范冰冰脱税事件

2018-10-05 00:00:56 | 市民A
中国でもっとも有名な女優である范冰冰が行方不明になっていたが、脱税調査を受けていたようだ。本人および本人の関係している会社の脱税が約40億円で、未納の税額と罰金と課徴金の合計で140億円払えば起訴されないらしい。日本ではちょっと考えられない。

また脱税額の3倍と言うことは罰金の類は2倍ということだが、日本では重加算税でも35%だ。もっとも、彼女の昨年の収入は60億円。来年から税率が上がって収入の半分近くが所得税になるとしても、過去の貯金だけで十分だろう。

ところで、「冰」という漢字だが、日本語では「氷」。名前に「氷」をつけるくらい映画では「冷たい女」を演じるそうだ。お国柄というべきか、中国では、「冷たい女(cool beauty)」が好まれるようだが、日本ではあまり好まれない。

冷たい女と言うと、米倉涼子、北川景子、沢尻エリカあたりかな。海外では、グレタ・ガルボ、カトリーヌ・ドヌーヴ、ニコール・キッドマン。「氷の微笑」のシャロン・ストーンとかだろうか。ネコ顔は冷たいというイメージらしい。


ところで、中国の脱税事情だが、まず陰陽契約について。実契約と税務用の契約があるということらしい。報道でもっと踏み込んで調べてほしかったのは、どちらが陰でどちらが陽なのかということ。表面的な方が陽なのか、実質的な方が陽なのか。中国文化を知るには重要なポイントだ。

もう一つ、日本の税務署では、「契約書」というのは二次的バウチャーで、実際には「領収書」優先。さらに踏み込めば入出金の証明書(預金通帳とか)となる。契約書というのは商行為の前にあるものなのだから、契約通りになったかどうかの証明にはならない。

そして、実話編。

以前の以前の会社で、中国向けに輸出をしたことがある。日本のある港湾で物件の引き渡しを行ったのだが、契約の詳細は既に確定していて、代金の振込と同時に引渡しを行うことになっていたのだが、引き渡しの前日夕方になって、近くのホテルにいるはずの相手の会社の社長からブローカーを通して妙な要望があった。

おカネはきちんと払うが、インボイス(仕送り状)の金額を少なく書いてほしい、という内容だったわけだ。どうも輸入関税が、金額に対して何%というように定率で掛けられるので、関税対策をしたいということのようだった。つまり脱税のわけだ。もっとも、当方には何の関係もない話に協力するはずがないわけだし、どこの国でも脱税は重罪のわけで、深く考えずにうっかり協力すると、その時には何もなくても、何年か先に中国旅行に行くと、空港から鉄格子直行となるかもしれないわけだ。

ということで、要望はお断りして、翌日の引渡し日を迎えたのだが、朝、円貨がスムーズに振り込まれたと思ったら、日本にある別の会社からの送金だったわけだ。それでは輸出代金とは認定できないわけで、現場にいる輸出先の社長とその第三の会社を含めて急遽、これこれの契約書の基づく商品代金である旨の確認書を作って取引終了となったのだが、相手の社長は、直ちに姿をくらませてしまったわけだ。ブローカーに聞くと、近くのゴルフショップに日本製のクラブセットを買うために急いでいたということだった。

高額ゴルフクラブには関税はかからないのかな?と心配したのだが、案外、そういう少額だけは正々堂々と払ったりするのだろうか。