株主優待桐谷さんの失言

2019-08-31 00:00:26 | しょうぎ
8月初にマネックス証券主催で芝のプリンスホテルで開かれた講演会に羽生さんの後に登場したのが。桐谷広人さん。将棋棋士七段でもある。といっても将棋の腕前は羽生さんとはまるで違って、25年間の通産勝率は4割0分3厘。あと6敗していたら勝率4割を割るところだった。有名だったのは将棋の定跡や、将棋界のあらゆる対局の棋譜を覚えていると思われていたこと。「コンピューター桐谷」と言われていたことは、前座の羽生さんが明かしていた。ちなみに講演会の腕前は、圧倒的に桐谷七段の勝勢である。



その桐谷さんが株で儲けていたのは、東京証券協和会というところで将棋師範をしていた縁だったそうだ。色々な情報に基づき、株式資産額が3億円まで膨らんだそうだ。ところが、その後、暴落。5000万円まで下がり、手元には現金がなくなり、株価が下がっても送られ続ける株主優待の数々の金券だけが頼りの生活になっていたそうだ。

とはいえピーク時は400銘柄も持っていたそうで、全部下がったとはいえ分散されていたため、数多くの優待券を手にすることができたそうだ。

実際、気前のいい会社もあって、最低単位の投資で数パーセントの利回りを得られることができるわけで、年齢を重ねた今は、主に配当と優待で十分生活できるとのこと。もちろん、この手の講演会がしょっちゅうあるらしい。

ということで、講演のほぼ終了直前に、巨大失言が爆発。

「株主優待を得るためには、まず、最低単位でも株を買う必要が必要。ぜひ、『楽天証券』で株を購入して、優待生活を送りましょう。」

あろうことか、ライバルのネット証券の名前を(実は2回も)言ってしまったわけだ。

舞台のソデから指摘されて、言い訳に使った理由というのは、「午前中に横浜で楽天証券の講演会に出演していて、つい混同してしまった」ということ。


ところで、桐谷さんは、日本経済の問題について、山本太郎党首と同意見だとして、大企業や大金持ちの所得税の減税分が消費税の増税額と同じになっていると主張し、アベノミクスの失敗分を日銀が株式市場に現金を突っ込んで株価を支えて、それで「株価が高い」というのは間違っていると指摘。

山本太郎氏は消費税の減税あるいは廃止と直接税の累進度を上げることを主張していて、米国民主党の急進派オコシオ・コルテス議員も同じような主張をしている。

この段落は、個人的意見なのだが、たとえば大会社の社長の所得税を増税すれば、社長は自分の給料を上げることで対応するはずで、そうなれば社員の給料も上げることになるはずで、使い途のない内部留保より大分マシだろうと思える。消費税にしても、減税した方がいいのか増税した方がいいのか両説があるのなら、例えば1、2年間、税率を5%に半減して効果測定をしてもいいのではないかと思う。


さて、8月17日出題作の解答。

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実はキズがいくつかある。まず、3手目は不成でもいい。10手目の合駒に飛車を選ぶと2手超駒余りとなる。同手数でも詰む。14手目も△2二玉だと変化同手数となる。いずれもギリギリだ。

動く将棋盤は、こちら

テスト運用中として
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今週の問題。

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筋に迷い込むと美しく詰む、と錯覚する。美しくもなく釈然としない終局図が現れる。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見を記していただければ、正誤判定します。