パンダ イン・マイ・ライフ

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音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

良寛 3/3

2019-03-24 | book
水上が紹介している漢詩。「定本 良寛全集」の1巻「詩集」では、補遺の年代未詳731にある。

縦読恒沙書 不如持一句
有人若相聞 如実知自心

縦(たとい)い恒沙(ごうしゃ)の書を読むとも 一句を持するに如(し)かず
人有りて若(も)し相(あい)問わば 如実に自心を知れと

たとえガンジス河の砂の数ほどある書物を読み終えたとしても、真の一句を持つことには及ばない。もし、人が来て、その一句は何かと聞いたら、わたしは即座に答えよう。「ありのままの自分のこころを知る事だ」と

良寛は、難しい話もせず、経も偉い人の話もせず、ありのままの自分の姿を見せ、越後の民衆に仏道の大事を教えた。

この国上山の生活で、富裕層に着物、食べもの、酒、薬などを247通、32家に無心しているという。霞を食べては生きていけない。

文化13年、良寛が59歳の時に、国上山を下り、ふもとの乙子(おとご)神社の草庵へ移る。この10余年の後、良寛69歳の時に国上から3里南の三島郡和島村島崎(今の長岡市)の木村元右衛門という人に引き取られた。その70歳の時に、古志郡福島(今の長岡市福島町)に住む貞心尼という30歳の女性と出会う。貞心は福島から島崎へ通う。70歳と30歳の交流は歌となって残っている。天保2年1月6日に、弟、貞心尼、木村家の人々に看取られて、木村家の離れで亡くなる。74歳。

水上は、晩年の良寛のすがすがしさと対照的な一休の晩年を比べる。

グーグルマップを見ると、出雲崎町に円明院、光照寺。倉敷市玉島に、玉島港の北西、円通寺公園と円通寺がある。国上山(くがみやま:出雲崎の北、海岸沿いに長岡市と新潟市の間の燕市)、真言宗国上寺(こくじょうじ)へ上る途中にある「五合庵」、国上山を下りたふもとの乙子(おとご)神社、お墓のある木村家の近くの隆泉寺がある。隆泉寺は、浄土真宗で木村家が信奉していた。

コメント
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