけ」憲法か否かに関心が集中していた。しかし、近年、憲法の制定過程をGHQとの密室の攻防にとどまらず、時間的にも空間的にもより広い視野からとらえ直そうという研究が進んでいる。
特に国会の憲法改正案委員小委員会の秘密議事録が公開されると、GHQ草案に様々な修正が施され、「日本化」「土着化」と呼ばれる過程を経ていることが明らかになってきた。生存権や義務教育の無償化などここでの日本人の修正によって盛り込まれた条項は多い。また、当時の極東委員会の議事録から、ソ連や中国が憲法制定過程に注目し、議論を重ねていたことが分かってきた。第9条のいわゆる芦田修正について、極東委員会で日本の再軍備化の可能性が指摘され、新たにシビリアンコントロールの条項が付け加えられることになった。
番組では最新の資料と証言をもとに、戦後日本の形を決めた憲法誕生の舞台裏を世界史的スケールで描く。

 NHKはこの2月10日にもETV特集として「焼け跡から生まれた憲法草案」という番組を放送している。
安倍などの圧力で内容を改変するなど問題もあるが、このような番組を作れるあたり、NHKの存在意義は大きいと思う。

 半藤一利氏の『昭和史 戦後篇』でも敗戦直後から、鈴木安蔵や馬場恒吾、森戸辰男ら在野の学者やジャーナリストたち7人が市民案としての憲法草案を作り上げ、それがGHQ民政局(実際の日本国憲法草案作りに携わった部局)あたりの人たちに大きな影響を与えた旨の記載がある。「戦争放棄」の言葉も言い出したのが幣原説とマッカーサー説の両方あるが、幣原首相の口から出たというのも確かとのこと。

 安倍首相など政府与党はアメリカの押しつけだからと国民を欺こうとしているが、マッカーサーが「憲法は天皇陛下と私の合作だ」「天皇陛下がいなければこの憲法はありえなかった」というぐらいに合作(半藤一利氏)とのこと。

 憲法は国家権力を縛ろうとしたもの、押しつけられているのは私たち一般国民ではなく、政府権力(その権力の頂点にあるのが自分と安倍氏は国会で表明)であることを私たちはよく理解する必要がある。